苦手なりの受験英語(アルク版)

英語好きになることは可能か?(6)

前の(5)で一応、このシリーズのラストのつもりでした。しかし、1点、付け加わらせてください。どうにも、間違って読まれた方がいるようなので...

前回の(5)で、私は以下のように書きました。

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 よーく事態をご覧になって欲しいです。逆効果のはずです。

順序が逆なのです。原因結果の位置が逆です。

・英語の歌や英会話が楽しめる人が⇒英語好きになる
・英語の歌や英会話で苦しむ人が⇒英語嫌いになる

のです。
だから、
英語好きが「英語の歌や英会話」をやると⇒「やればやるほどますます好きになる」という結果になります。楽しめますから
 しかし
英語嫌いが「英語の歌や英会話」をやったって⇒「やればやるほどますます嫌いになる」という結果にしかならないのです。苦しみますから
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以上のように書きました。
きっと私の書き方がきっとまずかったのでしょう。某所である方が、私のここのページをリンクし、次のような趣旨の発言をされていました。(内容は概ね好意的とてもありがたかったのですが、以下の部分に納得いかなかったのです)

 英語嫌いが英会話で苦しむのは、日本人ではなくネイティブとの会話早くさせていない所為だ

私には、どうして↑こんな意見になるのかが分かららなかったのです。私は困りました。私の言いたいことの「真逆」であったからです。これ以上ないほど真逆です。読者の皆さんは納得できるのでしょうか?

随分この謎を考えました。おそらくですが↓ここを取り違えたのだと思います。

英語の歌や英会話で苦しむ人が⇒英語嫌いになる

 ↑これを
へたくそな日本人同士の英会話で苦しむ人が⇒英語嫌いになる
 ⇒⇒ネイティブとの英会話だったら英語嫌いになる人も喜んだはずだ。

 と読み取ったのだと思います。(きっとこの人にとってはそうだったのでしょう)

しかし、断じて違います。だって、私は中1の最初から山ほどネイティブとの対話練習をやらされましたから。

どちらかと言えば

ネイティブとの英会話が楽しめる人が⇒英語好きになる
ネイティブとの英会話で苦しむ人が⇒英語嫌いになる
 ⇒⇒ネイティブとの英会話だったら英語嫌いは、日本人同士よりもっと英語を嫌いになる
 ⇒⇒⇒ネイティブとの英会話が、英語嫌いにとって
最強・最凶の猛毒。最悪の選択肢

こうなる。

英語嫌いより英語らしい部分が嫌い」なのです。

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比べてください
ネイティブの生英語音声
コテコテの日本人がしゃべった英語音声

どっちが「より英語らしい」ですか? 
 ⇒「ネイティブの生英語音声」でしょう。

ネイティブの生英語音声」を
 「快感」と思った人が⇒英語好きになり、
 「不快」と感じた人が⇒英語嫌いになるのです。

日本人英語の方が、英語嫌いにとっては数億倍ましです。

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 おそらくここで次のような反論が予想されます。

「そうではなく、ネイティブとの会話体験が重要だ。意志が通じた体験が重要だ」

 その通りの部分と、そうでない部分があると思います。

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その通りの部分
 「意志」が通じれば重要ですよ。
 まさかとは思いますが、相手がネイティブならば

 "How are you?" "Fine thank you. And you?"

 ↑これが「意志が通じた体験」ってことになっているのでしょうか? 私にとっては違います。「しゃべろと言われた言葉を言っただけ & 言われただけ」の体験です。ちなみにネイティブに言われた英語(つまりネイティブの音声)は、いかにも「英語らしい発音」でした。そりゃネイティブですからね。 
 英語好きになる人は、このとき「こんな発音をしたい!」と思うものではないでしょうか? しかし私は違いました。この程度のネイティブとの対話?なら中学生の最初から学校で山ほど経験されられました。が「不快の塊・権化」でした。→「こんなふうに言うのかよ? 無理だ! ハードル高すぎ! 俺は死んでもこんな発音はできない」と思い、ただただ不快でした。

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そうでない部分
 私がちゃんと英米人と話が出来た最初の出来事、つまり「最初に意志が英語で通じた瞬間」......これが私には全く記憶に残っていません。(ちゃんと意志が通じた瞬間ですよ。決まりきったスクリプトを言い合っただけとは違います。ちゃんとした「ネイティブとの英会話」です)

 何の感慨もなかっ

 「最初に水を熱してお湯になった経験」をあなたは覚えていますか? あなたは深く感動しました? 私にとってはそれと同じです。「ちゃんと相手に分かる英語を喋ったら英語を返してくれた経験」に私は全く感動しなかったのです。 「水を熱すればお湯になる」のは当たり前ですよね。それと同じように、「ちゃんと相手に分かる英語を喋ったら英語を返してくれる」のは当たり前。テレビのスイッチを入れたらテレビがついたの同じ。私にとってはそれだけでした。

 だから、ネイティブとの英会話体験が「重要」とは、英語嫌いの私には全く思えないのです。

逆に、英語が好きな人にとっては重要なのではないでしょうか?

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 何度も言いますが、どちらかと言えば

ネイティブとの英会話が楽しめる人が⇒英語好きになる
ネイティブとの英会話で苦しむ人が⇒英語嫌いになる
 ⇒⇒ネイティブとの英会話だったら日本人同士よりもっと英語を嫌いになる
 ⇒⇒⇒ネイティブとの英会話が、英語嫌いにとって
最強・最凶の猛毒。最悪の選択肢

こうなる。

英語嫌いより英語らしい部分が嫌い」なのです。

これ以上「ドラえもん」に「よりネズミらしいネズミ」を与えないでください!
よりネズミらしいネズミ」をもらっても、英語嫌いは苦しむだけです。与えた先生は英語嫌いな生徒に「ちっとも分かってない。ますます俺を苦しめやがって!」と恨まれるだけ。良いことなんて何もない。

どのみちドラえもんに与えるなら、「なるべくネズミらしくないネズミ」を与えてください! そうすれば「この先生は分かってくれる!」と思うはずです。そして「あなたと英語を恨まない」と思います。

英語好きな人には「ネイティブとの会話」が「最高に喜ばれる」のでしょうが、英語嫌いには「最悪に恨まれる」のです。ネイティブの音声は、ドラえもんにとって、最も不快指数が高まるネズミそのものです。

金曜日は文法放送。来週の月曜日こそ新シリーズ開始です。

今週の金曜日は文法放送。来週の月曜日は雑談。新しいシリーズは再来週の月曜日からです。
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