今回は高校入学編(その1)です。
英語が苦手な人は大雑把に分けて「中学で英語が嫌いになる人」と「高校で英語が嫌いになる人」の2種類の人々がいる、ということを私は実は「このブログの第2回目(3年前)」に発表しました。
「中学で英語が嫌いになる人」はここで言う「Bタイプ」
「高校で英語が嫌いになる人」はここで言う「Aタイプ」
に分類されると思います。
ここで最大に気をつけて欲しいことがあります。それは「Aタイプ」と「Bタイプ」は英語が嫌いになる原因が正反対である、という点です。
「中学で英語が嫌いになる人(Bタイプ)」は
⇒短く簡単な英語ですら意味が分からない⇒英語が嫌いになる。
「高校で英語が嫌いになる人(Aタイプ)」は
⇒短く簡単な英語は意味がすぐに分かる(もしくはなんとか分かる)⇒こういう英語は大好き。
⇒長く複雑な英語になると、とたんに意味が分からなくなる⇒長い英語は大嫌い。
⇒⇒高校では「長く複雑な英語」ばかり登場するようになり、意味が分からなくなる⇒英語が嫌いになる
という図式です。これは大きな差なのです。
高校で英語が苦手になり嫌いになる人は、「会話的な表現」がけっこう好きな人が多いです。会話表現は概ね「ピリオドまでが短い」英文です。中学で「英語を楽しんだ」という人が多いのではないでしょうか? 発音を褒められたり、(私が嫌いな)英語の歌を楽しんだり、というけっこう「生の英語(?)」と親しんだ経験があるように思います。
このようにAタイプは「本当は英語を喋りたい」という人のような気がします。
(ちなみにBタイプはその逆で「本当に英語を喋りたくない」という人です)
Aタイプは「ピリオドまでが短い英文」は全く問題がないのです。実はココが「高校で英語が嫌いになる人の原因」です。
Aタイプは「ピリオドまでが短い英文はなんとなく意味が分かる」という能力を持っているのです。前回、例に挙げた「What is war?」なんて、間違えるわけがないのです。
「なんとなく」とは、とどのつまり、「文法を知らなくても」と同義です。「そんなもの(=文法)なんて何か役に立つの? そんなん変なもの知らなくたって、英語は分かるじゃんか。そんな(余計な)こと(=文法)を考えると英語が楽しめない。そんなん知らなくたって、私は英語の成績は悪くなかった」という感じで中学生活を過ごしてきたはずです。
ところが、Aタイプの人は↑それが「中学までしか通用しなかった」のです。中学までの短い英文だったら無問題だったのですが、高校に入ったらなんかやたら英文が長くなりました。そうしたら「なんとなく分かる」と思った英文が徐々に分からなくなり始めるのです。
「あれ? 意味が分からなくなり始めた…」みたいな感じです。
この頃になると、高校の先生は「少しは」文法を説明し始めます。しかしこのときの「文法の説明」がAタイプの人には「耳に入らない」のです。
なぜならAタイプの人は
(1)中学時代は文法を無視していた⇒それでも意味は分かったし、成績も良かった⇒だから文法なんて必要ないはずだと思っている。
(2)中学時代は文法を無視していた⇒そんなものを考えるほうが英語を楽しめない感じがしていた。⇒中学時代の基礎の英文法が頭に入っていない。
(3)中学時代で習う基礎文法が頭に入っていないから⇒高校で習う「応用的な文法事項」がチンプンカンプンで理解できない。
実は、高校時代で登場する「ピリオドまでが長い英文」は「文法の力がものすごく役に立つ」のです。
例↓ 意味が分かりますか? 訳せますか?専修大学の入試問題です。
By the time I was thirteen or fourteen I began to try to know myself, the sort of person I was, what I could attempt successfully, and the things that I was no good at and that I must not waste time over.
「文法なんか不要だよ!」という自信があるAタイプの人にはぜひ、文法抜きでチャレンジして欲しいです。
※この解答と解説は、某所には既にあるんですけどねw この続きは次回にしましょう。
明日は、いつもの文法動画講義。この続きは月曜日です。