苦手なりの受験英語(アルク版)

謎の言葉? よく見かける『文法用語』を教えます!(9)

今回は「副詞」という言葉を説明します。これ品詞の1つですね。また日本語にも副詞はあります。なじみのある言葉とは思いますがこの定義を言えますか?

副詞の定義は実は正確には難しいのです。
(例外はあるが)名詞以外を修飾するものというのが実は定義です。
この定義のままで、みなさんは「副詞」がどういうものか分かるでしょうか?

副詞は具体的には以下の4種類がある、と(一応)されます。
・(1)動詞を修飾するもの
・(2)形容詞を修飾するもの
・(3)副詞を修飾するもの
・(4)文全体を修飾するもの

この4つです。おおむねこの4つに入るはずなのですが、(本当はどちらも(1)に分類されるのですが)、あと3つ
・(5)場所や時間に関するもの
・(6)形容詞に近く「補語」と言っても良いもの
・(7)前置詞に近いもの

といったものもあります。(本当は[例外的に]名詞を修飾する副詞もあるのですが、そこまでは細かすぎるので、今回はそれは省きます)
今回は(1)〜(7)の7つについて、それぞれを1つづつ見ていきましょう。

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・(1)動詞を修飾するもの
例文
 He strongly kicked the ball.(彼はそのボールを激しく蹴った
実は↑strongly の品詞は副詞です。辞書引っ張るとそう書いてあります。
実は、(early を例外として)、〜ly で終わる単語は、みな⇒副詞
 と言うことができます。

例文の場合、strongly は「強く激しく」という意味ですね。
 この言葉(強く激しく)は、「蹴った」を修飾していることが分かりますでしょうか?
 「激しく蹴った
となるはずです。
蹴った」は kicked という単語ですね。kick(ed)の品詞は動詞です。
ほら! strongly は「動詞」を修飾していますね。
…という具合に、「動詞を修飾する副詞」というものがあります。

〜ly が付いていない副詞」もあります。
例えば、fastは「速い」という意味の形容詞もありますが、「速く」という意味の副詞もあります。
例文
 He runs fast.(彼は速く走る
この場合は、
 「速く走る
となっています。「速い」という意味なら形容詞ですが、「速く」という意味で動詞の「走る(run(s))」を修飾しています。
 ×「速い走る
 ○「速く走る
となっているからです。
 辞書でfast を引くと「速い」という訳語を当てているのは「形容詞」で、「速く」という訳語を当てているのは「副詞」なはずです。

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・(2)形容詞を修飾するもの
例文
 He is very strong. (彼はとても強い
veryとても)が、形容詞の「strong」を修飾しています
 「とてもい」
と、このように「形容詞を修飾する副詞」があります。

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・(3)副詞を修飾するもの
例文
 He is working pretty hard. (彼はかなり一生懸命に働いている
この文の hard は「一生懸命に」という意味の「副詞」で、「動詞」の「work(ing)(働いている)」を修飾しています
 「一生懸命に働いている
という具合です。
 では、pretty はどうでしょう?
この文の pretty は「かなり」という意味の「副詞」で、「副詞」の「hard[一生懸命に]」を修飾しています
 「かなり一生懸命に
という具合です
と、このように「副詞を修飾する副詞」があります。

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・(4)文全体を修飾するもの
文頭に「〜ly」という副詞があると、「文全体を修飾するもの」とされます。
例文
 Certainly he pretended to know it. (確かに彼はそれを知っているふりをした)
certainly を除いた文、つまり
he pretended to know it.
  ↑この「文全体」を「(確かに)certainly」という言葉で修飾しているとされます。
(※実は、文尾や文中の時もあります。文尾の場合では、手前に「カンマ」が入ります。
 例⇒ He pretended to know it ,certainly.)

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以上が副詞の基本的な使われ方です。
(5)〜(7)については、次回説明します。

この続きは木曜日です。

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