苦手なりの受験英語(アルク版)

なぜ英会話能力が身につかないのか?(4)

原因3・単語さえ並べれば通じると信じている

前回でてきたG!さんにもう1度ご出演いただく。(G!さんは、たいして英語ができないまま渡英した人。行けばなんとなるだろう、と思って渡英したが、どうにもならず現地(イギリス)から私の門を叩いてくださった人)

 話題としてはまずは「英作文(ライティング)」の話をする。G!さんはこんなふうに当時の自分のひどさを語っている。

>どれくらいひどかったというと、一つの文章に動詞が2つくらい入っているのは当たり前で、ひどい時には3つ以上入っていることがありました(@_@。
>あとは未だに苦手なのは前置詞ですね。単語と前置詞の組み合わせはいまでもとても苦手です。
そりゃー向こうの先生も「あんたの文法はむちゃくちゃや」と言われても仕方ないですね。

「向こうの先生」とはイギリスの先生のこと(私のことではない)。G!さんはイギリス人の先生から「むちゃくちゃや」と言われたようだ。ライティングだから、じっくり前もって調べて英文を書いたはずである。その上でこのように言われたわけである。だから私の授業を受け始めたわけだが。

 G!さんはイギリスにいるうちに私との授業を始めた。最初は文法しかやらなかった。私はG!さんとの授業を始めるときに「文法はそんな簡単には身に付きません。時間がかかります。」と言っておいた。しかし、どうも少しは役に立ったようだ。

ここで↓このように書いてくださっている。

>------
わたしの場合インターネット授業の効果は意外と早く現れました。それはまたさらに意外にも苦手なライティング」でした。
数か月後には、前回にお話した「文法がむちゃくちゃやからもう一回勉強しなおし」と言われた現地の先生から、「どないしたんやG!!今までこんなにライティングが伸びた生徒はいない!」とまで言われてかなり嬉しかったのを覚えています。
当時、先生やクラスメートからのことばに傷ついていたわたしは、毎朝8時には学校に行ってIELTSのライティングの模範解答をとにかく覚えるほど書きまくっていました。それでもなかなか頭に入っていかなかったのですが、インターネット授業を受けるようになって、少しづついわゆる「文の構造」なるものがわかるようになってきていました。
イギリスで受けたIELTSの試験では、ライティングが6.0を取れるようになっていました。
先ほどの「文法むちゃくちゃやから最初からやり直して」と言われた先生からは、「ここに来た当時はライティングはたったの4.5やったのに!!こんなに伸びた生徒は初めてや!」と驚かれました。
>------

 この話は私もびっくりであった。普通はこんなすぐには文法の学習は成績に反映しない、でもG!さんは反映したようだ。

 さて、今回のシリーズは「ライティングの話」ではない。英会話だった。話を英会話にしよう。
このようにライティングはある程度以上良くなったG!さんだが、英会話はどうか? その話をする。

 Gさんに私は約6ヶ月教えたが、そのうち3ヶ月がイギリスにいらした期間、残りの3ヶ月が日本に帰国された期間だった。
 3ヶ月の間、文法を教え、ライティングもそれなりに良くなったG!さんはの英会話能力はどうだったのか?
 ここで↓このように書いている。

帰国の日になっても、ホストファーザーは、なんとホストマザーの通訳!!がないとわたしの英語を理解してくれない始末でした??

 ↑G!さんはこのような状況だったという。G!さんのホストマザーはなんとかG!さんの喋る英語をある程度以上理解できたが、ホストファーザーはそれができなかったようだ。原因は発音かもしれない。ライティングが現地の先生に褒められる位になったのだから、語順は正しく使っている可能性はある。ただ、発音だけが原因かどうかは分からない。紙の上に正しく英文を書くことはできても、「即応性を求められる英会話」で、正しい語順や〜ing形などに正しく変えることがを「すぐに」できるか? これはかなり難しいと思うからだ。 

 ただ、絶対にあきらかなのは、ライティングがある程度以上できたG!さんでも、G!さんが喋る英語はホストファーザーに通じなかった、ということである。如何に英会話が高い壁であるか

・単語を適当に並べただけではもちろん通じない
・仮に文法どおりに正しく英単語を並べられても、発音が悪ければ通じない

 のである。G!さんは半年イギリスにいて英語を学ぶ生活をしてきた。しかし帰国間際でも通じる英語はまともに話せなかった。英会話は「たとえ日常会話レベルであっても」いかに難しいか?...これを皆様に分かっていただければと思う。

 金曜日はいつもの文法放送はありますが、このブログからの通知はありません。それまでは【こちらの全動画リンクページ】より動画をお楽しみ下さい。
 なおこのレギュラーのの話の続きは【11月中ごろの予定】です。再開後をどうぞお楽しみに。

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