【第16段階】
単語の類推を可能な限りしてみよう
ここまで来ると、かなり得意にはなっているはずです。ただし、この時期は「速く読めない」のと同時に「もう1つの困難」が待ち受けています。それは
知らない単語をどうするか?
という問題です。
模試や本試験を想定してください。易しい問題ならともかく、普通は意味が分からない単語が1つもない、なんて状況にはまずなりません。とすれば、意味が分からない単語に出くわしたとき、困るはずです。
この単語はなんて意味だろう?
という具合に立ち止まります。こうなると同時に「速く読むことも困難」になっています。この対処法を考えなければなりません。
当時、得意な人に聞きましたな〜。返事は↓こうでしたよ?
英語が(最初から)得意な人:「え? そんなん、なんとなくできるでしょ?」
私は「できないから聞いている」のに、返事は「できるでしょ?」でした。なんと頓珍漢な返事でしょうか? 参考にならないことこの上なかったです。でも彼らにしてみるとそれは紛れもない事実です。「英語が最初からできる人」は単語の類推がなんとなくできてしまうのです。これが私はずーっと
謎でした。今でも謎です。しかし私なりに研究した結果、おそらく「こうだから彼らは類推ができるのだろう」という仮説を思いつきました。
仮説
・英語が最初から得意な人たちは、中学の時から(下手をすれば小学生のころから)、英文の類推の訓練を【無意識】にし続けている、その結果、【無意識に類推できるようになってしまった】。
ここら辺に詳しく書いていますが、英語が得意な人は、習慣的に、見かけた英文の「意味を分かろう」と常にしてきているのです。街中やテレビのCMなどで「常に訓練」した長い経験があるのです。だから【無意識で類推ができてしまうのではないか】…と私は思っています。
しかし、残念ながら、英語が苦手な人はそんな習慣がありません。仮に今からその習慣を付けようってたって、もはや手遅れです。既に付けてきた人とは圧倒的な差があります。
じゃあ、英語が苦手だった人はどうするべきか? 私の考えは、決まっています。それは
⇒今から類推の訓練をするしかない!
です。訓練しなきゃできませんから。
2つ注意があります。
(1)今からの「今」とは原則「偏差値が55以上のとき」を指す
(2)コツは「日本語の文章を読むとき、意味が分からない漢字に出くわしたときと同じだ」と考える。
この2つです。
偏差値が55以下でも模試などでは類推しなければなりません。しかし、苦手な人が行う類推は原則「ある程度の単語の量を覚えていなければ」できません。したがって、ある程度以上の単語力が備わったと言える位の時期(偏差値55)を過ぎたら類推の訓練を真剣に考えるように…というのが基本ラインです。
類推についてはこのへんもご参照ください。
来週は、このシリーズの最終回です。総まとめです。
今週の金曜日はいつも文法放送です。
この続きは来週の月曜日です。※実際は火曜日になりました