苦手なりの受験英語(アルク版)

夏休みの勉強法と塾・予備校(3)

夏休みの勉強法塾・予備校」というシリーズです。この話題の対象は「大学受験生」のみです。そして「英語が嫌いで苦手な人」のみです。

今回の話は「苦手な人の夏休みは大体こうなりがち」というお話をします。
これも前回の(Aタイプ)(Bタイプ)で、少し傾向が異なります。
Aタイプ)とにかく授業を受ければ良いんだろう型
Bタイプ)少なくとも最初は頑張る型
という型です。ご確認ください。

どちらのタイプも、予備校や塾などの「夏期講習」を受けるはずです。
Aタイプ)は、下手をすると自分ではなく、親がコースを選ぶ可能性があります。その場合はややきつめのコースです。自分で選んだ場合、とても楽そうなコースを選ぶ傾向があります。
Bタイプ)は、絶対に自分で選びます。楽そうなコースを選ばず、自分の足りない部分を補填するようなコースを選ぶはずです。

Aタイプ)は、授業を聞き流すだけです。予習をしないし、授業を眺めるか、笑い話だけ聞くか、そんなところです。同様のタイプの友達ができてお互いに「現状を憂い」ます。お互いで「これで大丈夫だようなあ」と言い合います。これで大丈夫だった例なんて1つもないのですが。なぜか彼らは「大丈夫だ」と言い合います。これで大丈夫なら幼稚園生でも大学に行けそうなものです。ですがなぜか現状を無視します。

Bタイプ)は、がんばります。がんばって付いていこうとします。合格の勝算があるとすれば当然こちらです。夏休み前に色々予定を立てます。夏期講習をどう取ってどう学習するか、を夏休み前に自分で計画を立てます。ここを見ている英語が苦手な受験生の多くはこのタイプだと思います。

本来ならここで、何をどう取って、という話をしたいところです。しかし今回ではまだその話はしません。その前に大事なことがあるからです。それは

たとえどのくらい完璧に予定を立てたとしても、計画通りを100%終わらせるのは至難の業である。ほとんどの場合、100%の計画通りに行かない。良くて80%ぐらいである

↑こういう結果が夏休み後に待っています。理由は以下の通り。
(1)思ったより予習が大変である。
(2)だんだん(想像以上に)難しくなる。
(3)その結果、最初に思った「夏はがんばるぞ!」という意気込みを、最後まで続かせることがなかなか難しい

夏期講習の授業は、たとえ最初はやさしくてもどんどん難しくなります。いや大概の場合、最初から難しいです。難しいのに日を追うごとに徐々に難しくなります。この結果、想像以上に気力が奪われます。前回少し書きましたがこれは「マラソン」と似ています。スタート時よりも後のほうが辛く苦しく、スピードが鈍るはずです。夏期講習は「マラソン」以上に過酷です。後になればなるほど問題も難しいのに、さらにスピードを要求されます。長距離走なのに、後のほうが傾斜がきつい上り坂、しかも傾斜がきついほど、「速く走れ!」とスピードを要求されるのです。これでは普通スピードが鈍らないほうがおかしいです。
 だから、最初の意気込みがなかなか続かないわけです。その結果、計画の予定が狂うのが普通です。

だから「なんとかできるだけ計画通りにこなす方法」これが先! 何をどう学ぶか、よりも優先して考える必要があります。そうは思いませんか?

「なんとかできるだけ計画通りにこなす方法」は人に教わってできることではありません。自分で見つけなければなりません。
 ここでは1つの例を挙げます。

(1)イメージする…夏休みの後半(8月の終わり)をまずイメージします。今よりはるかにキツイのだと。今のノルマ3倍の量をこなしているはずだ、とイメージします。今1日、1長文を読んでいるとしたら3つの長文を読まなければならないんだ、相当時間がかかるんだ、と思い込みます。

(2)中間地点で計画変更できるように準備する。…8月のお盆くらいで一端計画の見直しを図ります。この時点まで、何がどうできたか、これからどうするかを見直します。この時点で最優先課題を自分で見直します。残り半月での最優先課題は何か? この時点で8月までにその最優先課題をこなすことを考えます。

こんな感じにしてみるのはいかがでしょうか? そのために「まずは中間地点(お盆の頃)までの目標を最初に立ててみる」と良いと思います。こうすると、お盆以後の計画の見直しがスムースに行くと思います。

次回は「何を優先的に考えるべきか」を取り上げます。
明日はいつもの文法放送。この続きは来週の月曜日です。

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