苦手なりの受験英語(アルク版)

英語が苦手な高3の学習の難しさ(2)

英語が苦手な高3の学習は難しい、というシリーズである。

1・英語の成績が悪い学生は他の科目でも成績が悪い。

典型的な落ちこぼれであった私(マウスバード)の当時の偏差値は
・英語:30
・国語:35
・日本史:35
このくらいだった。

 英語ができないと、それだけで他の科目に影響しやすい。英語に引きづられて他の科目まで悪いままになる確率が高いと思う。(ただしこれは未確認である。誰かぜひ調査して欲しい) ただ少なくとも私には見事に当てはまった。

 合格するには、他の科目でも良い点を取らなければならない。英語がどうしょうもないのはわかっているから、英語に力を入れようとはする。仮に英語にものすごく力を入れられたとしよう。しかしその分、他の科目は力を入れられないことになる。合格しなければいけないわけだから、3教科(以上)の総合点では合格点が取れないのである。合格点に必要な学習量に達するのが困難なのである。

2・英語が苦手な高3は中学レベルの基礎ができていない(その1)

 私が高3を教えるようになって一番驚いたのは「三単現のS」を知らない高3(中3ではない)があまりに多い、という現実であった。偏差値が30しかなかった私でも、中1で「三単現のS」を習い、それは覚えていた。しかし、今、高3でもそれを知らない人を山ほど発見した。
 「三単現のS」すら知らないのだ。他の中学レベルの基本ルールの多くがまるで頭に入っていない。例えば、不規則変化の動詞をまるで覚えていない場合もある。これは中1から中2にかけて習う。高校入試前でやらされるはずだが、この時点で忘れてしまっている高3も多い。実を言えば……「私自身が、不規則変化表をちゃんと覚え直したのは高3の時」なのである。そりゃ私の偏差値は30台のわけである。要するに、中学卒業レベルですら怪しい英語力のまま高3になっているわけである。

 それでも「大学受験レベルのハイレベルの難しい英語学習」をしなければならないわけだ。まるで「ひらがなが読めない幼児に、新聞を読ませているようなもの」だと思う。読めるわけがない。ようするに「英語が苦手な高3の場合、実力と学校教材のレベルが極端にあっていない」のである。しかし高校では大学受験レベルの難しい英文をたくさん読まされるのである。教科書などで。

-----

 これらだけでも英語が苦手な高3がいかに大変か……分かってもらえれば大変ありがたいです。
 最初はこのくらいにしましょう。

 金曜日は文法放送。この続きは来週の月曜日です。

(↓目次はこちら)
目次ページへ

-苦手なりの受験英語(アルク版)
-