苦手なりの受験英語(アルク版)

関係詞の謎と得意・不得意(5)

関係詞の謎と得意・不得意
では続きに行きます。前回のラストの結論は↓こうでした。

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違和感で判断すれば
 ↓
得意な人の場合」→「自分の脳内にインプットされているデータから判断し、違和感がないもの(which, whom)を埋める」→「正解になる」のです。
苦手な人の場合」→「自分の脳内にインプットされているデータから判断し、違和感がないもの(where, who)を埋める」→「不正解になる」のです。
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この所為でとんでもないことになっている、というのが前回の前振りでした。

実はこの所為で英語の得意な人と苦手な人が大きく差が開いてしまっているのです。

普通(普通ですよ)英語の先生は、英語が好きで得意な人のはずです。
この先生が関係詞の問題に相対したとき、どのように解くでしょうか?

「カン(違和感)」で解くはずです。
カンで楽勝で正解をバシバシ連発させるはずです。
そして、この種の(普通の)英語の先生は「関係詞はカンで解ける、楽勝な単元」と思うはずです。

この先生が関係詞を教える場合、どのように教えるでしょうか?
「関係詞はカンで分かるだろう、少なくとも、基本問題はそれで解けるはず」
というスタンスで教えるはずです。

この先生が「生徒のためを思って」関係詞の問題を用意したら、「関係詞の難しい問題ばかり」を用意することになると思います。
だって、この先生にとって「関係詞の基本問題はカンで分かってしまう【楽勝でちゃんちゃらおかしい】単元のはず」だからです。
ちなみに、多くの市販の文法問題集も「関係詞」の単元は「基本問題が少なく、難しい応用問題ばかりがずらりと並ぶ」という傾向があります。(理由:その市販の問題集の製作者も英語が好きで得意なはずです。だから基本問題はほとんどなく、応用ばかりをたっぷり収録したのだと思います)

生徒の側にも、英語が好きで得意な人が大勢います
このとき「この先生が授業で用意した関係詞の問題」を、英語好きな生徒はどのように思うでしょうか?
関係詞は「カン」で解けてしまい、【楽勝でちゃんちゃらおかしい】単元だ、と思うはずです。
だから、英語が好きで得意な生徒「関係詞の難しい問題」を出された場合に「まあちょうどいいかな?」と思うはずです。

ここまでよいでしょうか?

では、英語が苦手な人の場合を考えましょう。
生徒側は先生側と違い、「英語が嫌いで苦手な人」が大勢いるのです。
このとき「この先生が授業で用意した関係詞の問題」を、英語嫌いな生徒はどのように思うでしょうか?
先生はたいした説明をしてくれないから、英語嫌いな生徒も「カン」でしか解きません。
そして、英語が嫌いで苦手な生徒の場合、関係詞は「カン」で解いても概ね「不正解」ばかり導き出すのです。
おまけに、基本問題もそこそこに、難しい問題ばかり先生は出してくれるのです。
 英語が嫌いで苦手な人はこうして関係詞が苦手になります

にも関わらず、普通の英語の先生は、この現状を認識してくれません。
つまり
英語が苦手な生徒が「関係詞で間違いを連発する姿」を見ると
「なんでお前はこんな簡単な単元で間違えるんだ! 勉強不足もはなはだしい! もっと勉強しやがれ!」
としか、普通の英語の先生は思ってくれないのです。

しかし私は逆です。
英語の苦手な人は「関係詞で間違えて当然」である。
と思っています。
英語が苦手な人の場合、この問題の正解を出せる人は1人もいないと私は思います。

この現状のため、ここ(関係詞)で大きく「得意・不得意」が分かれてしまうと思います。

次回は「苦手な人の場合、関係詞をどのように学習すればよいのか」について書いてみたいと思います。

明日はいつもの文法学習。この続きは月曜日です。

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