苦手なりの受験英語(アルク版)

勉強法。苦手な人へ・指導者へ(7)

・英語好きが好きな要素の所為で英語嫌いは英語が嫌いになる

テーマ
アンケートデータ結果はあなたにどう見えるか

苦手な人へ
楽しめるのか? 苦しむのか?

ここにある「空想上のアンケート結果」を示す。あくまで空想上のアンケートであり、実際に取ったわけではない。

凸凹中学校意識調査(I)。(注意・あくまで空想上の調査。私が勝手に作成した)
・問い:英語の授業で楽しかったと思えるものはなんですか?
 A:英語の歌を聴いたり、歌ったりして楽しんだこと(74%)
 B:英会話をしたこと(特に英米人と)(73%)
 C:易しく面白い英文がありそれを読んだこと(70%)

仮に結果は↑こうだったとする。どう思うか?
実は、私は知りたいことがある。
あなたは、このアンケート結果を
「どちらかと言えば、そうかもしれない」...と一瞬でも思っただろうか?

仮にそう思ったとした場合でも、次のアンケート結果を見て欲しい。

凸凹中学校意識調査(II)。(注意・あくまで空想上の調査。私が勝手に作成した)
・問い:英語の授業で苦しかったと思えるものはなんですか?
 A:英語の歌を聴いたり、歌ったりしたが満足にできなかったこと(74%)
 B:英会話をしたが満足にできなかったこと(特に英米人と)(73%)
 C:易しく面白いと言われた英文があったが、それでも読めなかったこと(70%)

仮に結果は↑こうだったとする。どう思うか?
 英語が嫌いなあなたの場合、今度はこれに「はっきり」同意すると思う。
 これらこそ、あなたが「英語が【さらに】嫌いになった理由」に他ならない理由なはずだから。

しかし、
さっきの凸凹中学校意識調査(I)の方では「楽しかったかかも」と思ってしまった、英語嫌いも大勢いると思う。
騙され易いのだ。
「楽しそうに思える」ものは「楽しそうに思えてしまう」という心理があるのだ。
実は本当は
「楽しそうに思えるものを楽しめなかった時に、より嫌いになるのだ」

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指導者へ
楽しめるのか? 苦しむのか?

あなたの場合↓この「空想上のアンケート結果」をどう見ただろうか?

凸凹中学校意識調査(I)。(注意・あくまで空想上の調査。私が勝手に作成した)
・問い:英語の授業で楽しかったと思えるものはなんですか?
 A:英語の歌を聴いたり、歌ったりして楽しんだこと(74%)
 B:英会話をしたこと(特に英米人と)(73%)
 C:易しく面白い英文がありそれを読んだこと(70%)

あなたの場合は「だいたいそんなものではないか」と同意する、と私は見ている。
どうであろう?
ではこれ↓は?

凸凹中学校意識調査(II)。(注意・あくまで空想上の調査。私が勝手に作成した)
・問い:英語の授業で苦しかったと思えるものはなんですか?
 A:英語の歌を聴いたり、歌ったりしたが満足にできなかったこと(74%)
 B:英会話をしたが満足にできなかったこと(特に英米人と)(73%)
 C:易しく面白いと言われた英文があったが、それでも読めなかったこと(70%)

今度はあなたは「同意できない」と思う。どうであろうか?

「同意できない」という「あなた」に以下を問うてみたい。
またしても「数学」で悪いと思うが、数学で置き換えてみる。

凸凹中学校意識調査(I)。(注意・あくまで空想上の調査。私が勝手に作成した)
・問い:数学の授業で楽しかったと思えるものはなんですか?
 A:数学のパズルを解いて楽しんだこと(74%)
 B:数学の先生と数学の楽しい話をしたこと
  (特にある数学者と数学の話を話す機会があった)(73%)
 C:易しく面白い数学の問題がありそれを解いたこと(70%)

もしあなたが数学嫌いな場合、↑これに同意できるか? もしかしたら少しは同意する人もいるかもしれない。

しかし

凸凹中学校意識調査(II)。(注意・あくまで空想上の調査。私が勝手に作成した)
・問い:数学の授業で苦しかったと思えるものはなんですか?
 A:数学のパズルを解いたことがあったが満足にできなかったこと(74%)
 B:数学の先生と数学の楽しいとされる話をしたが満足に分からなかったこと
  (特にある数学者と数学の話を話す機会があったがそのこと)(73%)
 C:易しく面白い数学の問題と言われたものがあったが満足に解けなかったこと(70%)

もしあなたが数学嫌いな場合↑こっちこそ「完全に同意できる」と思う。どうであろうか?
これらこそあなたがより数学嫌いになる(なった)要素にほかならないはずだ。
違うだろうか?

これの英語版が先のアンケートだ。
対比させよう。
凸凹中学校意識調査(II)。(注意・あくまで空想上の調査。私が勝手に作成した)
・問い:英語の授業で苦しかったと思えるものはなんですか?
 A:英語の歌を聴いたり、歌ったりしたが満足にできなかったこと(74%)
 B:英会話をしたが満足にできなかったこと(特に英米人と)(73%)
 C:易しく面白いと言われた英文があったが、それでも読めなかったこと(70%)

こうなる。英語嫌いは↑こう思うのだ。

つまり
・英語の歌を聴いたり、歌ったりという内容
・英会話(特に英米人との英会話)
・易しく面白いと言われた英文

あなたが好むこれらは、「英語嫌いをより【嫌い】にさせる要素」であると、知って欲しい。

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マウスバードの一言

実は、これには裏話がある。
最近某所で私が「英語嫌いが【なぜ英語が嫌いか】を調査をした例が見当たらない」と発言したところ、
「こんなのがありますよ」と言われて見たページがこれである。

「英語教育改善のための調査研究事業に関するアンケート調査」結果について:文部科学省

これが中学生向けだったら、よりよかったかもしれないが、残念ながら、これらの対象は「小学校の児童」が対象だった。
それでも参考になった。

この中にアンケートがある。
「英語の授業で行っていることの内、最も多くの児童が楽しいと思っていることは」という問いがある。
2位と4位を持ってくると
 「英語の歌を歌うこと」(23,654人(約74%))
 「英語で友達と会話をすること」(22,987人(約72%))
とある。

私は一瞬、え〜〜と、思った後、こう思った。

「これは【楽しかった要素】を探しているアンケート結果だ
【嫌だった要素】を探しているアンケートではない!」

そして私はこのアンケートを見てこう思った。

「【(英語が好きなりそうな)楽しかった要素】=【(英語が嫌いになる人の)嫌になる要素】だ!
だが、多くの英語教師にはそう思えないだろうな。」

なので今回の話は、多くの英語教師に
【(英語が好きなりそうな)楽しかった要素】=【(英語が嫌いになる人の)嫌になる要素】である
...これを証明してみたかった。皆さまはどう思っただろうか?

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今週の金曜日は文法放送。この続きは来週の月曜日です。

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