では具体的に行きましょう。
まずこの英文を見てください。
(1)I love Taro.
↑この英文は完全でしょうか? 不完全でしょうか?
分かりますか?
実は完全です。
では↓これは?
(2)I love.
これは完全ではない(不完全)、と通常されます。では分かりますか? この英文のどこが「不完全」かが?
大事なのは動詞です。"I love." の中で「動詞」は何かわかりますか?
⇒ love
です。ここまでは良いと思います。では動詞の love の意味は分かりますか?
「それくらいわから〜い」と思う人は大勢いると思います。
そういう人の何人かは↓こう答えると思います。
「『愛している』でしょ?」
↑こう答えた方。すみません。残念ですが「間違い」です。「しょぼい中学校用の辞書」ならばいざ知らず、高校生以上が使う普通の学習用の辞書なら『愛している』とは絶対に書いてありません。
正しくは↓
『〜を愛している』
です。
『愛している』は間違いなのです。お疑いならば、(高校生以上が使う普通の学習用の)辞書で love を調べてください。絶対に
〇「〜を愛している」
×「愛している」
となっているはずでず。これが「完全な文」と「不完全な文」を学ぶ上では大変重要になっていきます。
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I love Taro. の意味を考えましょう。この訳例の1つは
「私は 太郎 を愛している」
となります。これは
I が 「私は」
love が「を愛している」
Taro が「太郎」です。
だから、全体で「私は太郎を愛している」になっています。
もし love の意味が 「〜を愛している」ではなく「愛している」であったならば、
I love Taro. の意味は
「私は太郎愛している」
になってしまいます。この日本語は正しいですか? おかしいですよね。
そうではなく
「私は太郎を愛している」
がとしたいはずです。そうするためには
love の意味は
〇「〜を愛している」
×「愛している」
でなければおかしい。ここまでよろしいですか?
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では↓この英文を考えてください。
(2) I love.
↑この英文の意味を考えてください。ヒント「love の意味は『〜を愛している』」です。
正解は
「わたしは を愛している」
です。
さあクイズ!「わたしは を愛している」←この日本語は正しいでしょうか?
正しくないですよね。
"I love." のままなら「誰を愛しているのか分からない」のです。だからおかしいのです。
I love. は
「私は●を愛している」
という意味になる。つまり必要な「●」という部分が無い! 欠けている!
英語で書くなら
I love ●.
●が欲しい! 欠けている!
だから↓こういう
I love.
みたいな英文を「不完全な文(完全な文ではない)」と呼ぶのです。
しかし
I love Taro. だったら
「私は太郎を愛している」という具合に、「誰を愛しているのか」がわかります。
これなら問題がない。こういう
(1)I love Taro.
のような英文ならば「完全な文」と呼ぶわけです。ここまでよろしいでしょうか?
ここまでどうでしょうか? 簡単ですか? ここまでをまず把握してください。
ここから先が大変なのです。実は今挙げた例は、まだ分かりやすい「完全な文」です。数ある「完全な文」の比較的分かりやすい【1例】を示したに過ぎません。これ以外にまだまだまだまだ、うじゃうじゃいくつもの「完全な文」のパターンがあります。同時にそれによく似た「不完全な文」もうじゃうじゃあります。それらについては来週以降で1つずつ説明していきましょう。
金曜日はいつもの文法放送をします。この続きは来週の月曜日です。