前回は名詞の役割を紹介しました。確認しましょう。
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名詞の役割とは
1・主語に成れる
2・目的語に成れる
3・(場合によっては)補語に成れる
です。
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では、名詞でないのに、これらの名詞の役割を担うことができるものを1つずつ紹介していきましょう。
(その1)代名詞
代名詞は(それぞれ)1語ですから、普通は名詞相当語句扱いされないかもしれませんが、念のため確認しておきましょう。
代名詞と名詞は非常によく似ています。大体、『【代】名詞』なんだから、字面からして名詞です。でもちゃんと確認しましょう。
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1・主語に成れる
例文 He is a boy.(彼は少年だ)
he は代名詞ですね。実は代名詞の場合は「格」というものがあります。
「主格・所有格・目的格」の3つですね。
he ならば、それぞれ、
「he(彼は)・his(彼の)・him(彼を)」
↑ ↑ ↑
主格 所有格 目的格
となります。he は主格の代名詞です。
●主語の位置に当てはまるところには「主格の代名詞」しか置けません。
だから
○He is a boy.
× His is a boy.
× Him is a boy.
となります。
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2・目的語に成れる
例文 Kumiko saw him.(久美子は彼を見た)
him は代名詞ですね。
him は
「he(彼は)・his(彼の)・him(彼を)」
↑ ↑ ↑
主格 所有格 目的格
という具合に「目的格」の代名詞です。
●目的語の位置に当てはまるところには「目的格の代名詞」しか置けません。
だから
× Kumiko saw he.
× Kumiko saw his.
○ Kumiko saw him.
となります。
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3・(場合によっては)補語に成れる
例文 This is he.(それは彼です<電話口などの言い方>)
he は代名詞ですね。
he は
「he(彼は)・his(彼の)・him(彼を)」
↑ ↑ ↑
主格 所有格 目的格
という具合に「主格」の代名詞です。
実は「文法的には」、補語の位置に代名詞を置くとき、主格を置く、という決まりになっています。
だから
○ This is he.
となるのです。
ところが、実際は、補語の位置に「目的格」を置くことも多いです。
つまり
○ This is him.
が実際にはよく使われます。
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名詞相当語句の主だったものは次回以降、難しいものがたくさん出てきます。お気をつけくださいね。
明日はいつもの文法放送。この続きは月曜日です。