今回は、シリーズ「受験英語:良くある質問とその返事の【ひどさ】」の最終回です。総括の2回目です。このシリーズの最終回です。
今回の話題で想起される問題の2つめを紹介します。
(2)苦手な人は、これらのアドバイスを「珍妙に思えたまま、そうかもしれないと思ってしまう」傾向がある。
今回のシリーズの私の意見を、苦手な人の多くは「うんうん」とうなずけたと思います。珍妙に思える部分を、はっきり提示したからです。しかし、もし私がはっきり提示しなかったら、苦手な人でも「これらの得意な人の意見はいいかもしれない」と思った苦手な人も多いと思います。なぜか? 私が考える理由は以下の3つです。
・苦手な人も「なんとなくこれらの意見は珍妙だ」と思えるのだが、具体的にどう珍妙か「はっきり自覚していない」。
・「得意な人に共通の意見だから、真理を付いているに違いない」と思い込んでしまう。
・「楽に見える」意見には、「正しい」と信じたい。
今回のシリーズで私が提示した「ひどさ」や「意見」は、実のところ「苦手な人が無意識に感じている感覚」だと思います。人はなかなか「無意識」で感じることを言葉で表現し難いものです。もし、私の意見に「うんうん」とうなずけたのならば、「無意識にそう感じている」証拠に他なりません。
苦手な人ではなく、得意な人の意見です。「正しいはずだ」と思ってしまう心理があるではありませんか。
・人間は「楽」をしたい動物です。まして「苦手なものこそなるべく楽をしたい」はずです。だとすれば例えば、「辞書をなるべく引かない」「和訳例をなるべく作らない」といった楽な方法は「信じたい」ではないですか! それが心理というものです。
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以上を踏まえて、苦手な人には「どういう取り組み方をすべきか」を考えて欲しいと思っています。得意な人の意見は(月曜日に示したとおり)変わることは永遠にないと思います。変われるとすれば、あなた意識、つまり「苦手なあなたの意識」のほうだけだと思います。
今回のシリーズの私の意見に「うんうん」とうなずけたのであれば、分かったことがあるはずです。「得意な人の意見がいかに珍妙か」「得意な人の意見はいかに自分には当てはまらないか」がよく分かったはずです。
したがって、英語が苦手な人の皆さん! 皆さんは、「これらの得意な人の意見を、全て無視」して、「がんばって!」…と私は切に祈っています。