今回はシリーズ5回目です。中2で英語の点数10点しか取れなかった私の姪が、高2の現在では98点を取り、学年4位の点数を取得し自主的にシャーロック・ホームズの原書(英語版)読もうとするまでになった話をしています。私が姪を教えるようになってあらの記録は既にtwitterで順次つぶやいてきました。先に過去3年分のツイートをご覧になりたい方はここをご覧ください。そこには既に姪関係のつぶやきのみをまとめてあります。
今回のテーマ
・何回同じものが出ても、間違いはなかなか直らない
・該当のつぶやき
2011年11月10日(木) 23:08
中2姪英語教室:thisとthatが読めず意味も分からない。今日はdon't をdou'tと書いた(前回はbon't)。「study を読め!」と聞くと「スチューデント」と答え、「student を読め!」と聞くと「スタディ」だった。brotherの意味を聞いたら「父」だった。
2012年3月23日(金) 16:58
中2姪英語教室:約4箇月間の学習の末、ようやくthisを「ザット」と読まずに「ディス」と読めるようになった(今までずっと毎回 ザット だった)。ただしthisの意味を尋ねると、姪は未だに「これ」ではなく「あれ」と答える。姪がthisを「これ」と把握するのにあと何箇月かかるだろう?
2012年5月4日(金) 02:38
中3姪英語教室:姪の誤読集。( )内が姪が実際に読む言葉...レベル5 then(ザン)/レベル4 their(ゼイ)/レベル3 has(ヒズ)/レベル2 an(オン)/レベル1 at(イット) ...最近ようやく this をディスと読めるようになった。今までは100%ザットだった。
2012年5月17日(木) 01:18
中3姪英語教室:俺「thisを読んで」 姪「ディス」 俺「もう大丈夫だね〜間違えなくなったね♪」 姪「え? あたし今まで間違えてたっけ?」 姪は過去の失敗を忘れるのも天才のようだ。こういう記憶障害も本当にヤバイと思う。今まで姪はthisをザット、thatをディスと読んでいた。
2013年1月6日(日) 11:03
中3姪英語教室:俺「"ザット"を書け!」 姪「thet」 / 俺「『彼女の、彼女を、彼女に』の"ハー"を書け!」 姪「har」 さあて、15日後には最初の入試があるぞ。 はあ(;´д`)トホホ...
2013年1月10日(木) 22:26
中3姪英語教室:姪が書くthatはいつもthetなり。 この一ヶ月、俺は姪にずっと「ザットは that ! e じゃなくてa !」と言い続けてきた。今さっきザットを書かせたが、やっぱり thet と書いた。おまけに「eじゃないの?」と聞いてきた。直る気配がない。
・姪の症状
似たような単語が区別できず、覚えられない。
this と that は本当に参った。この話は、ログあるように、初登場は中2の11月。そして最後の2つでも分かるように受験直前の中3の1月でも、this と that のスペルを覚え切れていなかった。
わかり難いが、実は私は姪に騙されていた。姪は中2〜中3のほとんどの期間で、this と that 対策に【あっているように見せかけるため】に実は「悪い工夫」をしていたことが後で分かった。
・姪は this や that が出てくると、どっちが出ても最初に「ザット」と言い、そして間違ってたら「ディス」と言う。
・私が意味を尋ねると、this だろうが、that だろうが最初に「あれ」と言い、そして間違っていたら「これ」と言う。
...という具合だった。最初は見事に私は騙された。中学の頃の姪は this と that を識別していなかった。当事の姪は「二者択一で、確率半分で当たれば良い・運が良ければ叱られない」と思っていたようだ。
this と that の識別ができた頃、別の問題が生まれた。今度は that と the のスペルの区別ができなかった。 the を tha と書いたり、that を thet と書いたりしていた。これが中3の受験間際の1月の話である。案の定、最初の入試には受からなかった。
なかなか直らなかったのは、this や that だけではない。
例えば次の例。
2012年9月20日(木) 21:38
中3姪英語教室:姪「manって何?どう読むの?」俺「(manも知らないのか(´Д`))『男の人』だよ。読み方はマン。ウルトラマンのマン!」 姪「へ〜」 約5分後。man を姪に読ませた。姪の発音は【メン】だった(ちなみにこの時点まで man の複数形を教えていなかった))
2012年10月12日(金) 00:10
中3姪英語教室:前にmanとwomanを教えた確認話。案の定忘れていた。俺「womanは女性」姪「へ〜」俺「womenは女性達」姪「へ〜」俺「じゃあ男性は何?」姪「?」俺「manだ!ウルトラマンのマンだって言ったろう!」姪「そうだっけ?」俺「じゃあ男性達は何?」姪「woman?」
このように、そうは簡単に覚えてはくれない。
・対策
少なくとも1度は書かせる。
1度以上は書かせなければとは思っていた。姪は英語を書く作業が不足していると感じたからだ。本当は何度も書かせるほうが良いのかもしれない。しかしそれをやっている時間がなかった。英文を読ませて意味を把握させるほうが優先だったからだ。むろん、時間があるときは何度も書かせたが。1度以上は書かせなければとは思っていた。
ただおそらくこれだけでは直らなかったろう。少なくともすぐには直らなかった。this や that が直ったと言えるのは中3の2月ぐらい。つまり受験の直前。公立高校の入試まで15日ぐらいにようやく直ったのである。遅すぎだ。合格したのだから結果は出たものの、有効な方法と言い難い。
・考察
失敗したのが有効だった。
では、なぜ公立高校の入試まで15日ぐらいにようやく直ったのか? 理由は思い当たる。このシリーズの(3)の最後で書いたことがそのまま理由になる。(以下ほぼ(3)の最後の再放送)
それは中3の1月21日に受けた私立高校に受からなかったことである。
正直言って余り高いレベルの私立高校ではない。だから姪は「ここなら今の私でも受かる可能性がある」と思っていたはずだ。しかしそこが受からなかった。そこで初めて姪は「単語が正しく書けなくて受からなかった!」と認識したのである。つまりそれまでは「間違ってても大丈夫のはずだ」と高をくくっていたのである。しかし受からなかったので「しまった! このままでは高校生になれない」と認識したのではないか。それでやっと初めて「ちゃんと英単語のスペルを書けるようになろう」と意識したと思う。
それまでは、「直す労力」と「受かるなら直さなくて良いだろうという見込み」を天秤にかけて、「直さない」ことを姪は選んでいたと思う。
【総論】
書かなければ間違いは直せないとは思うが、本人が「間違ってても問題ない」と思っている間は効果が薄いと思う。「this や that を間違えることは大問題なのだ」とはっきり自覚させることが優先なのかもしれない。
中3の頃の姪は2月にthis や that のスペルや意味を間違えなくなり、3月には無事地元の公立高校に受かった。
今回はここまで。今週の金曜日はいつもの文法放送。この続きは来週の月曜日です。