「高校の英語の授業を英語でしたら」の続きです。
今回から「実際に、高校の英語の授業が英語だけで行われた場合」をどうなるかを考えましょう。
喜ぶのはごく一部の先生と生徒だけでしょう。
まず、先生側が大変でしょう。
●現場の先生は実際しゃべれる?
高校の先生の何%の先生が英語を流暢に喋れるでしょうか? これは学校に寄ると思います。私立だったら100%のところもあるかもしれませんが、公立だったら0%だって十分にありえます。
なぜなら、彼らは「喋るための教育を、少なくても大学受験対策でしていないから」です。
生徒側が先生の英会話能力を測るのは簡単です。「喋れない」先生はすぐに「喋れない」と見抜かれてしまうでしょう。
(1)先生が喋れない場合
先生がちゃんと英語が喋れない場合
⇒生徒は確実に
「おまえはちゃんと喋れないのに、俺たちに喋るのを強要するのか?」
と思うでしょう。
英語ができる生徒はあきれ、できない生徒は憤慨すると思います。
英語で英語の授業をすることにならなかったら、こんなことにはならないのに!
(2)先生が適当には喋れる場合
適当とは「ネイティブ並に流暢ではない」という意味です。適当には喋れます。このレベルの人が高等学校の英語の先生の中には最も多いのではないでしょうか?
こういう先生は「文法的に間違っている変な英語を喋る」でしょう。こういう先生は「通じりゃいいでしょ!」と思っているかもしれません。確かにそのとおりですよ。英会話ならねw でも高等学校の授業です。意志の疎通だけが目的ではなく、大学受験も視野に入れなければなりません。
下手をすると生徒は「文法的に変な英語」を覚えかねません。間違った英語を覚える可能性すらあります。それでいいのでしょうか?
また、生徒側には先生より英語ができる人もいるでしょう(帰国子女など)。彼、彼女らには馬鹿にされるでしょうね。
これも「生徒側は先生を完全になめる」でしょう。
英語で英語の授業をすることにならなかったら、こんなことにはならないのに!
(3)先生がネイティブ並に流暢に喋れる場合
こういう先生は、英語好きな生徒には大変好かれるでしょう。発音もきれいだったりだとしたら、英語好きな生徒には最高でしょうね。
こういう先生方や英語が大好きな生徒は、今回の報(英語で高校の英語の授業をすることになる)を受けて大喜びしていると思います。
ここで考えて欲しいことがあります。
・生徒側は何%の人がその英語の意味をきちんと理解するのか?
・生徒側は何%の人がその英語の意味を理解したつもりで実際は間違って理解してしまうか?
・生徒側は何%の人が、その英語を全く耳に入れないか?
文部科学省の偉い人は↓このくらいと思っているのではないかと思います。
・授業で使われる英語の意味を全部ちゃんと理解する生徒…70%
・授業で使われる英語の意味を8割ぐらい理解する生徒…10%
・授業で使われる英語の意味を6割ぐらい意味を勘違いする生徒…10%
・授業で使われる英語がほとんど耳に入らない生徒…10%
どうでしょう? 文部科学省の偉い人のみならず、英語が得意な方ならこれと同様な感想ではないかと思います。
「英語が苦手で苦手で苦しんだ私」の見方はこれとは違います。
せいぜいたぶん↓このくらいですよ。
・授業で使われる英語の意味を全部ちゃんと理解する生徒…10%
・授業で使われる英語の意味を8割ぐらい理解する生徒…10%
・授業で使われる英語の意味を6割ぐらい意味を勘違いする生徒…40%
・授業で使われる英語がほとんど耳に入らない生徒…40%
こんなものでしょう。
なぜなら、
高等学校の生徒は、英語学びたくて高校に通うわけではないからです。
英語を学びたい人だけが通う「英会話スクール」にしたって、生存率はせいぜい50%。
「英語を学びたくなくても英語を学ぶ生徒がいる高等学校」ではついていける人数が50%を下回るのは明らかではないか!
なおここで、肝心なのは
・授業で使われる英語の意味を6割ぐらい意味を勘違いする生徒…40%
の存在だと思います。
彼らの多くは【全部正しくわかったつもり】になっているのです。
これだと、テストで、特に「模試」などの実力テストで明らかに間違うわけです。
でも、本人は「正しいつもり」なわけです。なんで違うんだろう? と疑問に感じて苦しむでしょうね。その上テストで反映しない…となると、「英語嫌いが増える」でしょうなあ。
英語は「分からなくなった」とき、嫌いになるのです!
つまり、
(1)先生が適当には喋れる場合⇒英語ができる生徒はあきれ、できない生徒は憤慨する。
(2)先生が適当には喋れる場合⇒生徒になめられて授業にならない。
(3)先生がネイティブ並に流暢に喋れる場合⇒80%が授業を有効的に使えない⇒英語が分からなくなる⇒英語嫌いが増える
となると思います。
皆様、どうお感じになったでしょうか?
明日はいつもの文法放送です。この続きは月曜日です。