苦手なりの受験英語(アルク版)

関係詞の謎と得意・不得意(4)


ここまでのまとめです。

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問題
 次の(   )に that 以外の何かを必ず入れなさい。
 (1) This is the place(   )I like.
 (2) I know the boy(   )she loves.
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英語が好きで得意な人
 「カン(違和感がないもの)」で答えを探す。
  ↓
 (1)はwhich、(2)whom と答える。
  ↓
 見事に大正解

英語が嫌いで苦手な人
 「カン(違和感がないもの)」で答えを探す。
  ↓
 (1)はwhere、(2)who と答える。
  ↓
 見事に不正解

となります。

得意な人の場合」→「違和感がないものを埋める」→「正解になる」のです。
苦手な人の場合」→「違和感がないものを埋める」→「不正解になる」のです。

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なぜこうなるのか?…今回はこの謎を解きます

例題の派生で出てきた英文を例に挙げてます。以下の英文で考えて欲しいことがあります。

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 (1) This is the place I like.
 (2) I know the boy she loves.

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あなたは、この上の2つの英文を、2つとも
違和感が全くなく、かっこいい英文」と感じるでしょうか?
 それとも
違和感しか感じない、不気味な英語」と感じるでしょうか?

英語がお好きで得意な人ほど「違和感がなく、かっこいい英文」だと感じ
英語が嫌いで不得意な人ほど「違和感しか感じない、不気味な英語」と感じる
はずです。

実際、ネイティブスピーカーに尋ねれば、(1)も(2)も違和感のない普通の英語と言うはずです。
つまり、「英語がお好きで得意な人」の感覚は正しく、「英語が嫌いで不得意な人」の感覚は間違っているのです。

ではどうしてそうなるのか?

それは、以下の2つの理由があります。

【1つ目】
得意な人は「こうした英文に何度も触れている、場合によっては覚えている
苦手な人は「こうした英文に触れていないし、覚えていない覚えられない)」

【2つ目】
英語が好きで得意な人は「英文の全体を見て1語1語を見れない」「1語1語の単語を覚えるより文全体を覚える方が楽である」
 のに対し
英語が嫌いで苦手な人は「英文の1語1語を見て全体を見れない」「1語1語の単語を覚えるのが精一杯文全体を覚えるのが最悪に苦手で、場合によっては不可能である」
 から

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まずは
【1つ目】を証明しましょう。
まあ、まずはここを見てください!って感じなんですけどねw

英語が好きな人は放っておいても「英文に親しもう」とするわけです。
ところが、英語が嫌いな人は「英文から目をそむける」わけです。

続いてここを見てください。あとここも。
英語が好きな人は、「英語を喋りたい」んでしょうね。たとえ英語の意味が分からなくっても「その英文(単語ではない。だ!)」を覚えようとするのです。
一方、英語が嫌いな人は、「英語を喋りたくない」わけです。当然「英文」なんて「覚えてません」

続いて【2つ目】を証明します。
今度はここを見てください。
英語が好きな人は「1語1語の単語を覚えるより文全体を覚える方が楽である」のです。
だから、脳内にたくさんの英文が既にインプットされているのです。
ところが、英語が嫌いな人は「文全体を覚えるのが極端に苦手」なわけです。
だから、脳内に全く英文が既にインプットされていないのです。

文全体が頭に入っていない苦手な人は、1語1語見るしかない
このとき
 (1) This is the place I like.
 (2) I know the boy she loves.

みたいな英文は、ものすごく違和感があるのです。
なぜなら、文と文が2つ足されているのに、間に「接着剤的なもの」がないから。
((1)This is the place+I like、(2)I know the boy+she loves)

もしwhere とか who があれば(↓間違っていますが)
 (1) This is the place where I like.
 (2) I know the boy who she loves.(こっちは口語ならOKだけれども一応間違いとします)
これなら
「(手前が「場所」だから)where や (手前が「人」だから)who という『単語1語』で、文と文が繋がっているのだろう」
と思うことができるのです。

 英語が苦手な人は「文全体が見れない」のです。単語を1語1語見ます。だから「接着剤的な単語1語」があると「安心する」のです。
逆に「接着剤的な単語1語」がないと、「違和感がありまくり」という状態になるのです。
だから
 (1) This is the place I like.
 (2) I know the boy she loves.

みたいな英文は、英語の苦手な人にはものすごく違和感があるのです。

だから、最初の問題に戻るのですが、↓これも「違和感」で判断しするわけです
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問題
 次の(   )に that 以外の何かを必ず入れなさい。
 (1) This is the place(   )I like.
 (2) I know the boy(   )she loves.
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違和感で判断すれば
 ↓
得意な人の場合」→「自分の脳内にインプットされているデータから判断し、違和感がないもの(which, whom)を埋める」→「正解になる」のです。
苦手な人の場合」→「自分の脳内にインプットされているデータから判断し、違和感がないもの(where, who)を埋める」→「不正解になる」のです。

次回はこの違いの所為でとんでもないことになっている、というお話をします。次回は木曜日です。

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