苦手なりの受験英語(アルク版)

模試の活用法(7)

今回の模試については、気をつけたいことのあれこれです。
というか「偏差値」のことについてなのですが。

大きく3つのことを確認もしくは知っておいていただきたいのです。

<1つめ>
高2から高3に上がるときの偏差値は下がる
例えば、高2の終わりの模試で偏差値が60だったとしましょう。同じ実力を保ったまま、高3の1回目の模試を受けたとします。同じ偏差値が出るのでしょうか?
違います。
もし実力が変わらなければ、理論上、偏差値は下がります。
大体55ぐらいになると思ったほうがいいです。

何故だかわかりますか?

高3の模試には「浪人生」が加わるからです。
彼らは高3の間の1年間、受験勉強をこなしているのですよ。彼らのほうが1年分余計に勉強しているのです。押しなべて現役生よりは実力が身についているのです。その彼、彼女らと同じ土俵で戦う模試なので、偏差値は下がってしまうのです。偏差値は相対評価だから。

<2つめ>
高3から浪人したときの偏差値は上がる。(もしくは1浪から2浪のときなど)
例えば、高3の終わりの模試で偏差値が55だったとしましょう。残念ながら志望校に受からず、やむ終えず浪人したとします。同じ実力を保ったまま、浪人の1回目の模試を受けたとします。同じ偏差値が出るのでしょうか?
もし実力が変わらなければ、理論上、偏差値は上がります。
大体60ぐらいになると思います。

何故だかわかりますか?

偏差値の高い方々が大学に合格し、そっくりいなくなり、代わりに(総じて)実力不足の現役生が加わるからです。偏差値は相対評価ですから何にもしなくても偏差値は上がります。ちなみに昔、某掲示板で「浪人したら偏差値が急に60になった。いつのまにか実力が付いていたんだな〜今なら志望校に受かるんだ。現状維持を決めこもう」という書き込みを見たことがありました。実際は付いていないのに

<3つめ>

4月の模試の偏差値60の実力は、12月の52,53ぐらいに相当する。
1年間で実力を上げるわけですから。同じ実力ならば、4月のほうが、偏差値はよく出て、12月のほうが悪く出ます。偏差値というのは相対評価です。みんなの平均量くらいずつ実力を伸ばしたとしたら、実力は伸びていても偏差値は変わらないのです。偏差値を上げるには、人並み以上の勉強をしないと、理論上は上がらないのです。

いかがでしたでしょうか? さてこのような偏差値の「妙」については、実は【一番大事なこと】をまだ語っていません。それを次回に語って、このテーマの最終回とします。
次回は水曜日の予定です。お楽しみに。

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