苦手なりの受験英語(アルク版)

英語嫌いの英語教師の理由(7)

英語が嫌いなのに英語の先生をやってる理由
その6・当時どれくらい英語ができなかったかをよく覚えているから

 昔、私はある英語ができる人にこう聞いたことがある。
 「君が中1の頃や中2の頃、どのくらい英語ができるようになっていたか覚えている?
 返事はこうだった↓
 「覚えているわけないじゃーん

 これは私の偏見かもしれないが、「英語がずーっと得意だった人は、いつどのように、どんな英語の知識を身につけたかよく覚えていないのではないか?」単語1つでもそうだ。この単語はいつごろ覚えたのかはっきり覚えていないと思う。(覚えている人も大勢いるとは思うが…)

 実は私は違うのだ。中1の頃どのくらい英語ができなくて、中2の頃どのくらい英語ができなくて、、、中3,高1、高2、高3、、、こういった全ての各時点で、私はどのくらいの英語の知識があったか…これをよく覚えているのである。単語もそう。この単語はいつ覚えたか、いつごろは意味がわかっていたか…などを私はよく覚えているのである。

 私は中学高校時代ろくすっぽ英語を勉強しなかった。。。。と私は常に言っている。中学高校時代の英語の成績が常に赤点であった事実がそれを証明してくれる。ただ全く勉強しなかったわけではない。覚えようとして全然覚えられなかったのだ。だから点数に響かず、赤点を取り続けたのだ。(もちろん、純粋に机に向かって勉強した時間を測れば、一般的な中学・高校生よりも遥かに勉強しなかったのは事実である)

 ただ、当時とても苦しんだことはよく覚えている。何を覚えようとし、何を覚えられて、何を覚えられなかったを覚えている。圧倒的に覚えられなかった事のほうが多いけれども。

 その後(浪人時代)はこれとは違う。中学・高校時代に覚えられなかった英語の知識を、私は浪人の2年間で覚えてしまったのだ。このときはっきり分かったことがある。

 中学高校時代で覚えられなかったことは…それぞれ「何をどうやったら覚えられるようになるのか」…これが浪人時代にようやくわかったのである。
 

 例えば文法。文法を身につけるにはどうすれば良いのか? それは「同じ問題集をゆっくり何度も解かないと身につかない」とよくわかったのである。

 こうしたことがわかっているので…実に生徒に英語を教えやすい。生徒がどんな知識が必要で、その知識を身につけるには何が必要で、それにはどのくらい時間が必要になるのか…が計算できるからである。

 しかしこういう計算ができる英語教師は少ないだろう。彼らは初めから英語ができていたので、【できない人が克服にかかる時間】を測れないからである。例えば「関係詞」は苦手な人は克服に半年以上かかり、大概は挫折してしまう、、、ということも私は計算できる。しかし元々英語が得意であった英語教師ではこれが計算できず、間違ってしまう。関係詞は【自分に取っては】簡単だったから、【どんな生徒でも】すぐできると思ってしまうケースが多い。したがって普通の先生なら関係詞は説明がおざなりになる場合が多い。これでは英語が苦手な生徒は困るだけだ。こういう英語が苦手で困っている人を少しでも助けたいと私は思っている。これも私が英語教師をやる理由の一つになっているのである。

 金曜日は文法放送。この続きは来週の月曜日です。

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