では参りましょう。最初に「thatの識別表」を書きます。
なんのことか分からないかも知れないですが、とにかくご覧ください。
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・但し書き
※「副詞」は(25)のケース以外は「無いもの」と思って無視すること。
※これは完璧な表ではなく例外もある。しかし概ねこれで対応できる。
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(1)まず、その文の【文頭】が、It is,あるいは It was かどうか調べる。
It is,あるいは It was であれば(23)へ進む。
It is,あるいは It was でなければ(2)に進む。
(2)その that の直後に動詞(特に be動詞)があるかないか調べる。(that's などの場合の 's も be動詞である)
あれば(3)に進む。
なければ(5)に進む。
(3)その that の手前に名詞があるかないか調べる。
つまり[【名詞】that]という語順であるかどうか調べる。
[【名詞】that]という語順であれば(3.5)に進む。
[【名詞】that]という語順でなければ(4)に進む。
(3.5)その that の直後に動詞があるかないか調べる。
つまり「that+動詞(〜)」の形であるかどうか調べる。
[that+動詞(〜)]であれば(14)に進む。
[that+動詞(〜)]でなければ(8)に進む。
(4)その that は「指示代名詞」の that。意味は「それ」「あれ」など。
(5)その that の直後の単語を調べる。
・that の直後に何もなければ(4)に進む。
・a, the, this, that, these, those, I, you, he. she, it, my, your, his, her,
its, some, any, または 複数名詞、または人名や固有名詞
↑これらどれかであれば(10)に進む。
・that の直後に of があれば(4)に進む。
上記のいずれでもなければ、thatの次の単語は単純な名詞のはずである。(6)に進む。
(6)that+名詞 が「文の文頭」であるかどうか調べる。
文頭ならば(7)に進む。
文頭でないならば(8)に進む。
(7)その that は「指示形容詞」の that。意味は「あの〜、その〜」。
(8)それは「that+名詞+動詞(〜)」の形であるかどうか調べる。
この形であれば(9)に進む。
この形でなければ(8.5)に進む。
(8.5)それは「that+動詞(〜)」の形であるかどうか調べる。
この形であれば(14)に進む。
この形でなければ(7)に進む。
(9)その[that+名詞]の部分だけ訳そうとする場合、「その[名詞]」と訳して意味が通るかどうか調べる。
通る場合は(7)に進む。
通らない場合(10)に進む。
(10)that の手前の品詞を調べる。
[前置詞+that …]だったら⇒(7)に進む。
[他動詞+that …]だったら⇒(10.5)に進む。
[形容詞+that …]だったら⇒(11)に進む。
[名詞+that …]だったら⇒(12)に進む。
(10.5)that+名詞 の次に「動詞があるかどうか」を調べる。
[that+名詞+動詞(〜)]だったら⇒(11)に進む。
[that+名詞+動詞以外(もしくは何も単語がない)]であったら⇒(7)に進む。
(11)そのthat は接続詞の that。 「(that 以下)+こと」という意味。
(12)that 以下に 必要な[他動詞の目的語]か、[前置詞の目的語]か、[補語]のいずれかが欠けているかどうか調べる。要するに「完全な文かどうか」調べる。
・必要な[他動詞の目的語]か、[前置詞の目的語]か、[補語]が欠けている場合、
つまり、「完全な文ではない」場合
⇒(13)に進む。
・必要な[他動詞の目的語]か、[前置詞の目的語]か、[補語]が欠けていない場合、
つまり、「完全な文」の場合
⇒(15)に進む。
(13)この that は目的格か補格の関係代名詞のthat。この場合「that だけの意味」を訳出することはできない。
(14)この that は主格の関係代名詞のthat。この場合「that だけの意味」を訳出することはできない。
(15)[【名詞】+that+SV〜] の形のはずだが、
↑この【名詞】が、me, you, him, her, もしくは、人物名かどうか調べる。
[【me, you, him, her, もしくは、人物名】+ that+SV〜] の場合(11)に進む。
[【me, you, him, her, もしくは、人物名】+ that+SV〜] ではない場合(16)に進む。
(16)[【名詞】+that+SV〜] の形のはずだが、
「SV〜『という』【名詞】]という意味で上手く行くかどうか確かめる。
「SV〜『という』【名詞】]という意味で上手く行く場合(17)に進む。
「SV〜『という』【名詞】]という意味で上手く行かない場合(18)に進む。
(17)この that は接続詞のthatだが、特別なthat で「同格のthat」と呼ばれる。意味は「という」。
(18)[【名詞】+that+SV〜] の形のはずだが、この【名詞】は
・ズバリ、time, day, など時間に関係する意味の単語の場合(19)に進む。
・ズバリ、place の場合(20)に進む。
・ズバリ、reason の場合(21)に進む。
・ズバリ、way の場合(22)に進む。
(19)このthat は関係副詞のthat。whenの代用。この場合「that だけの意味」を訳出することはできない。
(20)このthat は関係副詞のthat。whereの代用。この場合「that だけの意味」を訳出することはできない。
(21)このthat は関係副詞のthat。whyの代用。この場合「that だけの意味」を訳出することはできない。
(22)このthat は関係副詞のthat。元々はhowの代用。この場合「that だけの意味」を訳出することはできない。
(23)that 以下に、必要な[主語]か、 [他動詞の目的語]かが欠けているかどうか調べる。要するに「完全な文かどうか」調べる。
・必要な[主語]か、[他動詞の目的語]かが欠けている場合、
つまり、「完全な文ではない」場合
⇒(24)に進む。
・必要な[主語]か、[他動詞の目的語]かが欠けていない場合、
つまり、「完全な文」の場合
⇒(25)に進む。
(24)it is 〜 that …, あるいは it was 〜 that … の強調構文で使われた that である。この場合「that だけの意味」を訳出することはできない。
(25)it is 〜 that …, あるいは it was 〜 that … の形のはずであるが、このときの「〜」の部分を調べる。
「〜」の部分が
・here, yeasterday などの副詞の場合(24)へ進む。
・in the place などの前置詞句の場合(24)へ進む。
・when 〜 や if 〜 や while 〜 といった「副詞節」の場合、(24)へ進む。
上記のいずれでも無い場合(26)に進む。
(26)この that は接続詞の that である。意味は「こと」。「 it は that 以下」と説明されるときの that。that 以下を it に代入して文全体の意味を考える。
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さあてと。上を全部丁寧に読んだ人はいないと思います。
それで良いです。これは一気に読むものではありません。
これは、あなたが that に出くわしたとき、そのthat の役割を正確に認識させるためのものです。
もしあなたが受験のころの私のように、「thatでいつも頭を抱えて悩む人」であれば、この(1)〜(26)は役立つはずです。
次回からこれを1つづつ解説します。続きは木曜日です。