苦手なりの受験英語(アルク版)

受験 英語嫌い 克服の極意(17)

実践編の2回目に行きますね。
英語が嫌いで苦手な人が、英語が得意になるには、きちっとした「計画」がいると思います。
そもそも、得意な人に大きく水を開けられているのですから、それを挽回できるほうが普通はありえないのです。マラソンで、後方からトップ集団に追いつこうとするようなものです。「まずない出来事」だと思いませんか?

大体、英語が得意な人は、ほっとけば英語の勉強をするんです。
それに比べて
英語が苦手な人は、ほっとけば英語の勉強なんかしませんよ。

じゃあどうするか? 挽回するにはちゃんと「計画」を立てる必要があります。
どう立てるべきかを一緒に考えましょう。

まず去年の私の生徒さんの1例を参考に見てみましょう。

Kさんは、薬学部志望の受験生でした。高2まで偏差値30台の人でした。

【高2終わり〜1学期】
・2年の3学期から少しずつ「文法の学習」を私と一緒にやった。
・5月までかけて、文法問題集を一通り解き終えた。(予定より遅れた。予定はゴールデンウィーク明けに終わるはずだった)
・覚えるべき受験単語の半分を終わらせた。(予定通り)
・熟語はいまいちだったようだ(もちろん、予定では全部覚えるはずだった)
・6月にようやく長文読解の学習が始められた。この頃は和訳例を書いていた。
・6月は同時に文法の復習も少しづつやった。
・7月の中ごろまでは定期試験のために、ほとんど受験英語の学習ができなかった。

<ここまでやるのが精一杯だったろう>
しかし、ここまででは模試の成績は良いわけはない。8月の模試は200点万点中42点だったそうだ。英文解釈力が足りないから当然の結果である。

【夏休み】
文法の復習を終わらせた(5回)
・長文読解をもう少しやった。少し和訳例を書いてもらった。途中から書いてはいけないことにした。
・センター試験に的を絞った、文法や解釈問題をやった。

【2学期】
・9月の模試では91点に跳ね上がった。
・長文読解に重点を絞り、読解力を磨いた。この頃は和訳例は書いていない。
・センターと薬学部用の過去問題や予想問題で実践訓練を重ねた。
・単語と熟語を残りを覚えた。

【本番】
・ちゃんと薬学部の合格通知を持ってきた!
合格体験記:ちょうど中ほどにあります。右側の人です)

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彼には、受け持つ前にこういっておきました。

「以下が計画だ。

 ・夏休み前には文法を終わらせる
 ・1度終わったら5回は復習せよ。(夏休みが終わるまでに)
 ・文法が1度終わったら、英文解釈の訓練に移る。
  最初は和訳例をノートにちゃんと書くこと

これで大体夏休みになる。しかしここまでやっても結果らしい結果は出ないよ。
9月まで結果は出ない

 ・夏休みでようやく実践練習ができる。
 ・英文解釈がほとんどになる

 ・夏休み以後は訳例は書いてはいけない
 ・問題は徐々に難しくなる。
 ・その上1回にやる問題量も増える(難しい上増える)。
  およそ「1学期の倍の難易度と倍の量」を1度にこなさせる。
 ・11月が1番きつい

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計画通りにはなかなかいかないものです。実際も、やっぱりやや遅れた感はありました。
しかし、概ね上手く行きましたね。

結果見事に合格通知を持ってきたのです。たいしたものだと思いました(^^)

ポイントを言うと
・文法を早めに終わらせること(問題集を何度も解きなおすこと)
・解釈は最初のうちは和訳を書くこと。後で書かないこと
・難易度や量は徐々に上る増える)。
 最初と同じ感覚だと、徐々に困ることになる(11月が1番辛い)。

となると思います。

大体、普通の塾のカリキュラムはこれに則るんですけどね。
ただし、あまり「苦手な人向けに作らない」可能性はあります。そこは注意して欲しいと思います。

しっかり10ヶ月の計画を立てて、狂わさないように頑張る必要があると思います。

大体は
・計画を建てずに闇雲にやって失敗
・計画通りにやれず、あきらめて失敗
になってしまうのです。

この↑どちらかにならないのであれば、あなたは英語が得意になると思います。

この続きは木曜日です。

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