今回はこのシリーズ「英語で英語の授業がなされた場合」の最終回です。
最後は『偉い人の妄想のまとめ』です。英語で英語の授業をしようともくろんでいる文部科学省の偉い人は、こうなるだろう、ああなるだろう、と妄想しているのだと思います。今回はそれをまとめます。
偉い人の発想は…
・みんな英語を話したいはずだ。
・英会話学校のような授業をすれば、多くの人が英語が話せるようになるだろう。
・その結果、英語が好きな人がもっと増えるだろう
・その結果、英語がもっと普及するだろう。
↑こんな青写真じゃないですか? 違いますかね?
私はそんな単純に上手くいくはずがないと思います。
↓こう思ってます。
・みんな英語を話したいはずだ。
⇒そりゃあ、できればそうなりたいよ。簡単にそうなれるならね。
⇒別にそれは今に始まったことじゃない。
・英会話学校のような授業をすれば、多くの人が英語が話せるようになるだろう。
⇒現実は30%がせいぜいじゃないの?
⇒英語嫌いな人もいる高校じゃあ、30%を下回るのは明らか。
・その結果、英語が好きな人がもっと増えるだろう。
⇒現実は、好きな人でさえ苦手になる。その結果、好きな英語が嫌いになるのでは?
・その結果、英語がもっと普及するだろう。
⇒好きな人でさえ、減るのだから、普及どころか、逆効果!
さらに…
大学受験に話せる能力は必要ではない!
という、とてもおかしな状況になると思います。
文部科学省の偉い人はこういう「ネガティブ要素」を無視しているのではないでしょうか?
私にはこの状況が「太平洋戦争の開戦前」とよく似ていると思っています。
戦前の政府の指導者は概ねこう考えていたはずです。
・みんな米英に勝ちたいはずだ。
・日本人が奮起すれば、多くの戦いで勝つだろう。
・その結果、日本は苦境から脱するだろう
・その結果、日本が国際的にもっと優位に立つだろう。
↑こんな青写真だったはす? 違いますかね?
現実は↓こうでした。
・みんな米英に勝ちたいはずだ。
⇒そりゃあ、できればそうなりたいよ。簡単にそうなれるならね。
⇒別にそれは今に始まったことじゃない。
・日本人が奮起すれば、多くの戦いで勝つだろう。
⇒資源も補給も乏しい日本が、物量でアメリカに勝るわけがない。
⇒たとえ初期に勝ったとしても、物量的にいずれ逆転されるのは明らか。
・その結果、日本は苦境から脱するだろう
⇒現実は、最後は特攻隊まで組織しなければならないほど苦しんだ。
・その結果、日本が国際的にもっと優位に立つだろう。
⇒連合軍に無条件降伏。
どうです? 似てると思いませんか?
要するに、戦前の政府の指導者は
・失敗するかもしれないというネガティブ要素を「無視」、計算に入れなかったのです。勝てるはずだ、という妄想で突っ走ってしまったわけです。
その結果、大失敗…大敗北!
何万人の若い命が失われたことでしょうか?
同じことがここで言えると思います。
文部科学省の偉い人は
・英語を普及させたい
と思うがゆえに、
・失敗するかもしれないというネガティブ要素を「無視」、計算に入れていないように思います。できるはずだ、という妄想で突っ走っていると思います。
その結果は、大失敗になると思います。英語は普及どころか逆に「英語好きな人が減る」と思います。
何万人の高校生が苦しむことになるでしょう?
特に英語が嫌いで苦手な人は、最悪に苦しむと思います。
歴史から簡単に↑このことが学べると思います。でも、英語好きな文部科学省の偉い人には、この意見は耳に入らないでしょうね。英語好きな彼らは、歴史が嫌いでしょうからw
さてと、一応最後に書いておきます。
英語で英語の授業をしようとしている文部科学省の偉い人へ
・あなたは数学がお好きですか?
・なぜ数学が嫌いですか?
・数学が分からなくなったからではないでしょうか?
英語で英語の授業を行うと、
・現時点で英語が好きな方の1部も、授業で聞いている英語が分からなくなりますよ。
・すると、彼、彼女らは、英語が嫌いになるのではないでしょうか?
・あなたが数学をお嫌いになったように…
果たして、英語は今以上に普及するでしょうか?
結果は数年後に分かるでしょう。
今回は以上です。