今回は「形容詞」という言葉を説明します。日本語でも形容詞ぐらいありますから、なじみのある言葉とは思います。でもこの定義を言えますか?
英語の形容詞の定義は実は簡単です。
⇒「名詞を修飾するもの」か「名詞ではない補語」です。
もっとも↑これだけでは分からないかも知れません。詳しく説明しましょう。
・「名詞を修飾するもの」
まず、日本語で考えましょう。
例えば「美しい女性」という言葉を例に取りましょう。
「女性」という単語の品詞は「名詞」です。これは大丈夫でしょうか?
では、「美しい」という単語の品詞は何でしょうか?
⇒実は(日本語でも)「形容詞」です。
「美しい女性」を例に↓場合、
「美しい」という言葉は、次の名詞である「女性」に「どんな性質を持っているのか」という説明を加えています。
こういう、「何らかの単語(場合によっては文全体)を、直接「説明する」こと」を「修飾する」と言います。
したがって、
「美しい女性」の場合、⇒「美しい(形容詞)」が「女性(名詞)」を修飾している
と表現されます。ここまでよろしいでしょうか?
ではこれを英語にしましょう。
「美しい女性」
↓
beautiful woman
そのままですね^^;
辞書を引けば分かりますが、beautiful は形容詞です。woman は名詞です。
beautiful woman もやっぱり、⇒「beautiful (形容詞)」が「woman(名詞)」を修飾している
と表現されます。
このように「名詞」を修飾する単語の品詞を「形容詞」と呼びます。
ここまでよろしいでしょうか?
ではもう1つの方に行きます。
・「名詞ではない補語」
「補語」という言葉の意味は分かるでしょうか?
ここの下の方でやっています。忘れてしまった人は確認してください。
↑ここでやった例文を持ってきましょう。
・He is a boy. (彼は少年である)
He =a boy だから、a boy は「補語」。
(主語[He]と同じ(=[イコール])だから、この補語は【主格補語】とも呼ばれる)
・He made her a good nurse. (彼は彼女を良い看護婦にした)
her = a good nurse だから、a good nurse は「補語」
(目的語[her]と同じ(=[イコール])だから、この補語は【目的格補語】とも呼ばれる)
こうでした。では今度は↓こういう文を見てみましょう。
・He is beautiful.(彼は美しい)
・He made her beautiful.(彼は彼女を美しくした)
↑この場合の「beautiful」の品詞を考えましょう。
beautiful の意味は辞書引けば分かりますよね。⇒「美しい」と書いてあるはずです。(本当は同時に品詞も分かってしまいますが、今はそれは無視します)
「美しい」という単語の品詞は名詞でしょうか?
ここの最初の方で確認しましたね。「○○の【美しい】」とは言えないので、「名詞」ではありません。
しかし
・He is beautiful.は
(He = beautiful)であるので、この英文の beatiful は He の「補語」(主格補語)。
・He made her beautiful.は
(her = beautiful)であるので、この英文の beatiful は her の「補語」(目的格補語)。
となります。ここまでは大丈夫?
このように、beautiful は名詞ではないですが、補語なわけです。
形容詞のもう1つの定義は「名詞ではない補語」でした。つまり、この2つの英文の beautiful は「形容詞」であるわけです。
お分かりいただけるでしょうか?
なお、
・「名詞を修飾する形容詞」
例 beautiful woman(美しい女性)
このように↑使われる形容詞を
「限定用法」で使っている…と呼ぶことがあります。
・「名詞ではない補語」
例 He is beautiful.(彼は美しい)
He made her beautiful. (彼は彼女を美しくした)
このように↑使われる形容詞を
「叙述用法」で使っている…と呼ぶことがあります。
(形容詞によっては、「限定用法でしか使えない形容詞」や、逆に、「叙述用法でしか使えない形容詞」なんてのがあります。多くは両方の用法で使えますけれども。
以上が「形容詞」の説明でした。いかがでしたでしょうか?
明日はいつもの文法放送。この続きは月曜日です。