今日は予告どおり、不定詞に関する四方山(よもやま)話です。
「不定詞」ってそもそも変な名前だと思いませんか? 「不定」なんだそうです。この名前が実は色々な誤解を招いている、というお話です。
「不定」という日本語は、「定まっていない」という意味ですよね。そこから、ある誤解をしている人を多々見かけます。
誤解⇒「不定詞」とは、見かけは「to do 〜」なのだが、同じ「to do」の塊でも役割が不定なもの。英文によってその役割は、名詞や形容詞や副詞の役割を担うが、それが一定に定まらないので、「不定詞」と呼ばれる。
↑これは大嘘です。確かに不定詞は概ね「to do 〜」の形で、その塊の役割は名詞や形容詞や副詞の役割を担います。しかし、それが定まっていないから「不定詞」と呼ばれるのではありません。(そもそも英文ごとに定まりますw)
不定詞は実は…「不限定動詞」という言葉から、「限」と「動」という漢字が抜け落ちて出来上がった言葉なのです。(大昔の、NHKラジオ「ビジネス英語入門」で得た知識です)
では「不限定動詞」とはどういう意味でしょうか? 実は「動詞の形が変わらない」という意味なのです。
通常使われる「動詞」を考えましょう。
・現在のことは⇒現在形 (例:go, goes)
・過去のことは⇒過去形 (例:went)
・未来のことは⇒未来時制 (例:will go)
と、「形が変わり」ますよね。
『時制』によって、形が『限定』されてしまうのです
ところが、「不定詞」で使う場合、原則
・現在のことでも、to+原形 (例:to go)
・過去のことでも、to+原形 (例:to go)
・未来のことでも、to+原形 (例:to go)
と、形が変わらないのです。
『時制』によっても、形が『限定』されないのです。常に一定なのです。
これが「不定詞」という呼び名の正体です。
とはいえ、
不定詞は、「to do の形」で、役割が「名詞だったり、形容詞だったり、副詞だったり」します。それは見かけだけで、判断するのがやや難しいだけです。どれになるかはきちんと「定まって」います。だからそれを見分ける練習を、特に英語が苦手な初学者は学習して欲しいと思います。
明日はいつもの文法放送。この続きは月曜日です。(※実際は木曜日になりました。)