関係代名詞の what を理解するお話の第3回目です。
とはいえ、そうは簡単に理解できません。
(1)・自動詞・他動詞の理解
(2)・目的語の理解
(3)・関係代名詞の主格と目的格の理解
この3つが分かっていないと、関係代名詞の what は理解できません。
今日は「目的語の理解」に行きます。
以下は概ね2009/3/30のログの再放送です。
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今回は「目的語」という言葉を説明します。目的語って既に何回か単語として出てきていますが、この定義って実は難しいのです。
ここでは、普通あまり用いられない、定義を提示してみます。
「目的語」とは…
直訳例を作ったとき、「〜を」や「〜に」や「〜へ」などという訳になる場合の「〜」にあたる「名詞(相当語句)」
ただし、「5文型の学習時」は別の定義。⇒「他動詞の後で、「〜を」や「〜に」や「〜へ」などという訳になる場合の「〜」にあたる「名詞(相当語句)」
(4)でやった時の ○の例文を2つ使って説明しましょう。
○(1)I reached the station.
○(3)I arrived at the station.
(1)も(3)も、意味は「私はその駅に着いた」という意味です。
「私はその駅に着いた」←これには『その駅に』という部分がありますね。
「目的語」とは…
直訳例を作ったとき、「〜を」や「〜に」や「〜へ」などという訳になる場合の「〜」にあたる「名詞(相当語句)」
でした。
「その駅に」…「〜に」がありますね!
○(1)I reached the station.
○(3)I arrived at the station.
『その駅』という部分の、英語に当たる部分は、(1)も(3)も「the station」です。つまり(1)も(3)も the station が両方ともに、この英文中で「目的語」にあたります。
ただどちらにも正確な呼び方があります。
(1)の場合…「the station は reached の目的語」と呼びます。
(3)の場合…「the station は at の目的語」と呼びます。
ここまで、よろしいでしょうか?
ところで、(1)や(3)の英文が、もし「5文型」の学習時に出てきた場合を考えましょう。
目的語の定義は
直訳例を作ったとき、「〜を」や「〜に」や「〜へ」などという訳になる場合の「〜」にあたる「名詞(相当語句)」
ただし、「5文型の学習時」は別の定義。⇒「他動詞の後で、「〜を」や「〜に」や「〜へ」などという訳になる場合の「〜」にあたる「名詞(相当語句)」
でした。
(1)I reached the station.
↑これは reached が使われています。reached は他動詞です。
したがって、5文型の学習時でも
(1)I reached the station.
↑この場合…「the station は 目的語」と呼びます(呼べます)。
では(3)I arrived at the station.の場合はどうでしょうか?
↑これは arrived が使われています。arrived は自動詞です。
したがって、5文型の学習時では
(3)I arrived at the station.
↑この場合…「the station は 目的語」と呼ばない(呼べない)のです。
しかし、逆に、5文型の学習時以外、特に「関係詞」の学習時には、
○(1)I reached the station.
○(3)I arrived at the station.
(1)の場合…「the station は reached の目的語」と呼びます。
(3)の場合…「the station は at の目的語」と呼びます。
よろしいでしょうか?
ここで、ちょっと考えて欲しいことがあります。
He is a boy.
↑この英文の中の「a boy」は目的語でしょうか?
どうでしょう? 分かりますか?
正解は「目的語」ではないです。
boy は確かに(少年)という意味の「名詞」だから、目的語になれる権利は持っています。
しかし、違います。なぜ違うか考えましょう。
He is a boy. ←この意味を考えましょう。
「彼は少年だ」ですね。
目的語の定義は
直訳例を作ったとき、「〜を」や「〜に」や「〜へ」などという訳になる場合の「〜」にあたる「名詞(相当語句)」
ただし、「5文型の学習時」は別の定義。⇒「他動詞の後で、「〜を」や「〜に」や「〜へ」などという訳になる場合の「〜」にあたる「名詞(相当語句)」
でした。
「彼は少年だ」←このどこかに【「〜を」や「〜に」や「〜へ」などという訳】がありますか? ないですよね。したがって、この英文の中での boy は名詞であっても「目的語」ではないのです。
この英文の中の a boy は実は「目的語」ではなく「補語」と呼ばれます。
「補語」とは、「主語」または「目的語」と同じものになるものです。
例
He is a boy. ←これで言えば、boy は「主語」の He と同じですよね。
He=a boy ←こうなりますよね。
こういう関係になる場合、
He is a boy.←この文中でa boy は、「(主語の)補語」に当たる
という呼び方をします。(「このa boy 目的語だ」とは絶対に呼ばれません)
(難しい言い方だと、こうした a boy を「主格補語」と呼びます)
別の例
He made her a good nurse.
この英文は、初学者には難しいかもしれません。意味は実は「彼は彼女を良い看護婦にした」となります。
↑
この英文には「目的語」があります
訳例を見てみると→「彼は彼女を良い看護婦にした」←「彼女を」という部分があります。
her は「(代)名詞」だから、この英文では
「her は made の目的語」…と呼ぶことができます。
では、「He made her a good nurse.」←これの a good nurse はなんと呼ぶ?
よく見ると「彼は彼女を良い看護婦にした」だから
her = a good nurse ←こうなりますよね?「彼女=良い看護婦」なわけです。
her は目的語でした。こういう関係になる場合
He made her a good nurse.←この文中で a good nurse は、「(目的語の)補語」に当たる
という呼び方をします。(「この a good nurse は目的語だ」とは絶対に呼ばれません)
(難しい言い方だと、こうした a good nurse を「目的格補語」と呼びます)
このように、
名詞であれば、何でも「目的語」になるわけではない
のです。よろしいでしょうか?
明日はいつもの文法放送。この続きは月曜日です。