今日は「形容詞」について考えます。
とりあえず日本語の辞書で「形容詞」を調べますと、「品詞の一。自立語で一定の活用があり、事物の性質・状態を表す。言い切りの形が、口語では「い」、文語では「し」となる。」(角川新国語辞典より)とあります。また日本語の場合には「形容動詞」という品詞があります。この定義は「品詞の一。自立語で一定の活用があり、事物の性質・状態を表す。言い切りの形が、口語では「だ」、文語では「なり」「たり」となるのが普通。」(角川新国語辞典より)とあります。
形容詞と形容動詞は、活用が違うだけで、品詞の持っている役割は同じです。外国人向けに日本語文法書には共に「形容詞」として扱われています。(日本語の「形容詞」に当たるものを「イ形容詞」、「形容動詞」を「ナ形容詞」と呼んでいます)
これはあくまで日本語の「形容詞」について言えることでしょう。でも英語でも参考になります。
例えば日本語の形容詞「美しい」は、英語でも形容詞で「beautiful」になります。たいていの場合、日本語の形容詞に対応する単語には、英語の形容詞の単語があります。
形容詞の定義では⇒【言い切りの形が、口語では「い」】と言っているのだから、確かめしょう。
⇒「美しい」
これは形容詞です。(イ形容詞)
形容動詞の定義では⇒【言い切りの形が、口語では「だ」】と言っているのだから、確かめしょう。
⇒「静かだ」
これは形容動詞です。(ナ形容詞)
他の品詞で確かめましょうか?
例えば動詞(食べる)。
⇒「食べる」
「い」で終わっていないですね。
おかしいですね。だから「食べる」は形容詞ではないのです。
実は英語の場合、形容詞には、もうちょっとはっきりした定義があります。
1.補語になって主語の状態を説明する働き
または
2、名詞を修飾する働き
です。
2、名詞を修飾する働き←こっちから先にやりましょう。
例えば名詞で、「花」という言葉があります。これを「どのような花なのか」表現してみましょう。
⇒「美しい花」
という具合に例えばしてみました。これは
「美しい・花」
という具合に分けられます。そして、
「美しい」という単語が「花」という単語を説明している感じなのがわかるでしょうか?
こういう場合、
「美しい」(という単語)は「花」を修飾している
と言います。
ところで、「花」の品詞はなんでしょうか? 「名詞」ですね。
名詞「花」を修飾している言葉が「美しい」なわけです。
2、名詞を修飾する働き
が形容詞でした。つまり、「美しい」は形容詞なわけです。ここまでよろしいでしょうか?
「美しい花」...これは日本語でした。これを英語にしてみましょう。
⇒ beautiful flower
となります。 形容詞の beautiful が 名詞の flower を修飾しているのです。
英語の形容詞(例えば、 beautiful)は、このように名詞を修飾する働きを持っています。
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1.補語になって主語の状態を説明する働き
↑こちらを説明しましょう。
例えば
The flower is beautiful.(その花は美しい)
という英文があります。本当は、5文型の学習をしないと分からない話ですが、この英文は
The flower is beautiful.
S V C
という、第2文型になっています。
その花=美しい
という表現です。
The flower(その花)はどういうじょうたいなのか、というと「美しい」という【状態】なのです。
ほら!
【補語になって主語の状態を説明する働き】
に beautiful はなっているでしょう。
このようなことも出来るのが、英語の「形容詞」です。
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なお
1.補語になって主語の状態を説明する働き
The flower is beautiful.(その花は美しい)
このように使う形容詞の働きを「叙述用法」
2、名詞を修飾する働き
beautiful flower(美しい花)
このように使う形容詞の働きを「限定用法」
と呼ぶことがあります。英語の場合、たいていの形容詞は、このように同じ単語でどちらの用法でも使えます。しかし中には「叙述用法」でしか使えない形容詞、「限定用法」でしか使えない形容詞もあります。
また、文法の学習中で「形容詞の働き」と言ったら
⇒2、名詞を修飾する働き
beautiful flower(美しい花)
↑このような働きを指すことが圧倒的に多い、ということもご記憶ください。
よろしいでしょうか? 次回は助動詞です。来週の月曜日の更新の予定です。