今回は「名詞」という言葉を説明します。
日本語でも名詞ぐらいありますから、なじみのある言葉とは思います。でもこの定義を言えますか?
手元の「ロイヤル英文法」の定義にはこうあります。⇒人や事物の名を表す語を名詞といい、数や格によって語形変化がある。また多くは冠詞をつけることがでぉ、代名詞と違って、常に3人称として扱われる。
↑これで分かれば良いのですが、いかがでしょうか?
もう少し分かりやすい定義を考えてみました。↓
「名詞」⇒「○○の〜」という言葉を作るときに「〜」に適切に入ることができる単語。
例えば、beautiful(美しい)という単語を考えましょう。
これは、例えば
「彼女の【美しい】」…普通はこういうふうには言いませんよね。
だから、beautiful(美しい)は「名詞」ではない。(辞書を引けば分かりますが、beautiful は名詞ではなく「形容詞」です)
これなら普通は
「彼女の【美しさ】」…普通はこのように言いますよね。
このように言えるもの、この場合で言えば、「美しさ」は「名詞」です。「美しさ」に対応する英語は beauty です。辞書で beauty を引いてください。そこには「名詞」と書いてあるはずです。
少なくとも、このような「1語1語の単語レベル」で言うと、
名詞とは⇒「○○の〜」という言葉を作るときに「〜」に適切に入ることができる単語。
とできるのではないでしょうか?
今度は、「1語1語の単語レベル」ではないケースを考えます。こう言われても何か分からないかもしれませんが、続きを読んでください。
英語では「2語以上の単語の塊」を「名詞相当語句」と呼ぶことがあります。
こう呼ばれるものの多くは、その「2語以上の単語の塊」が、他動詞の目的語になっているケースです。(他のケースもありますが、ここではとりあえず、その説明は省きます)
例えば↓この英文を見てみましょう。
I like [playing baseball].
like は他動詞。当然後ろに「目的語」が必要。
⇒実は、[playing baseball]が1つの塊。実は playing は文法上、「動名詞」と呼ばれるものである。
⇒[playing baseball] は「野球をすること」という意味。
⇒like の目的語は実は [playing baseball] の塊。⇒「私は野球をすることを好む」となる。
⇒⇒目的語は「名詞」しかなれません。
⇒したがって、[playing baseball] のような塊は「名詞相当語句」とも呼ばれます。
例えば↓この英文を見てみましょう。
I like [to play baseball].
like は他動詞。当然後ろに「目的語」が必要。
⇒実は、[to play baseball]が1つの塊。実は to play は文法上、「to 不定詞(名詞用法)」と呼ばれるものである。
⇒[to play baseball] は「野球をすること」という意味。
⇒like の目的語は実は [to play baseball] の塊。⇒「私は野球をすることを好む」となる。
⇒⇒目的語は「名詞」しかなれません。
⇒したがって、[to play baseball] のような塊は「名詞相当語句」とも呼ばれます。
例えば↓この英文を見てみましょう。
I know [that she is beautiful].
know は他動詞。当然後ろに「目的語」が必要。
⇒実は、[that she is beautiful]が1つの塊。実は [that S + V〜] は文法上、「that節」と呼ばれるものである。
⇒[that she is beautiful] は「彼女が美しいこと」という意味。
⇒know の目的語は実は [that she is beautiful] の塊。⇒「私は彼女が美しいことを知っている」となる。
⇒⇒目的語は「名詞」しかなれません。
⇒したがって、[that she is beautiful] のような塊は「名詞相当語句」とも呼ばれます。
…といった具合です。「名詞相当語句」というものをしっかり理解し、かつ覚えて欲しいです。よろしいでしょうか?
※「名詞相当語句」の説明が分かりにくい、という意見をいただき、2010年に「名詞相当語句」の意味だけを単独で詳しく説明したシリーズを作りました。
ご参照ください。⇒こちら。
今回はここまでです。続きは木曜日です。