今回から実質のスタートですね。不定詞の謎を解いていきましょう。
不定詞は実は大きく分けて3種類あります。予定では今回と次回でこの3種類の役割をまず説明いたします。
まずは次の英文をご覧ください。
(1)To speak English well is difficult.
(2)He has the ability to speak English well.
(3)To speak English well, I must study English.
この3つには共通して、to speak English well という部分があります。分かりますでしょうか? ではこの3つの「to speak English well」の意味はお分かりになるでしょうか? 3つとも「to speak English well」という形ですから、日本語にしたら、3つとも全く同じになりそうなものです。しかし、実際は違います。下に、それぞれの訳例を書きます。「 」で囲まれた部分が「to speak English well」の意味です。3つとも違うことを確認してください。特に太字に注意してください。
(1)To speak English well is difficult.
(「英語を上手に話すこと」は難しい)
(2)He has the ability to speak English well.
(彼は「英語を上手に話すような」能力を持っている)
(3)To speak English well, I must study English.
(英語を上手く話すために、私は英語を勉強しなければならない)
違う部分を確認できたでしょうか?「to speak English well」という「形」は3つとも同じなのに、3つは語尾? が違います。(1)は「こと」、(2)は「ような」、(3)は「ために」です。これらは相互に入れ替えが不可能です。例えば(1)を(「英語を上手に話すために」は難しい)とするわけにはいかないのです。
ところでこの3つの英文の意味はすらすら分かったでしょうか? 実はここには大きな差があることがわかっています。↓このような差があります。
・英語の能力が平均以上の人は、こうした(簡単な)不定詞の英文の意味は「すらすら意味が分かる」
・私のような英語の能力が0の人間は、ちゃんと勉強しない限り、こうした(簡単な)不定詞の英文の意味を「常に間違って捕らえる」
私が中学や高校時代にこの(1)〜(3)の英文を見せられて「訳せ」と問われたら、3問とも間違う自信があります。←多くの学習者、特に英語の先生はこれを信じてくれない傾向があります。「そんなあほな! すぐできるやないけ〜〜 嘘吐きめ!」と思ってしまうと思います。どうですか?
けして嘘ではありません。私は中学や高校で、不定詞の英文が出てくるたびにパニックを起こしました。英語の授業で不定詞のある文を「訳せ」と指されたときは、もうスーパー大パニック。もちろん誤訳しかしませんでした。友達にも笑われ、バカにされたものです。先生はこのような私の姿を見て「なんて英語の勉強しないやつなんだ」と思ったに相違ありません。
恐ろしいことに、多くの人が「この私の体験談」を信じてくれないことが分かっています。でもこれは事実です。そうでなければこんな内容の記事はブログに書きません。
それはともかく、今回の記事では、
・不定詞は大きく3種類ある(訳も異なる)
・英語が不得意な人はこの区別をするのがとても難しく、いつも悩む
ということを知っていただければと思います。
明日はいつもの文法放送。この続きは来週の月曜日です。