苦手なりの受験英語(アルク版)

色んな意味で仮定法の謎(3)


では、初めから得意な人はなぜ仮定法が苦手なのか? を今回は考えたいと思います。
まず2つの例を提示したいと思います。

1つ目の例ここで出した例(関係詞の問題)
 次の(   )に入ることが出来る単語を次の中から選びなさい
This is the place (  )she likes.
(1) which
(2) where
(3) what

2つ目の例は先にも出したここの例(仮定法の問題)
 次の(   )に入る適切なものを選びなさい
If you (  ) your best, you would have passed the examination.
(1) will do
(2) do
(3) did
(4) had done

いかがでしょう。やってみてください。

正解は1つ目は(1)のwhichです。(2)のwhereではありません。
   2つ目は(4)の had done です。
初めから得意な人は、1つ目の答えはなぜか「なんとなくわかる」、しかし2つ目はなぜかたいてい「間違ってしまう」のです。
これがなぜなのか? ということを考えたいのです。

初めから得意な人は
1つ目の例は「違和感」で答えが分かる
2つ目の例は「違和感」で答えが分からない
のです。

初めから得意な人の場合、文章そのものを暗記します。単語を1つずつ暗記しません。
ここでも書きましたが、初めから英語が得意な人は、単語1語の意味を覚えるより、例文を覚えるほうが楽なのです。
初めから得意な人の中には「文を丸ごと【無意識に】覚えてしまう人」さえいます。苦もなく、すんなりと。

1つ目の例で言えば
(1)This is the place which she likes.……のようなを記憶している
(2)This is the place where she likes.……のようなは頭に入っていない
(3)This is the place what she likes.……のようなは頭に入っていない
したがって、この場合、記憶にある同じパターンと「which」なはずだと「なんとなく」分かり、答えと分かるのです。

では、2つ目の例はどうでしょうか?
実は、初めから得意な人は↓こうなのです。
(1)If you will do your best, ……のようなを記憶している
(2)If you do your best, ……のようなを記憶している
(3)If you did your best, ……のようなを記憶している
(4)If you had done your best, ……のようなを記憶している
そうなのです。この場合、(1)〜(4)のどの形も頭に入っているのです。
時制によってどのパターンもありえるのです。
彼らは「例文(だけ)を覚えている」のであって、それが何時制であるのかをほとんど気にしていないのです。
(したがって、「時制」という文法事項も彼らは苦手です)
そして、「仮定法」というのはその「ただでさえ苦手な【時制】を狂わせて使う用法」なのです。
混乱することこの上ない! (1)〜(4)でどれが一番見かけるパターンだろう? などと考える人もいるでしょう。そうしたら正解の(4)が選べない。(4)のパターン頻度は多いほうではないからです。

したがって「得意な人は、仮定法の問題でよく間違ってしまう」のです。

ここで、もう1つ大胆な私の仮説を発表します。
覚悟はいいですか?w

仮定法は、本当に「時制」を気にしなければならない文法なのですが、
初めから得意な人は「時間的な概念を考えるのが嫌い過去と現在とのつながりを考えるということがあまりない」のではないかと思うのです。

もしかしたらなのですが、↓これと大きく関係があるのではないかと疑っているのです。

英語好きな人と英語嫌いな人の法則(3)
英語好き」は歴史嫌い・苦手
一方で
歴史好き・得意な人は「英語が嫌い

歴史が嫌いな人は「過去」を思い測る、なんてマネはやりたくない筆頭なことなのではないか?
だから、過去かどうかとか考えなければならない仮定法が彼らにとっては不快でしょうがないのではないか?
と最近私は考えているのです。

どうでしょうか……?

次回からはしばらく?「仮定法の基本用法をネット上で講義」します。文法講座ですねw
次回は木曜日です。

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