成績が上がらない理由

(2018年6月 内容を大改訂 旧記事はこちら
英語が苦手な人はなかなか英語の成績が上がりません。その理由は「多くの英語指導者や英語の成績が良い人の特徴」と「英語が苦手な人の特徴」が真逆であることと関係があります。

多くの英語指導者や英語の成績が良い人の特徴

 
1・英文の1文を丸ごと覚えることが楽々。簡単。
2・「英語の意味(和訳例)」をあまり好まず、「英語の良い発音」が一番好き
3・英文法(語順のようなもの)が気にならない。こだわりたくない。

英語が苦手な人の特徴

1・英語の1文を丸ごと覚えることが苦手。苦しみの極致。
2・「英語の意味(和訳例)」を好む。「英語の良い発音」が一番嫌い
3・(嫌いな)英語を勉強しようと思い立ったとき、英文法(語順のようなもの)が気になって仕方がない。こだわりたい。

このギャップが、英語が苦手な人を困難に陥れます。

なぜなら

多くの英語指導者は、自分の特徴は誰にでも当てはまると思い込んでいる。なので自分の特徴を活かした指導を、全く活かせない英語の苦手な人にも押し付ける。

からです。

実際はどうなっているのか?

  • 多くの英語指導者は…英語が苦手な人にも「英文を丸ごと覚えろ! 楽だから!」と指導する。
    しかし⇒英語が苦手な人は、そっちのほうが苦手。英文を覚えられず、苦しみまくる。覚えられないんだから、成績が上がらない。
    しかし⇒英語指導者には彼らが「怠けているだけ」に見えるので、彼らを「なぜできないんだ!?」と叱る。
    叱られた英語が苦手な人は「こんなに一生懸命やってるのに!  なぜ先生はわかってくれない?」と思い、さらに苦しむ。
  • 最近の英語指導者の多くは…英語の「良い発音」を意味よりもこだわって指導する。英語らしい音が聞こえると快感。
    しかし⇒英語が苦手な人は「良い発音」は元より、カタカナ英語のような発音ですら覚えられない。よって英語らしい音が聞こえると不快。
    さらに、英語指導者は、どうかすると英文の意味を全く教えない。良い発音を生徒に伝えて大満足する。
    よって、英語が苦手な人は英文の意味が分からず、さらに不快になる。
  • 英語が苦手な人が、一大決心をして嫌な英語の勉強をしようとする。すると英語のルール(英文法)が気になる。
    例1:I go to school. は正しそうだが、I go school. は間違いか? 間違いだとしたら、なぜ間違いか?
    例2:英語には a(an) the と言ったものが入るが、それは必要なのか? 必要ならばそれはなぜか?
    ⇒それに対して、多くの英語指導者は満足のいく返事ができない。彼らはこういうことが気にならないからだ。彼らは例1に対しては「そう言うからだ」と答えたり、例2に対しては「とにかく暗記しろ」と言ったりする。そう答えられても英語が苦手な人は全く納得しない。多くの英語教師は英語嫌いにますます英語を嫌わせる返事をしてしまう。
     実は例1に対してはこのように、例2に対してはこのように返事をすれば、(ここのコメントの匿名さんのように)英語が苦手な人は納得する。
    ⇒しかし、多くの英語指導者は↑このように返事をするほうが納得しない(記事も、匿名さんのコメントも参考)。したがって、英語が苦手な人は通常納得する返事をもらえない。よって英語が嫌いな人はこのままだと英語の不快指数がたまる一方になる。

 しかし以上の見解を、多くの英語指導者は全く納得しない自分には全く当てはまらないからだ。「そんなはずはないだろう」と思うのが関の山である。
 実際、私自身「そんなはずはないだろう」という見解の英語指導者たち中学高校で教わってきた。そしてその結果英語で学年最低点など取るなどして苦しみまくった。そして英語が大嫌いになった

ようするに
 英語の苦手な人の場合、多くの英語指導者の基準で指導されると、英語の成績が上がるほうが不思議なのだ。

 

関連リンク

分析(ブログ「苦手なりの受験英語」<アルク>)
得意不得意の差の根本(ブログ「苦手なりの受験英語」<アルク>)
「英語嫌いな人を英語好きにさせようとする世の中にある試みはおかしいとしか思えない」(ブログ「苦手なりの受験英語」<アルク>)
英語が嫌いで苦手な人の「分かる・分からない」について(ブログ「苦手なりの受験英語」<アルク>)