前回の続きです。まず前回のラストのまとめ↓
・手前の名詞を修飾する「【to do 〜】の塊」の意味には「こと」が付かない。
・「ような」「べき」「ための」「という」のどれかの意味になる。
これをご確認ください。よろしいですね?
では続き。「【to do 〜】の塊」が『手前の名詞を修飾する役割』を果たしている英文をもう少し詳しく見てみます。<前半>と<後半>があります。
<前半>
前回やったこの2つの英文を違いを考えましょう・
・I have some friends to help.(私には助けるべき友達が何人かいる)
・I have some friends to help me.(私には私を助けてくれるための友達が何人かいる)
上には me が無く、下には me がある。ここが大きな違いですね。
ここで考えて欲しいことがあります。to help me の「help」は自動詞でしょうか? 他動詞でしょうか? ⇒他動詞ですね。ここに注意してください!
上の英文
・I have some friends to help.
の場合、「help は他動詞」のくせに、目的語が直後にないのです。helpの目的語はどこに行ってしまったのでしょうか?
⇒実は、この場合「【to do 〜】の塊」が『修飾している名詞 friends』が help の目的語なのです。
「何人かの友達を助ける」わけです。(私が助ける)
一方、下の英文はどうでしょうか?
・I have some friends to help me.
こっちは「help は他動詞」で、普通に目的語が直後にあります。helpの目的語は「me」です。
⇒実は、この場合「【to do 〜】の塊」が『修飾している名詞 friends』が help の主語なのです。
「何人かの友達が私を助ける」わけです。(私は助けない)
この違いをしっかり理解してください。理解できましたか?
では、ここで<前半>のポイントです。
・I have some friends to help.
のように【to do 〜の塊】の目的語が直後になく、目的語である名詞(今回は friends)を【to do 〜の塊】が『修飾している』場合⇒意味はほとんど「べき」になる。
・I have some friends to help me.
のように【to do 〜の塊】の目的語が直後にあり、【to do 〜の塊】が『修飾している』名詞(今回は frineds)が do の主語の場合⇒意味は絶対に「べき」にはならない。
ということになります。
得意な人でもけっこう知らない知識です(得意な人は無意識でこれ知っている場合は十分にありえますが)
これを知っていると、苦手な人でも「このケースでの不定詞の意味」を取りやすくなります。苦手な人にはぜひ知って欲しい知識です。
-------------------------
<後半>
前々回と前回やったような、【to do 〜】が「手前の名詞を修飾している英文」のうち、以下の2つを取り上げます。
・He has the ability【to speak English well】.
⇒「彼は 【英語を上手に話すような】能力を持っている」
・I have some friends to help me.
⇒「私には 【私を助けてくれるための】 友達が何人かいる」
上は「ような」という意味が加わっていますね。下は「ための」ですね。
実は!
【to do 〜】が「手前の名詞を修飾している英文」のうち、「ような」と「ための」という意味が加えられる英文の場合は
●「ような」も「ための」も不要の場合が多い。
のです。
つまり
・He has the ability【to speak English well】.
⇒「彼は 【英語を上手に話すような】能力を持っている」
⇒「彼は 【英語を上手に話す】能力を持っている」
・I have some friends to help me.
⇒「私には 【私を助けてくれるための】友達が何人かいる」
⇒「私には 【私を助けてくれる】友達が何人かいる」
ほら! 「ような」や「ための」なんて無くたって意味が通る! いやむしろ「無いほうが自然」ではないでしょうか?
【to do 〜】が「手前の名詞を修飾している英文」は、このように「(訳す必要が無い)」場合が実は一番多いのです。
つまり、【to do 〜】が「手前の名詞を修飾している英文」は、「べき」「ような」「という」「ための」「(訳さない)」の5通りの意味がある。
のです
実は
・【to do 〜】が「手前の名詞を修飾している英文」は、この5通り以外は存在しない。
のです。この知識も得意な人は大体知りません。(得意な人でも無意識でこれ知っている場合は十分にありえますが)
苦手な英語学習者の皆さん! これを知っていると「このケースでの不定詞の意味」を取りやすくなります。苦手な人にはぜひ知って欲しい知識です。ぜひ覚えて活用して欲しいです。
今回はここまで。明日はいつもの文法放送。この続きは来週の月曜日です。