分詞を最初に習うのはおそらく最初は中2です。このとき「受動態」というものを習います。
ここを説明しましょう。
まず、受動態ではない普通の英文を出します。
She kicked him.
これは受動態ではありません。「主語+動詞〜」で成り立っている基本の形です(これを能動態と言います)。
この英文の意味を考えましょう。
⇒彼女は彼を蹴った
となります。これだと主人公は 彼女(she)になります。
今から!↓
この場合で、主人公を彼に変えたい場合を想定します。日本語で言えば
⇒彼は彼女に(よって)蹴られた
という表現にしたいのです。
当然、主語は she から he に変ります。つまり出だしは
× She
○ He
です。
でも He kicked ... とは書けません。これだと「彼が(何かを)蹴った」ことになります。そうではなく「彼は蹴られた」にしなければなりません。
⇒この時、【受動態】という表現を使います。
受動態は
be動詞+過去分詞
で作られます。
つまり
He + be動詞+過去分詞
にしたいのです。
まず ↑これに則って、be動詞を決めましょう。
Heかあ〜じゃあ is だな......と単純に考える英語が苦手な人が非常に多いです。慌てないでください。is でいいのは現在時制の場合だけです。
元々の英文は She kicked him.でした。これは何時制? 現在時制ではなく過去時制ですね。
したがって be動詞も過去時制にします。だから
× He is +過去分詞
○ He was +過去分詞
です。
ここまでよろしいでしょうか?
つぎは kicked の過去分詞を考えましょう。kick は規則変化です。だから過去分詞も過去形と同じく kicked。
したがって
⇒ He was kicked
と出来上がります。ここまでOKと言えばOK。意味は「彼は蹴られた」です。
でも、今回は「彼は彼女に(よって)蹴られた」という意味を作りたかった。このままだと「彼女によって」が書いてない。
どうやって「彼女によって」と付け加えるか? 受動態の場合、原則として、決まった方法があります。
それは
⇒ 後ろに「 by 〜(今回は「彼女に」)」とつける。
のです。
したがって
⇒ He was kicked by 〜(今回は「彼女に」).
⇒ He was kicked by her.
となります。
He was kicked by her.「彼は彼女に(よって)蹴られた」...これが完成形です。
↑この形が「受動態」の英文です。
was kicked は「be動詞+過去分詞」でしたね。したがってこの kicked は「過去形」ではなく「過去分詞」として使われているわけです。
これが日本の学校教育において最初に習う「過去分詞」の説明でした。
分かりますでしょうか?
今週の金曜日はいつもの文法放送。この続きは月曜日です。