苦手なりの受験英語(アルク版)

反応の差と納得の差と説明の差(1)

今日より、新シリーズ「反応の差と納得の差と説明の差」を始めます。
今回は、かなりアカデミックな話になるかもしれません。また長いシリーズになる予定です。
お覚悟を〜。

では話の枕。
まずは↓次の英文をご覧ください

 (A)This is the place where she likes.
 (B)This is the place which she likes.
 (C)This is the place she likes.

さて、いかがでしょうか? 
上をご覧になった場合、「人によって、概ね、以下の5つ反応に分かれる」はずです。

1、そもそも上の3つの英文をどれも全く見なかった。読まなかった。
2、頑張って(A)、(B)、(C)の英文を見たが、「だから何?」と思った
3、(A)の英文を「これが自然な英語かなあ〜」と思った。(B)を「変な英語だなあ」と思った。(C)を一番気持ち悪く感じた。
4、(A)を「なんか変だなあ」と思った。(B)を「(A)よりはマシだなあ」と思った。(C)を「おおコレが自然だなあ〜」と思った。
5、(A)を「なんだ? この大間違いの英文は?」と思った。(B)を「間違いじゃないと思うけど、which より that がいいなあ」と思った。(C)を「おお〜バッチリ! バッチリ! う〜ん自然で美しい英語。気持ち良い〜♪」と思った。

さて、あなたはどれになりましたか? どれに近かったですか?

実は上(1)であればあるほど英語が嫌いで、下(5)であればあるほど英語が好きなはずなのです。

実のところ、5の人の意見が正しいです。<(A)は大間違い。(B)は間違いではないがこれなら that のほうが良い。(C)が最も良い>
参考リンクはこちら >>です。(あ、後で見たほうがいいです)

1、が「最も英語が嫌いな人」の特徴的な反応です
参考リンクはこちら >>です。(あ、後で見たほうがいいです)

2、は頑張って英文を見てくれた英語嫌いの人の反応です。「(A)(B)(C)のどれかが間違った英文である、などとは夢にも思わない」のです。全部正しい英文に見えてしまいます

、は「どれかが間違いである。どれか?」と尋ねた場合の、英語嫌いの人の反応です。もしくは英語が好きでも嫌いでもない人の一部の反応です。

4、は結構英語好きな人、もしくは英語は好きでも嫌いでもないが、得意な人の反応。

、は英語が好きで得意な人の反応です。

どうでしょうか? 当たってますか?

まずだった人へ。1、や、2の人の反応を理解できますか? それよりもですね。3の反応をする人がいることが想像できますか? <の人は(C)が1番気持ちが悪い>んですよ。3の人は(A)(B)を見ずに(C)だけ見せられて「意味を言え!」と問われたら、意味を言えない確率が高いんです。

4だった人は、1、2、の反応の理解を示すのが難しいかもしれません。でも3や5も両方、少なくともどちらか片方は理解できるのではないでしょうか。

1、2、3、だった人へ。の人の反応を理解できますか? 「どうしたらこんな反応ができるんだ?」と思いませんか? <5の人は(C)を一番違和感なく感じて、気持ち良いんですよ。信じられますか?>

さて、ここで考えて欲しいことが3つあります。

1、2,3の人にとって<ここ>が大きな「つまずきポイント」になると思いませんか?】
頑張って英文を読んだとしても、間違って反応するし、正しい英文の(C)だけを見ても意味を正しく言えないのです。

普通、英語の先生になる人はどの反応をする人でしょうか?】
大抵「の人」のはずです。この手の部分をすら〜っと簡単に意味が取れます。
1、2、3、の反応を示す人が学校の英語の先生になる可能性はほとんどないと思います。
1、2、3の反応を示す人は毎回この手の「つまづきポイント」で間違います。だから英語がどんどん苦手になり、嫌いになるので、こういう人が英語の先生になる確率は恐ろしく低いはずです。

では【普通の英語の先生は、苦手な人のこの手の「つまずきポイント」を、授業などで指摘できるでしょうか?】
私はまずできないと思っているのです。なぜなら普通にしていたら、英語の先生は5の反応をするはずだからです。3の人の反応が理解できない、「そんな人がいるわけがない」とさえ思うかもしれません。自分は常に5の反応なのですから。

以上が今回の話の枕です。
長いシリーズになりますが、どうぞヨロシクお願いいたします。
明日はいつもの文法放送。このシリーズの続きは来週の月曜日です。

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