前回も問題を出して終えました。以下のような問題でした。
> 問題:
> 2・A dog has Ken.
> の意味を【常識】で考えてしまった人は、各単語を次のように考えた。
> A dog 「(一匹の)犬」
> has 「(この場合は)飼う・飼っている」
> Ken 「ケン」
> 実は↑この部分には、1つ大いなる「認識間違い」が入っている。その所為で文全体の意味を間違えたと言って良い。
> ではどこがどのように間違いか? 正しくはどう理解すれば良かったのか? それを説明せよ。
という質問を出して終わりました。
正解を発表しましょう。
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A dog 「(一匹の)犬」
has 「(この場合は)飼う・飼っている」←ここがおかしい
Ken 「ケン」
正しくは
has 「(この場合は)〜を飼う・飼っている」
である。
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さて皆様。これに対してどういうご感想をお持ちになったでしょうか?
・「はあ〜〜? そんな目くじら立てるほどの違いなの?」
・「同じやんけ」
とでも思う方が大勢いらっしゃると私は思います。そう思う方が「英語が得意」であるなら別に問題はないと思います。
ですが、そう思う方が「英語が不得意」であれば、大問題だと思います。「〜を」がなかったら大間違い。致命的で重大な間違いです。
英語が苦手な人向けに返事をしますね。
・「はあ〜〜? そんな目くじら立てるほどの違いなの?」←はい!
・「同じやんけ」←いいえ! 全く違います
という返事になります。(ここを認識できないから、あなたは英語が苦手なのだ、と言えるくらいものすごく大事だ、と私は思います)
試しに、高校生以上向けの辞書で、have を調べて下さい。
そこには
「持っている」や「飼っている」という訳語は書いていないはずです。
必ず
「〜を持っている」や「〜を飼っている」という訳語が書いてあるはずです。
「〜を」がものすごく大事なのです。
辞書にある have をよく見て欲しいです。まず[他]というマークがついていると思います。
もしお持ちの辞書がジーニアスなら
○で囲まれた 他 というマークが見つかるはずです。
そして①には
[SVO]a)(物理的に)<人が>(手元に・身近に)<物>を持っている
と書いてあるはずです。
を ←これが大事。「を」があるかないかが、ものすごく大事です。
ジーニアスにはこの意味だと
[SVO]
↑こんな記述がありますね。5文型を少しでも学んだことがある人なら、「これは5文型のある形を表している」と分かるはずです。SVO は「第3文型」を表します。
ここで大事のは
「V(動詞)の右(直後)は O である」
ということです。
↓これを考えましょう
A dog has Ken.
V(動詞)はすぐに分かるはずです。has です。
では has の右(直後)は? ⇒ Ken ですね。Ken は has のO(目的語)なわけです。目的語とは「〜を」の「〜に当たる部分の【名詞】のことです。
has の意味は「(この場合は)〜を飼う・飼っている」
でした。つまり
has Ken ←ここだけ見たら
×ケンは飼っている
○ケンを飼っている
という意味になるのです。
これは「have が第3文型(SVO)の構造を取るから」という理由によって導かれるのです。
だから
A dog has Ken. ←この意味は
× ケンは犬を飼っている
○ 犬はケンを飼っている
となります。
ここまでいいでしょうか?
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英語は「語順が大事」なのです。
Ken has a dog. が「ケンは犬を飼っている」となるのは
has a dog ←で「犬を飼っている」になるからです。
A dog has Ken.が「犬はケンを飼っている」となるのは
has Ken ←で「ケンを飼っている」になるからです。
このように「語順」で意味が決まるのが英語なのです。
一方日本語は、助詞さえくっついていれば、語順はあまり関係ない。
・ケンは犬を飼っている
[ケンは] と [犬を] の位置を逆にしてみましょう。
⇒犬をケンは飼っている
どうでしょうか? 意味は変わらないですよね。
ここまでどうでしょう? 英語で5文型をなぜ学ぶか分かったでしょうか? たぶんまだ「いまいちピンと来ない」と思います。はい、それでまだ正常だと思います。では次の例を出してみましょう。
問題:次の4つの英文の和訳例を書きなさい。(ただし1つは普通は文法的に正しくない英文である。したがってその英文は和訳例ができないはずである。無理に作ることは可能)
1 He gave the book.
2 He had the book.
3 He gave me the book.
4 He had me the book.
さあ、やってみて下さい。続きは来週の月曜日。金曜はいつもの無料文法放送です。