今回のシリーズは
「センター試験直前対策2008」と題しましょう。
もう1カ月後ですからね。
今日は話の枕。ちょっとした小話を書きます。
それは「センター試験の英語問題は易しいはずだ」という神話についてです。
この神話を聞いたことがありませんか?
特に進学校などではそうささやかれるはずです。
これが本当かどうかを考えてみましょう。
私の意見の結論を言うと、センター試験の英語問題は
・英語が好きで得意な人にとっては得点を取るのが比較的たやすい。
・英語が嫌いで苦手な人にとっては得点を取るのが【激烈に】難しい。
というものです。
今からこれを証明します。
単純な例を書きましょう。
センターは例年、以下の大問が6つあります。
第1問が「発音系」
第2問が「文法・語彙系」
第3問が「文整序・語彙系」
第4問が「グラフや表などを元にした読解系」
第5問が「イラスト対話文」
第6問が「長文物語文」
さて、この6つの大問の設問のマーク1つあたりの得点を見てみます。
・第1問「発音系」…1つあたり、2〜3点
・第2問「文法・語彙系」…1つあたり、2〜3点
・第3問「文整序・語彙系」…1つあたり、4〜5点
・第4問「グラフや表などを元にした読解系」…1つあたり、6点
・第5問「イラスト対話文」…1つあたり、6点
・第6問「長文物語文」…1つあたり、5〜6点
が昨年の例です(例年、これとほとんど差がありません)。
ところで、
「英語が好きで得意な人」が嫌いなものはなんでしょう?
⇒文法ですね(参照1)
「英語が好きで得意な人」が好きなものはなんでしょう?
⇒英会話や英文解釈ですね。(参照2・参照3)
これをセンターに割り当てると、
「英語が好きで得意な人」は…
・第2問「文法・語彙系」
…1つあたり、2〜3点←を得点し難い
・第4問「グラフや表などを元にした読解系」
…1つあたり、6点←を得点し易い
・第5問「イラスト対話文」
…1つあたり、6点←を得点し易い
・第6問「長文物語文」
…1つあたり、5〜6点←を得点し易い。しかも設問が9問もある
となります。
つまり、
「英語が好きで得意な人」は…
配点が低い設問をミスりやすく、配点が高いものを獲得し易い
という傾向になります。
それに引き換え、「英語が嫌いで苦手な人」が英語の勉強の中で特に嫌いなものはなんでしょう?
⇒英会話や英文解釈ですね。(参照2・参照3)
「英語が嫌いで苦手な人」が英語の勉強の中でまだましに感じるものはなんでしょう?
⇒文法ですね(参照1)
これをセンターに割り当てると、
「英語が嫌いで苦手な人」は…
・第2問「文法・語彙系」
…1つあたり、2〜3点←はまだ得点し易い
・第4問「グラフや表などを元にした読解系」
…1つあたり、6点←を得点し難い
・第5問「イラスト対話文」
…1つあたり、6点←を得点し難い
・第6問「長文物語文」
…1つあたり、5〜6点←を得点し難いしかも設問が9問もある
となります。
つまり、
「英語が嫌いで苦手な人」は…
配点が低い設問はまだ獲得し易いのだが、配点が高いものは獲得し難い
という傾向になります。
したがって
「英語が好きで得意な人」は、1つのマークで6点も取れる問題を獲得し易い(しかもそういう設問が約半分)……という傾向があります。
「英語が嫌いで苦手な人」は、1つのマークで6点も取れる問題を獲得し難い(しかもそういう設問が約半分)……という傾向があります。
つまり、「英語が好きで得意な人」がたやすく高得点を取りやすくできているのが「センター試験の英語問題」なのです。
ところで、普通、英語の先生になる人はどういう人?
……「英語が好きで得意な人」ですよね?
じゃあ、彼、彼女らはセンター試験の英語の問題をどう感じるでしょうか?
「得点し易い平易な問題」
と感じるはずです。
だから「センター試験の英語問題は易しい」という神話が生まれるのです。
では、英語が嫌いで苦手だった私の場合、「センター試験の英語の問題をどう感じる」でしょうか?
「得点し難く激烈に難しい問題」
と感じるのです。
だから、英語が苦手なことに自信がある人は、センター試験を激烈に難しく感じるはずです。
例えば、第6問の「長文物語文」
……これは英語が嫌いな人にとっては【恐怖】の問題です。
「あんな長い英文なんて見たくない、読みたくない、読めるかこんなもん!」と感じます。
しかし、これは英語が好きな人にとってはありがたい問題です。
「長いっていったって平易な英文だし、単語も易しい。だいいち文法問題ではないから楽しい♪ 読もう! 読もう!」と感じるのです。
この差があるため、英語嫌いの私は「センター試験の英語問題」が大嫌いです。
また英語が苦手な人にとっては得点するのが難しい試験問題なのに、英語の先生には「易しい問題だ」などと言われることも、私がセンター試験英語問題が嫌いな理由になります。
センター試験の英語問題ほど、「英語嫌いな人をいじめる理不尽で嫌な試験問題はない」と私は思います。
次回より、主に苦手な人のためにセンター試験英語の対策を書きます。取り難くてもできるだけ得点したいではありませんか!
一般向けの対策は主にこちら(1番下から読んでください)に書きますね。←こっちのブログは英語嫌いのテイストを低めにしますのでw
次回の更新は次の木曜日です。