苦手なりの受験英語(アルク版)

日本人は文法に詳しくないから英語が喋れない(4)

【事実】
今現在英語が好きで得意で英語がペラペラ喋っている日本人の多くは、文法に詳しくない。(つまり文法に詳しくなくてもペラペラ喋れている

↑これは私には(も)事実と思う。しかし「だからといって文法に詳しくなくていい」という話には簡単にならない

なぜ「だからといって文法に詳しくなくていい」という話には簡単にならないのか?
この理由は大きく分けて2つ。
(1)【無意識の】慣れの問題
(2)才能の問題、特に「英文そのものを覚える能力に長けているか」の問題
この2つです。この2つの要素がそれぞれ50%ずつあって、「だからといって文法に詳しくなくていい」...という結論にならないと思う。

前回は
(1)【無意識の】慣れの問題
について話しました。「慣れだけでなんとかしなる人」は【無意識で慣れようとする】のです。詳しくは前回のログをご覧ください。

今回はこの話の続きです。
(2)才能の問題、特に「英文そのものを覚える能力に長けているか」の問題
について話します。

まず少し再放送をします。オリジナルはこの回

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 ●語学には才能がある。才能がある人ほど、文法は要らない。しかし才能に長けていてない大多数は文法が必要と思う

こう書くと「語学に才能なんてない。みな同じく等しい」と言う人が出てくる。その人向け

たとえ話

をしよう。
・ここに100人の人を集めて、100mの徒競走を行うとする
そうしたら100人が100人別々のタイムになるはずである。100人が100人みな同タイムでゴールしないはずである。
 このように等しくないのだ。

これと英語は同じ。
・ここに100人の人を集めて、英単語100個記憶テストを行うとする
そうしたら100人が100人別々の点数になるはずである(そりゃ同点になるケースも多数存在するが)。少なくとも100人が100人みな同点にはならないはずである。
 このように等しくない

(以上が再放送)
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では、英語における才能とはどういうものか?......

「核となる才能」は「英文そのものを覚える能力に長けているかどうか」...これだと思う。そしてこれはが「文法の必要度」と大きく関わっている。

 『英文そのもの』を「すっ」と【あなたは】簡単に覚えられるであろうか?
  もっと言えば
 単語1つ1つの意味を覚えるよりも、「例文を覚えるほうが簡単に感じるか?」
どうでしょうか?

おそらく
例文を覚えるほうがはるかに簡単に感じる方』は
 「そうに決まってるだろー! 例文の覚えのほうがはるかに楽だ!」
 とおっしゃると思います。

しかしそうではない人が大勢います。(代表例は「私」です)
私は例文をそう簡単に覚えられない脳みそです。

私のように『例文を覚えるのに苦労する方』は
「んなアホな! 例文なんか簡単に覚えられるものか! 単語1つで精一杯に決まってる!」
 とおっしゃると思います。

 あなたはどちらでしょうか? そしてお互いに【逆の感覚の人がいることが信じられない】のではないでしょうか?

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 私がかつて通った中学・高校はかなり特殊で、英会話に随分力を入れた学校でした。そこでは、主に「例文記憶」をさせられました英語の成績がいい人は、「ひょいひょい例文を覚えて」きました。は、彼らより覚える時間を5倍ぐらい多くもらっても「ちーっとも覚えられません」でした。おかげで私は「英語の歌の歌詞さえ覚えられず、嫌な体験」をしました。おかげで私は英語がますます嫌いになりました。

 英語に困らなくなった後、小さな塾で英語を教えていたとき、ある劇的な発見をしました。
●「単語1つ1つ覚えるより、例文を丸ごと覚えるほうが楽に感じる人がいる・これができる人ほど英語の成績がよい」ということを発見しました。
参照
これこそ「語学の才能の代表的な例」だと思います。 例文を丸ごと覚えるほうが楽に感じる生徒は、文法なんかロクに知らなくても、成績がものすごく良かったのです。文法問題を解かせると、彼らは「勘」で正解が出せてしまうのです。

 こういう人たちもいるのは事実と思います。ただしこういう人は、私の見積もりで少数派。20人に1人ぐらいだと思います。

 逆に言えば残りの19人(95%)はそうではないと思います。例文より単語一つ一つを覚えるほうが簡単に感じると思います。
ところが、

・例文のほうが簡単に覚えられる人は、例文を簡単に覚えられない人がいることが信じられません。
 ↑
そして普通は、「例文のほうが簡単に覚えられ人」ばかりが英語が得意になるのです。私はこれを「語学の才能」と呼んでいるのです。

今週の金曜はいつもの文法放送。次回は来週の月曜日です。

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