今日は私が英語が喋れるようになったときの話をしましょう。
大前提(3つ)
1・私は英語の才能がない。特に例文を覚える能力がからっきし存在しない。たった3語の英文ですら覚えるのが困難であった。覚えた例文などほぼ0である。
2・中学・高校の6年間は「英会話に特化した英語の授業(テキストがNHK英会話講座のものもあった)が週6コマ」あった。「文法が重要であると言われ、文法に力を入れていたような授業ではなかった」
結果→私は見事に落ちおぼれた。学年最低点など取るほど致命的であった。
3・浪人時代は「英会話に全く特化していない英語の授業が週6コマ」あった。「文法が重要であると言われ、文法に力を入れていたような授業ばかりであった」→そして「文法を極めた」→文法を踏まえた精読方法をマスター。さらにそれを踏まえた多読を行った。
結果→私は見事に偏差値を上げ(スタート時30.5)、早稲田に合格した。
一言で言えば、「アンポンタンな私は、例文が全く覚えられなくて落ちこぼれたので、文法を極めたら成績が上がり、文法力を武器に英文を正しく読めるように訓練し、成績を上げ、合格した」
ということです。以上が前提!!
===============
以上の前提を踏まえて、大学1年時に早稲田大学英語部「Waseda English Speaking of Association(WESA)」というサークルに1年ほど在籍していました。本当は全く入る気がなかった(英語嫌い)のですが、友人のために入ったのです。(参照:インタビュー(1))
インタービュー(2) の記事でも書いてありますが、そこで私は英語がぺらっぺらになりました(ただし1週間だけ)。もしそれを維持したいと思っていたら、私は維持していたでしょう。しかし私はその維持に努めなかったのです。だって、私は英語が大嫌いですから。嫌いなものは捨て去りたいではありませんか。私は「英語なんか少しも喋りたくない」のです。
でも「WESA」での夏のたった1週間の英語合宿で、当時の私は英語がぺらっぺらになったのです。
英語合宿とは...
24時間、英語しか使用が許されない環境での1週間でした。
・信州のホテルに缶詰。
(もっともその前に、10日間ぐらい下準備のレッスンはあった)
・食事中だろうが、風呂場だろうが、リビングだろうが、日本語を喋ると罰金(病気や災害などの緊急時を除く)
・スピーキング、ディスカッション、ディベートなどの訓練を行う。中でコンテストが行われる。
・そのためのレッスンを行う。
先輩方はみんな英語がぺらっぺらでした。自分は必死に聞き取り、そしてなんとか英語を喋りました。
合宿が終わった1週間後...私は英語がペラペラになっていました。
・考える作業を全て英語で行うようになっていた。
・家族や友人と話す際、まず「英語が思い浮かび」、それを「日本語に翻訳して」喋っていた。
終わった直後は「日本語で喋るのは億劫だ」とさえ思うようになりました。
これが、WESAでの英語合宿の成果でした。
さて、こう私が書くと、「とんでもないことを言い出す人たち」が続出します。
●最初から(中学や高校時代に)、1週間「英語合宿をすれば良かったんじゃないの?」
と言い出す方がいらっしゃいます。これを「英語ができる方が言う」ならばまだわかります。しかし、「英語ができない方」も同じようにおっしゃる方が大勢います。そう言う方にはぜひ私と同じ体験を今すぐ1週間やって欲しいです。そういう方はまず1週間「無言で生活するだけ」になるはずです。
英語が苦手な人は
・単語を知らないから、英語が口から出ない。
・なんとか言う場合でも、文法を知らないから知っているわずかな単語を並べるだけになる。それも間違った単語を使う。
・相手の言っている単語も聞き取れない。だから相手の言っている意味が分からない。これでは「意志の疎通」ができない。
・周りは英語をペラペラ喋って笑っています。
しかしあなたは
●「1週間黙りこくるだけ」
になるはずです。
ちょっと前に、いつもコメントをくださる清水さん(金沢の英会話教室の先生)から、次のようなご意見をいただきました。
「留学するなら、英検2級レベルの英語力が必要だ。それもないのに留学するのは、効果がほとんどない。時間とお金の無駄」
私も同意見です。
同じようなことがこの合宿にも言えます。私がその1週間の英語合宿で英語が喋れるようになったのは、英検2級レベルの実力(単語力、読解力)があったからです。それもないのにしても意味がありません。「ひらがなが読めるようになった幼稚園生」に「"ひらがな"が読めるなら読めるはず」という理由で、「(ひらがなで書かれた)源氏物語を読ませるようなもの」だと思います。
英検2級レベルの実力を身に付けるのに、「英語がスーパーアンポンタンの私」にとって最も役に立ったものは
【文法力】
でした。それがあったから、英文を正しく読めるようになる成れたし、喋ることも可能に成れたのです。
つまり、
浪人時代に「文法力」をつけて、それに基づく英文解釈演習をしたから、英語の才能0の私でも英語が喋れたのです。
今週の金曜はいつもの文法動画放送があります。
この続きは来週の月曜日です。