苦手なりの受験英語(アルク版)

雑談:逆境のモチベーション

雑談:今回はまじめな雑談です。ではまじめな話を!

タイトル:逆境のモチベーション

 私は英語が大嫌いで学年最下位だった。しかしできるようになった。なぜできるようになったのか...。それを今までこのブログに書いてきたつもりだ。これこれこのように学習したらできるようなった、そのやり方のおかげで、成績は上がり、入試も突破し、今は英語講師である...というようなことを書いてきた。これらを今改めて読んで感じたことがあった。「技術論ばかりだな」...と思った。

 技術はもちろん大事だが、それよりも別のことが「私の英語の成績を上げた根本原因である」と考えるようになった。技術は3割ぐらいではないか? 根本(7割)はモチベーション(動機)である。これこそが私の成績を押し上げた最大の要因だと考えるようになった。

 私が高3のとき、私は受験に失敗した。どこの大学も受からなかった。全滅である。非常な恥ずかしさを感じた。滑り止めのはずの大学に受からなかった。このとき、私は実力不足を痛感した。しかし同時にこうも思った。「俺はやればできるはずだ」。単純に「プライド」を守る心の働きが生じただけだ。それだけで浪人のとき、私は一生懸命当時勉強した。今から考えるとこれが「英語克服の最大原因」だと思う。「何が何でも早稲田に受かってやる!」と思わずにはいられなかった「モチベーション」こそ、成績を上げる最大の原因だった。

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 ところで、話はがらりと変わる。日本の歴史の話をしたい。最近「日本はアメリカと戦争をし、負けたことを知らない若者がいる」という話を聞いて私は驚愕した。日本は約70年前、アメリカ相手に無謀な戦争を起こした。そしてコテンパンにやっつけられた。百万人単位多くの若い兵士が死に、日本本土は各地で爆撃された。広島や長崎は原爆を落とされ、東京は大規模な空襲にあい、焼け野原になった。東京はまるごと「更地」のような状態だった。

 今その傷跡はどれくらいあるだろう? もちろん原爆ドームなど各地に残るが、普通は余り見受けられない、気付かない。それくらいになるまで日本は「復興」したのである。信じられないほどの経済発展を遂げた。そうなって既に数十年は経ったろう。なぜ日本はこんなことができたのだろう? 勤勉な国民性の所為? もちろんそれもあるだろう。しかしおそらくはそれが最大の理由ではない。「日本が負けた」という逆境から「這い上がろうとした気持ち」が、ここまでの経済発展をもたらしたと思う。

 戦後直後の日本は、自分の父親や兄弟を戦地に取られ、アメリカと戦って戦死した人たちが多くいた。爆撃で母や姉妹を失った人たちも多くいた。さらに食料も今のように豊富にあるものでもない。米さえ食うことが難しい。電気もガスも水道もない。明日の生活の見通しがたたない。そういう時代だった。彼らの当時の心境を考えて欲しい。どんな気持ちであったのか? 塞ぎ込んでいても仕方が無かった。這い上がらなければならなかった。この人たちの「這い上がる気持ち」のおかげで、現在は高度な文化的な生活を我々は享受しているのである。

 この「這い上がる気持ち」...逆境のモチベーションこそ、大きな発展を遂げる最大理由・最大原因である...と最近思うようになった。この気持ちのパワーは計り知れない。私はその所為で「なんとか英語を克服した」のである。

 来週の月曜日も雑談です。再来週の月曜日から新しいシリーズを始めます。なお金曜日はいつもの文法放送があります。よろしくです。

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