苦手なりの受験英語(アルク版)

不定詞の謎に迫る!(5)

前回の続きから。以下まず確認事項。

「to」には魔力がある。この魔力により 「to+動詞の原形〜」という【塊】を作ることができる。
・前回は「to+動詞の原形〜」という【塊】が『主語』の役割を果たした。

【To speak English well】 is difficult.
        ↓
  【To speak English well】が動詞 is の『主語』。
        ↓
【To speak English well】は難しい
        ↓
【英語を上手に話すこと】は難しい

となっています。ここまでよろしいでしょうか?

今回は、これに近い使い方を「もう一つ」紹介します。
まず、↓これを見てください

 I want the poke-mon. (私はそのポケモンが欲しい)

この英文の中で、ある2箇所に注目し、色々考えて欲しいのです。
その2箇所とは 「want」 と 「the poke-mon」です。

まず「want」。
want は「自動詞でしょうか? 他動詞でしょうか?」
自動詞他動詞が分からない人はこちらからログを2つは読んでください。分からなかったら絶対に読むこと!)
 ↓
want は他動詞です。したがって直後に「目的語になる名詞」が要ります。
(「目的語」がなんだか分からない人はこちらからログを読んでください。分からなかったら絶対に読むこと!)

したがって want の直後にある「the poke-mon」は、今回、want の「目的語」となります。ここまでをしっかり認識してください。でないと話が始まりません。

では
 I want the poke-mon. 
  ↑
このうちの「the poke-mon」の部分を、「to speak English well」の取り替えてみましょう。
すると↓

 I want to speak English well. 

という英文が出来上がります。ここまでよろしいでしょうか? 

「to speak English well」は 『to の魔力』により1つの【塊】になっていましたね。つまり、
 I want 【to speak English well】.
と考えることができます。

さて、ここで今回の英文の【to speak English well】の役割を考えて欲しいのです。

前回は、
【To speak English well】 is difficult.
という英文でした。この文の【to speak English well】の役割は、「is の『主語』」でした。
では、
 I want 【to speak English well】.
での【to speak English well】の役割は? 今度は『主語』ではないですよね。この文の『主語』は I ですから。

正解は、、、、、

I want 【to speak English well】.
での【to speak English well】の役割は、他動詞 want の『目的語』です。

I want 【to speak English well】.
        ↓
  【To speak English well】が他動詞 want の『目的語』。
        ↓
 私は【to speak English well】が欲しい
        ↓
 私は【英語を上手に話すこと】が欲しい
        ↓
   私は英語を上手に話したい

となっているのです。よろしいでしょうか?

前回は to 不定詞の【塊】が『主語』の役割を果たしていました。
今回は to 不定詞の【塊】が『目的語』の役割を果たしていたのです。

ここまでで、「to 不定詞の【塊】は、『主語』や『目的語』の役割を果たすことがある」と抑えてください。

そして、もう1つ!「こと」という訳例にも注目してください!

前回は
【To speak English well】 is difficult.
【英語を上手に話すこと】は難しい

今回は
 I want 【to speak English well】.
 私は【英語を上手に話すこと】が欲しい

どちらも「こと」という訳例が当てはめられています。ここにも注目です。何が言いたいか分かりますか?

実は、その「to 不定詞の【塊】」の役割が『主語』や『目的語』である、と分かった場合、その「to不定詞の【塊】」には、100%「こと」という訳例が割り当てられる(少なくとも直訳は)、、、ということになります。

逆に言えば、
 どんな英語が苦手な人でも、
その「to不定詞の【塊】」が『主語』や『目的語』の役割を果たしている!
 と分かれば、
 →自信を持ってそこに「こと」という訳例を当てはめられるのです!

これが、苦手な人にとってどれほど助かることか…得意な人には分からないのが残念です。彼らはそんなことを知らなくたって、一瞬で「ぱっと」意味が分かってしまうのです。

今回の英文を「一瞬で、絶対に100%「こと」だ! と分からなかった英語の苦手な皆様」には、ぜひ

「to不定詞の【塊】」が『主語』や『目的語』の役割を果たしている!
 と分かれば、
 →そこに「こと」という訳例を当てはめられる。

という「事実」を知って欲しいと思います。よろしいでしょうか?

明日はいつもなら文法放送ですが、今週はお休みです。

なお、8月16日(日)に、コミケの3日目に行く人は、
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この続きは、来週の月曜日です。

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