苦手なりの受験英語(アルク版)

完全な文を見抜け!(5)

前回までのまとめ

英語の動詞には
・意味に、「〜を」のようなものが付いている動詞
・意味に、「〜を」のようなものが付いていない動詞
この2種類がある。

・意味に、「〜を」のようなものが付いている動詞 ...動詞
・意味に、「〜を」のようなものが付いていない動詞...動詞

と呼ぶ。

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love の意味は「〜を愛している」
   意味に「〜を」がある
   したがって love は「動詞」。

walk の意味は「歩く」
   意味に「〜を」が無い
   しやがって walk は「 動詞」。

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・I love.   は「完全な文」。
 (意味を考えると「私は愛している」となるから)

・I love Taro. は「完全な文」。
 (意味を考えると「私は太郎を愛している」となるから)

・I walked.   「完全な文
 (意味を考えると「私は歩いた」となるから)

・I walked on the street.は「完全な文」。
 (意味を考えると「私はその道を歩いた」となるから)

・I walked on.は「完全な文」。
 (意味を考えると「私は歩いた」となるから)

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今回はこの続きです。上のまとめの最後のほうの「完全な文」を改めて持ってきます。

・I love.   (完全な文。「私は愛している」となるから)
・I walked on. (完全な文。「私は歩いた」となるから)

これら2つは「完全な文」です。要するに「何か足りない」...だから「完全」と言われてしまうのです。

では、それぞれ、足りない部分を「●」という記号を使って表現しましょう。私の授業ではよくこの「●」という印を付けます。
付けてみると↓こうなります。

・I love ●.   
・I walked on ●.

もしも ● の場所に何らかの「単語」があれば、完全になりますよね。分かりますか?

今から覚えてもらいたい「用語」があります。それは「目的語」という言葉です。

・I love ●. の場合。
動詞・loveを愛している)」の「」が「●」のわけです。
 動詞の足りない部分、すなわち、「●」の部分を「目的語」と呼びます。

・I walked on ●.
前置詞onを)」の「」が「●」のわけです。
 前置詞足りない部分、すなわち、「●」の部分を「(前置詞の目的語」と呼びます。

つまり
 ・I love ●.   
 ・I walked on ●.
これら2つの英文は⇒「(必要な)目的語欠けている⇒だから「完全な文」と呼ばれる」のです。ここがスーパー大事です。

ここまでよろしいでしょうか?

今日はもう1つ覚えてもらいたいことがあります。
今、覚えていただいた「目的語」についてですが、

目的語は「"名詞"もしくは"名詞相当語句"しかなれない」

という知識を覚えてください。

単純に考えましょう。

I love money. (私はお金を愛している

moneylove目的語になっています。それはよろしいでしょうか?

money は「お金」という意味ですね。品詞は分かりますか? 辞書で money を調べてください。そこには「名詞」と書かれているはずです。

では
I love beautiful. ←こんな英文がありえるでしょうか?
beautiful の意味は「美しい」です。辞書で beautiful品詞を調べてください。そこには「形容詞」と書かれているはずです。

beautiful形容詞ですが、無理やり「I love beautiful.」の意味を作ると、
⇒(私は美しいを愛している)...となってしまいます。変な日本語ですよね。だから"I love beautiful."は誤文なのです。

つまり「目的語」には「名詞」しかなれない、というわけです。

(なお、先程も書きましたが「名詞相当語句」というものも目的語になれます。もしも「名詞相当語句」とは何か知りたい場合は、ここから順番にご覧になってください。ですが、初学者は、まずは"名詞相当語句"は無視したほうが良いかもしれません。今は「名詞相当語句」というものを知らなくても大丈夫です。ず〜っと後で確認してください。)

今回は↓
==========
 ・I love ●.   
 ・I walked on ●.
これら2つの英文は⇒「(必要な)目的語が欠けている⇒だから「完全な文」と呼ばれる」
==========
 ↑ここをしっかり抑えてください。よろしいですね?

今回は以上です。金曜日はいつもの文法放送。この続きは来週の月曜日です。

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