苦手なりの受験英語(アルク版)

単語の類推(4)

さて、得意な人は、苦手な人と違い、類推が上手く行く別の理由を紹介します。

それは「日ごろの訓練」と言えるようなものです。

得意な人は、苦手な人にはない習慣があります

ここをご覧下さい。

得意な方は、町中に溢れる英語という英語に目が自然と向かうのです。

昔話をします。
私が大学の英語部(ESA)にいたときの話です。メンバーの何人かとファーストフードのロッテリアに行きました。するとおもむろに「紙コップ」の話題になりました。いえいえ、正確には紙コップではなく、紙コップに印刷されている英文の話になりました。

私はまったく気がつかなかったのですが、ロッテリアのジュースの紙コップには何かしら英文が書いてあるのです。(少なくとも昔は)

そしておもむろに話が始まりました。

Aさん:「この英文の意味はなんだろうなあ?~『○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○』でいいかなあ?」

Bさん:「いやあ、ここの単語の意味は●●●●だから『○○○○○●●●●○○○○○○○○○○○○○○○』がいいのでは?」

Aさん:「ああなるほど!類推失敗しちゃった~~」

どういうことか?

英語が好きで得意な方々は 町中で常日頃、隙あれば「英文読解の練習と、単語の類推の練習をしている」のです。

英語が好きで得意なな方は「町中にある英文に必ず目が行き」、そして、その英文の意味を考えます。わからない単語があっても考えます

電車の中、道路標識、よーく見ると英文が書いてあったりするんです。逐一全部考えるのです。そういう習慣が「高校生のうちから、いや、下手をすると、小学生のうちから」身についている人がいたりするのです。

つまり、いつでも隙があれば英文読解と類推の練習を絶えずしているのです。(なお恐ろしいことに、彼らの中には「高校生ならだれでもこうしたことをしている」と思っている人もいます

こういう訓練を日ごろからしているのですから、彼らは読解力のみならず、類推力も知らず知らずに身についてしまうのです。こういう人たちは「なぜみんな類推ができないないのか?」と不思議がります。自分には当たり前のようにできるからです。

なおこういう人たちの中には、<「単語帳を使わず」また「辞書さえ使うな!」という勉強法>を提唱する人がいます。要するに「日ごろから類推の訓練し、単語を覚えなさい」という勉強法なのです。

別にこの勉強法に異を唱えるつもりはありません。英語が好きで得意ならば。こうした練習を積み重ねれば読解力も類推力も身について、英語力がアップすることは請け合いです。

ただし……

かつての私のように「英語が嫌いで不得意」だったらどうでしょう?

無理だと思いませんか?

なぜなら
・仮に全部の単語の意味が明らかでも、文としての意味はめちゃくちゃにしか読解できない
・したがって類推ができるわけがない

そもそも、町中あちこちにある英文に気がつかない。

  つまり↑ここのリンク先で英文の意味を考えないまま下を読んだ人は、全員「単語帳も辞書も使わない勉強法」は向いていないと思います。逆に意味を考えた方には向いていると思います。

そして、<こうした読解&類推の練習を常日頃から習慣的にしている人>は、日ごろ訓練を摘み重ねているので、あたりまえのように類推ができるのです。

もちろん、私にこんな習慣は現在もありません。(私は英語がこの世で1番嫌いだから。アルファベット恐怖症なので、こうした習慣が付くことはありえない)

さて、次の更新は火曜日です。(予告・Yゼミの某T先生が発見?した類推法について少し紹介します。お楽しみに)

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