苦手なりの受験英語(アルク版)

文法の必要性の有無(9)

今日は
「才能がはっきり区別できない中間ぐらいの人」
について書きます。

「才能」と言ってもばらつきがありますよね。例えば100m走を想像してください。
100mを11台で走れる人、12秒台で走れる人、13、14、15、、、となりますよね。
11秒台で走れる人のほうが速く走れる才能があり、15秒台のほうが才能がないことになります。
12、13、14秒台の人もいるわけです。それぞれ微妙に才能に差があるわけです。

英語も同じように才能に差があると私は思っています。そして「才能がはっきり区別できない中間ぐらいの人」も一概には「ひとくくり」にはできないと思います。12、13、14秒、のようにそれぞれに差異があり、それぞれ別の物だと思っています。

それでも、やや無理気味に「才能中間派」をまとめてみます。「ひとくくり」は難しいので「3つに」分けてみます。

中間派の3種類
1)中学までは楽しかったのに…派
2)突然文法が気になった派
3)文脈でなんとかなるよ派

1)中学までは楽しかったのに…派
ここでいうAタイプの典型です。
中学までは英語が楽しく、それほど困らなかったタイプです。
大概の英文は、文法なんか全然意識しなくても、読めました(中学までは)。
中学時代は「ちょっとぐらい意味が変でも概ねOKだなあ〜」という感じですね。

ところが、高校に入って困ったケースです。
今まで(中学時代)「ちょっとぐらい意味が変かもしれないが概ねOKだった」のに、なぜか徐々に「概ね」どころか半分ぐらい、いやいや、30%ぐらいしか意味が文の意味が分からなくなってしまったのです。
年度が進むに連れて困った度合いが強くなった感じです。
こういう人は「あれ? 今まで上手くいってたのに? なんで?」と困惑するはずです。
この頃になると、多少難しい文法事項が出てきます。ところがこの説明がチンプンカンプン。
「キー! よくわからなーい!」という感想を持ち、文法を嫌がります
そして「今まで(中学時代)だって文法なんてよく分からなかったけどなんとかなったから、これから先も何とかなるはずだ」と思うわけです。
ところが、全然全く何とかならない。文法はやりたくない(嫌い)。。。。。
困ったあああああ……!!!
 …というタイプです。
このタイプの原因は「才能が高校で枯渇した所為」です。

ちなみに「才能が高校で枯渇しなかったタイプ」は…
今まで「ちょっとぐらい意味が変かもしれないが概ねOKだった」、そして高校でも「概ね」OKの状態をキープした。多少困るのも無くは無いが概ね平気。
「中学までは楽しかったのに…派」よりも才能があったため、そのまま高校でも大丈夫だったのです。

2)突然文法が気になった派
「1)中学までは楽しかったのに…派」とよく似ています。ですから才能が枯渇し始めた人もいます。ですが、枯渇しない人でもこのタイプが存在します。
あるとき突然に自分が持っている「英語的なカン」に対し、「文法的な根拠」が気になってしまったのです。まるで目の前に突然お気に入りのタイプの異性が現れたようなものです。「気にするな!」と言われたってそれは無理というものですw
色々なパターンがありますが
・これって、文法ではどう考えるのだろうか? とふと思ってしまった
・うん? この訳例が作れない! え? 文法で考えると作れるんだ! ああ〜ホントだ! へ〜〜〜なるほど〜〜〜 今まで気にしていなかったけど、気にしたほうが良い側面があるかも…
と、気になってしまったのです。このタイプはどちらかというと理系が多いです。そして文法にそれほどの「嫌!」という不快感が無かったタイプがこうなりやすいです。

3)文脈でなんとかなるよ派
このタイプは上の2つとは違います。どちらかと言えば才能があるほうです。
国語も得意・読書量も豊富な理系、という人がなりやすいタイプです。
このタイプは文法が嫌いです。
英文の意味を「文法以外の知識」と「文脈」で作り出してしまいます。
英語も言語ですから、文法は違えど、述べたいことなどは同じはず。それならその述べたいことを前後関係などから導き出してしまおう、という読み方をするのです。
ここで読書量や国語力が生きてきます。豊富な読書量と自信のある国語力を駆使することで、文法を知らなくても、文脈から正しい意味を作り出してしまうのです。
だからこのタイプは、文脈がない英文だとトタンに意味が分からなくなるタイプです。文脈の無い「たった1文だけ」のケースだと、ほんのちょびっとだけ複雑な英文でも意味が取れなくなる場合があります。
例えば
The suggestion which I made was rejected
だったら、このタイプの人は
「提案が拒絶される」か「拒絶する提案」かの2択を考えて、どちらが正解かが分からない…という感じです。
(正解は提案が拒絶されるほう。訳例や解説などはこちら
このタイプの人は、この英文の前後に文脈があると「私が作った提案は拒絶された」とちゃんと作れるのです。

しかし、文脈があっても文構造が複雑な長い文英文だとお手上げです。そもそも文法を知らないので、複雑な英文だと文脈だけでは対応できなくなってしまうのです。
このタイプは「別に英語を極めよう」とは思わず、「ある程度ちゃんと読めれば良い」と考えます。そしてそれには自信があるのです。
そしてこのタイプの人は「ある程度ちゃんと読む」ということは文法知らなくても可能なのです。(でも文法問題を出すとほぼ全滅ですw)

ここを読んで下さっている人の何人かはこれに当てはまる人もいるかもしれません。
どうでしょうか?

中間派は他にもタイプがあるような気がします(そういうことを私は研究しています)。以上は現在私が見つけたタイプとしておきます。

次回はこの1)、2)、3)タイプについてもう少し書きます。
木曜日の更新予定です。

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