社内英語公用化をうたった大手会社の出来事が少し前に話題となった。英語を社内で公用化すると宣言したのはずいぶん前。この会社が英語を公用化するという取り組みは当時ニュースになった。どこかの大学の英語の入試でも「日本の会社が英語を公用化することで得られる利点」などを説明する長文問題が出題された。また2012年度のセンター試験(第2問A)にもわざわざ関連する英文が載った。
先ごろ、その現状を伝えた話がニュースサイトに載っていた。その会社の海外部門は赤字なんだそうだ。現時点では「ざまあ見ろ」と言えなくもない、ただこのグループ全体としては黒字。海外部門だけ考えとお粗末だが、全体としては成功と言えなくもないだろう。なにより、こんな短期間で効能が出るとは限らない。これから海外部門だって黒字に転化する可能性はあるだろう。
それよりも興味深いのは社長さんの意見である。「今後2年以内で英語が話せない役員は辞めてもらう」という趣旨の発言をしているのである。これが興味深い。なぜならニュースによれば「当の社長さんが、この会社で英語をしゃべっていない」そうだから。これじゃあ、社員が英語を使おうとしないのも仕方がなかろう。また社長さんも役員なんだから、社長を辞めるのかどうか注目したい。
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このニュースを聞いて思ったことがある。
自分は英語をしゃべれないのに、自分の子供には「英語が必要だ」と言って英語を勉強させる親が世の中にたくさんいる。これで説得させられる子供に問題があると思う。親が英語を使ってないんだから、英語が必要ないのは明らかだろうに。
でもなぜか「英語が必要」とかぬかす連中は世の中にたくさんいる。私は不思議でたまらない。
英語は「必要」って言われると私は憤慨する。英語ができれば「有利」って言えばいいのに。それなら私は少しも怒らない。
金曜日はいつもの文法放送。来週の月曜日から新しいシリーズを始めます。そして実はこのシリーズがアルクでの「苦手なりの受験英語」の最後のシリーズとなります。