苦手なりの受験英語(アルク版)

英語嫌いの英語教師の理由(5)

英語が嫌いなのに英語の先生をやってる理由
その4・私自身が英語が嫌いだった先生に習って成績が伸びたから

 「英語は必要ない」と考えていた中高時代の私でも、学校では必要・受験では必要…とは認識していた。したがって当然それなりの努力はした。しかし当時の私は基本的に脳みそがお花畑である。「なんとかなるよ」と思い込んでいた。つまり大した努力をしていなかったのである。当時はゲームセンターで遊ぶ日々を送っていた。英語を筆頭に学年最低点などを取り続け、卒業自体が奇跡であった。

 高3で「いい加減やばい!」と認識した時、ある宣伝を見つけた。それは私が当時買っていた「ゲーメスト」というゲーム雑誌に載っていた広告だった。

広告文句には↓こう書いてあった。
「ブタさんマークでおなじみの参考書『英語(秘)暗記するだけ』の著者 <井川治久先生>も昔は落ちこぼれのゲーム少年だった」

↑これを見た瞬間、「これだ!」と思った。早速本屋に言った。井川先生の著書を立ち読みし、井川先生のプロフィールを確認した。数学ができたのに、英語で酷く落ちこぼれて浪人したという。私とほぼ同じだった。しかし1浪して早稲田大学に受かった人だった。この人の著書をすぐさま購入した。

 実際、私は現役(高3)ではどこも受からなかった。浪人を決めた時、当時井川先生が所属していた早稲田予備校を迷わず第1候補に上げた。吟味の上、結局早稲田予備校を選んだ。そしてそれは私にとって正しかった。

 私は井川先生の講義を受けた。正直学習内容はきつかった。しかし学習内容はよく分かるのである。中学高校時代とはこれはエライ差だった。
 また、当時の早稲田予備校には、小林弘先生という方もいらした。この方も英語ができない生徒であったという。小林先生の講義も受講した。

 井川先生、小林先生の授業は、私にとって本当に分かりやすかった。私が欲しいと思う情報・解説をズバズバしてくださった。また私が見落としがちな大事な部分をズバズバ指摘してくださった。<こんな内容の講義を中学・高校時代に私は1回だって受けたことがなかった。内容がわからない講義ばかりであった> 私の英語の師匠は4人いるが、そのうちの2人はこのお二方である。どうしようもなく英語ができなかった時代、私の英語力はメキメキ上達した。これは当時このお二方の教えを忠実に守ったからである。

 このお二方から習ったこと…それは【ここ】で言った「成績を上げ方」に他ならなかった。

 英語が苦手な人にこれを伝えられるのは…私のような英語嫌いな英語教師しかいないのではないかと思う。しかし英語嫌いな英語教師はどうやら世の中にそんなに多くないようだ。これは多くの英語嫌いの学生にとって可哀想だと思った。したがってこれも私が英語教師をやる理由の一つになっているのである。

 金曜日は文法放送。この続きは来週の月曜日です。

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