では続き。
前回は↓これらの訳例を作れ!、という課題でした。
(1) I know a boy(who)● has the book.
(2) I know the boy(whom)she loves ●.
(3)She lives in a house (which)● stands on a hill.
(4) She lives in a house (which)he built ●.
(5) She lives in a house (where)I lived.
(6) She lives in a house (which)I lived in ●.
正解は
(1) I know a boy(who)● has the book.
(私は、その本を持っている少年を知っている)
(2) I know the boy(whom)she loves ●.
(私は彼女が愛している少年を知っている)
(3)She lives in a house (which)● stands on a hill.
(彼女は丘の上に立っている家に住んでいる)
(4) She lives in a house (which)he built ●.
(彼女は彼が建てた家に住んでいる)
(5) She lives in a house (where)I lived.
(彼女は私が住んでいた家に住んでいる)
(6) She lives in a house (which)I lived in ●.
(彼女は私が住んでいた家に住んでいる)
です。できましたでしょうか?
英語が苦手な人は、とくに(2)ができなかったはずです。
今、「できたぜ〜」と思っている英語が苦手な人!
↓こう思っていませんか?
「私は彼女を愛している少年を知っている」
↑
これは違いますよ。
正しくは↓
「私は彼女が愛している少年を知っている」
です。
ここで英語が本当にできない人は「どこが違うか」わかりません。「同じじゃないか!」と思ってしまうのです。
(2) I know the boy(whom)she loves ●.
↑
この少年は彼女を愛しているかどうかわからないんです。
この少年は彼女に愛されているだけなんです。
だから、全然違うのです。
(4) She lives in a house (which)he built ●.
も、英語が苦手な人の多くは、変な訳例を作ります。
たとえば「彼女は彼といっしょに住んでいた」とか、とにかく「勝手なストーリー」を作り上げます。
…
…
ということを、多くの英語が得意な人、英語の先生は知りません。
せいぜい「たまたまうまく訳出できなかっただけで、言わんとする意味はわかっていたはずだよ」とか考えています。
なぜなら「(その)英語が得意な人が、そうだから」です。
得意な人の中には「訳出(だけ)」が苦手な人が多いのです。そういう人は「言わんとする意味」分かるのです。「だから、英語が苦手な人だってそうに違いない。たまたまうまく訳が思いつかなかっただけだ。意味は分かっているはずだ」と思い込んでいます。
これは大きな間違いです。英語が苦手な人は「言わんとする意味」も大きく間違って捕らえています。
しかし、英語が得意な人はなかなかそうは考えてくれません。なにせ、このような「関係詞の問題」は「英語が得意な人にとっては楽勝なはずだ」からです。
また、苦手な人もここで注意することがあります。
それは「コロンブスの卵現象」です。
たとえばこんなことが起こります
英語が苦手な人が
(2) I know the boy(whom)she loves ●.
を訳せ! と言われたとします。
↓
苦手な人も一応、英文の訳例を考えます。
↓
ですが、苦手な人はすぐに訳例作りをあきらめます。
つまり実際は考えません。
↓
その後、先生などから
「私は彼女が愛している少年を知っている」
という正解だけ見せられます。
↓
すると苦手な人は
「ああがんばればできたかもなあ、たぶんできたよ。意外と簡単だったのか」
と思ってしまうのです。
これが「コロンブスの卵現象」です。
答えを見せられてから問題を見る、すると「簡単」に思えます。
しかし、答えを知らずにこの問題を正しく解くこと、これは非常に難しいのです。
しかし、英語が苦手な人は、実際には解かないので「簡単だ」と思ってしまう可能性が高いのです。
ここで1つ、恐ろしいことが起こります。
・英語が苦手な生徒は関係詞の問題を「コロンブスの卵現象」により「簡単だ」と思ってしまうかもしれません。
その上、
・英語の先生も「関係詞」を「簡単ですね〜」と教えることが多いはずです(自分にとっては本当に簡単だから)
とすれば、
●英語の苦手な生徒も「ああ、先生が言ってるくらいなんだから、関係詞は簡単なんだ」と思ってしまう可能性が高い
のです。非常に危険だと思いませんか?
実際はそうではないのです。
・英語が初めから得意な人にとって、関係詞は簡単
・英語が苦手な人にとって、関係詞が激烈に難しい
のです。
苦手な人は、関係詞が本当に苦手なのです。
この続きは月曜日の予定です。明日はいつもの文法動画です。