苦手なりの受験英語(アルク版)

英語ダメ人間のなり方(13)

LLの授業の特殊性の説明をします。何とかこの回で終わらせたいですね。

普段の授業では、まあ、例の変な訳例を強制されるわけですが、我々英語苦手人間にとっては、全く取るに足らない問題でした。怒られない、怒鳴られない、殴られないからです。訳例を聞いて書き写せばいいのですから。(いい訳例だって、悪い訳例だって、英語苦手人間にとっては、どっちにしろ作れない。だったら、訳例を書き写すぐらいはわけはない。たとえ変な訳例だと思ってもテストに直結するのだからむしろ好ましい)。LLの授業の中では比較的楽でありがたかった部分です。

そんなことより大変だったのは「口頭テスト」の方です。先生オリジナルのテキストの暗誦テストです。テストのときのみならず授業でも暗誦はチェックさせられるのです。こちらはできないと怒鳴られる、殴られるので恐怖でした。今もトラウマです

授業中悪魔は「ではノートを伏せなさい」と言い、生徒全員に暗誦を強制させます。生徒の多くは英語ができて、スラスラ暗誦していました。「唱和」というような感じでしたね。<全員で言うのだから、(私を含む)言えない人は「口パクで言っている振りをすればいい>と思いませんか? 実はそれができないシステムがこの授業にはあったのです。

ここは特別な「LL教室」だったのですよ。「ヘッドセット」があったのですよ。マイクに向かってしゃべるのですよ。
悪魔は、生徒の「唱和」中、「きちんと暗誦しているかどうか」をチェックしていたんです。教壇に設置されている機械を使って! 生徒1人1人の生声をマイクを通して聞いていたのです。

「27番! 声が小さい! もっとはっきりしゃべりなさい!」

「50番! 声が聞こえない! 覚えてないのか! 勉強しなさい!」

こうした「怒号」が授業時間中響きました。もちろん悪魔は生徒を「26番!」などの番号でしか呼びません。まるで、どこか未来の統制国家のようでした。

で、私のような毎回しゃべれない生徒は毎回怒鳴られたり、後で呼び出されたり、殴られたりしたわけです。「授業の変な訳例」など、はっきり言ってどうでもよく、それよりこの口頭テストで悪魔に怒鳴られない、殴られないためにする勉強のほうがきつかったのです。

そのため私は当時、通学中奇異な行動を当時とっていました。口頭のテストのために電車の中などで練習をしていたのです。さすがに「小声」なんですがw。ノートとにらめっこしながら暗誦の練習をしていました。行きも帰りも、「キ○ガイ」のように何度も何度もしゃべって、のどがおかしくなるくらいしゃべって。。。。

でも、授業中も、本番の「口頭テスト」でも、1度として満足に言えたことはなかったです。「勉強していない! なんで勉強しないんだ!」と毎回怒鳴られ、殴られました。

「口頭テスト」は合格基準に達しないと日を改めて「追試」を受けさせられました。「追試」でもできないと「再追試」が行われました。私は「追試の追試の追試の追試の追試」ぐらい受けさせられました。毎日LLのこと、口頭テストのことで頭がいっぱいでした。もちろん最後の追試でもできませんでした。言えませんでした。評価はもちろん赤点でした。

ちなみにこのくらいできないと、この悪魔にある変化が訪れます。悪魔は私のような英語バカの名前を覚えてくれるのです。番号を言った後、名前でも呼んでくれるのです。「50番! ○○! またお前か!」という具合です。悪魔に名前を覚えてもらえたら「1人前(なんの?)」と呼ばれました。当時、私はこの学年で最も早く悪魔に名前を覚えていただいたと思います。

この「口頭テスト」のお陰で、私は筋金入りの「英語嫌い」、とくに「例文暗記嫌い」になりました。

以下、蛇足集です。
・この先生オリジナルのテキストはこの悪魔が作った英文です。私が得意になった後で、改めて読んだことがあるのですが、「文法的な間違い」が山ほどありましたw。
・得意な人がこの英文をネイティブの前で披露したのですが「一部通じなかった」そうです。(ようするに間違った英文を暗誦させられていたということ)
・うちの学校のアメリカ人の英語の先生に「自分の作った英文」を読ませて、それを録音し教材としていました。そのネイティブの先生に悪魔は「お前は発音が悪い」と言ったらしいです。
・悪魔が作ったオリジナルの英文ですが、悪魔自身がそれをまとめたノートを所持していました。(それを基にして授業をしていた)。あるとき、別の英語科の先生が「そのノートを見せてください」と悪魔に頼みました。悪魔は喜んで貸しました。そのノートの裏表紙の下部には手書きでこう書かれていたそうです。→ 定価 100万円

明日はいつもの英文法授業です。
この続きは土曜日に更新します。

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