苦手なりの受験英語(アルク版)

2008年センター英語問題講評

センターの問題制作部も大変だと思います。しかし受験生はもっと大変だと思いました。

今回、大問6個の形式が大きく変わった印象は否めないです。
変化は以下の通り。

 第1問 一昨年以前の形式踏襲
 第2問 変化なし
 第3問 昨年と変わらないが、昨年既に大きく変わっている
 第4問 昨年既に変わった形式をそのまま踏襲しているが、グラフ問題であるAに、グラフ(表)の意味がほとんどない。
 第5問 大きく変わる。会話問題ではなくなった!
 第6問 大きく変わる。物語文のように見えなくもないが、実質は論説文。

難易度は昨年よりは難しくなったような気もするが、形式が変わった所為でそう見える部分もある。

[裏技の結果] ・ここで紹介した裏技だが、結果は「使える」とまでは言いにくいものでした。
今回これが使えそうな選択肢は「30〜35、42、44、45〜48、50、51」の14問でした。
このうち私が裏技で選んで、正解だったのは6問。正解率42.8%。
せめてあと1問正解であったら、正解率は50%に達しました。それならそこそこ使えたと言えたのかもしれないです。しかし現実はシビアでした。もっとも、普通にやれば正答率は25%のはずだから、それよりは良かったのがやや救いでしょうか。
使った皆さんはどうだったでしょうか?

以下気になった部分をピックアップし、解説や感想を書きますね。

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第2問Cの問3(並べ替え問題)に頭を悩ましました。さすがに正解は出せましたが、私は時間がかかりました。

Do you remember where that bicycle shop was? Something __ __ __ __ __ I bought at the sale.
(1) gone (2)has (3)the bicycle (4)with (5)wrong

後ろが I bought で終わっているから、どうしたって

「名詞」+(that)I bought ● at the sale.
       ↑
      関係代名詞の目的格省略

という形であろう。とすると手前に入る「名詞」は (3)the bicycle 以外はありえない。つまり一番最後の空欄は(3)the bicycle。

wrong の位置を考える。

・something wrong (何か悪いもの)

・go wrong (悪くなる)
の2択だろう。

もし、「something wrong」の繋がりだと、残りの go(ne) や has が役割を失ってしまう。
したがって、ここは
 Something has gone wrong のはず。
あとは後ろに、with bicycle を付けると綺麗につながる。

Do you remember where that bicycle shop was?
Something has gone wrong with the bicycle I bought at the sale.

(あの自転車屋さんがどこにあったか覚えてない?
セールで買った自転車のどこかが悪くなっちまったみたいなんだ)

となります。

もっとも、Something has gone wrong with は、決まり文句みたいなもので、これを知っていれば難なく解けるのですけれども……

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第4問Aはグラフの意味がないですね。
この問題は、もしかしたら、2005年で問題になった天気図問題の罪滅ぼし?のつもりかもしれません。
2005年の天気図問題は、「お茶の間レベルの科学常識で答えると、絶対ありえない天気図が正解の選択肢」であったのです。
つまり、センターの英語問題製作者たちは、よっぽど科学が嫌いなのでしょうか。お茶の間レベルの科学常識さえ知らなかったのだと思いました。

で、今回の気象衛星の問題ですが、これも「センターの英語問題製作者の科学の興味のなさ」が露呈したのではないかと思いました。
ひまわりが使えなかった時期はアメリカの気象衛星ゴーズが代用していたではありませんか! この期間のテレビの天気予報では、アナウンサーが「それでは、気象衛星ゴーズの画像を見てみましょう」と言っていたはずです。
英語力ではなく、この常識で解けた問題がありました。
センターの問題製作者の意図に反し、英語力ではなく、日常の常識で正解が出せた問題と言えると思います。
しかも、お茶の間レベルの科学常識。。。。

ホンマ、センターの英語問題製作者は科学に興味がない、科学の基礎を知らない、英語だけしかできないのでは????
と私は思いました。
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第4問Bは、昨年と比べて難しい。昨年は1部を見れば解けた問題があったのに、今年は全体をちゃんと読まないと解きにくかったです。
それにしても、こういう「英語を学びましょう」みたいな問題はなんとかならないんですかね? 英語嫌いな私は、こういう問題を見ると、ムカついてしょうがないんですが!
\(`0´ )/=3
このように「英語学ぼう合宿」みたいなものがテーマになることはあっても、「数学学ぼう合宿」みたいなものがテーマになることはないのです。
問題製作者は無意識にこのような問題を制作していると思います
こういうことが英語嫌いをより怒らせると思います。英語嫌いをなくしたくないのでしょうか? 大いなる逆効果だと思います。
お茶の間レベルの科学常識もないくせに俺たちを困らせやがって!
と、多くの英語嫌いな受験生は憤慨したと思います。
センターの英語問題製作者は、本当に「英語ができれば科学はどうでもいい」と思っているのではないでしょうか?

(センターの英語作成者の皆様へ。
このような問題を制作することで、英語嫌い人間は英語好きになって英語を率先して勉強したくなるとお思いなのでしょうか? このような問題を出し続ける限り、英語嫌い人間は、もう絶望的に今後一切英語好きなることはなくなると思います。まして、受験英語の規範となるセンター試験! あなた方は英語嫌い人間の英語学習意欲にトドメを刺したようなものだと思いますw)

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第5問は「なんじゃこりゃ?」と思いました。
会話問題だと思って例年の対策をした皆様は、さぞかし面食らったでしょう。問題自体はそんなに難しくはありませんでしたが。
B問題は引っ掛けが多用されていて、1部しか読み取らなかった場合、誤答になりやすかったですね。
1部しか読みとれなかった苦手な人は(1)と思い誤答した人も多かったと思います。

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第6問は面食らわせるにも限界があるだろうに!、と思った問題でした。
最初と最後のバラグラフだけ見ると物語文のように見えます。
でも実質、論説文ですよ。これは……
傾向と対策をしてきた受験生はさぞや困ったのではないでしょうか?
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今まで、「会話」や「物語文」を重視していた感じのあるセンター試験の英語問題でしたが、今年は違ったように感じました。
今後、受験界は新たな傾向と対策に追われることとなるででしょう。
指導側の我々はまだ良いのですが、受験生はやることが増えて、より大変になると思いました。

特に英語が苦手な人にとっては!

\(`0´ )/=3

次回は木曜日の更新。久しぶりの雑談です。新しいシリーズは月曜日からです。
よろしくお願いいたします。

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