今回は「分詞」という言葉の説明しましょう。今日は後編です。
「分詞」には「過去分詞」と「現在分詞」があります。前回は(主に)中学でやった内容を紹介しました。今回は(普通は)高校で初めてやる内容です。
(1)I know the running boy.
(2)I know the boy running in the street.
(3)I know the kicked boy.
(4)I know the boy kicked by her.
上の(1)〜(4)をまずご覧ください。
(1)と(2)は「〜ing」がある。でも「進行形(be+〜ing)」ではない。
(3)と(4)は「−ed」がある。でも「受動態(be+過去分詞)でも、完了形(have[has,had]+過去分詞)」でもない。
…ということはお分かりになりますでしょうか?
この「〜ing」と「−ed」の正体だけ先に言っておきましょう。
この
(1)と(2)の「〜ing」は「現在分詞」である
(3)と(4)の「−ed」は「過去分詞」である
実は↑こうなんです。
「進行形や受動態や完了形」以外にも、現在分詞や過去分詞は使われるのです。これが(1)〜(4)のような英文です。
では、「進行形や受動態や完了形」以外で使われる「現在分詞や過去分詞」がどういったものか?
これについて説明しましょう。
実は
「進行形や受動態や完了形」以外で使われる「現在分詞や過去分詞」は
「形容詞」と似ている。
のです。
↑どういうことか分かりますでしょうか?
例えば↓この英文を見てみましょう。
I know the beautiful boy.
↑この beautiful は「形容詞」でしたね。
この形容詞「beautiful」は、次の名詞「boy」を修飾しています。
beautiful ⇒ boy
美しい ⇒ 少年
といった具合です。だから
I know the beautiful boy.←この意味は
⇒「私はその美しい少年を知っている」
となります。
では、beautiful を running と取り換えます。
(1)I know the running boy.←この意味はどうなるでしょうか?
実は、この running は「走っている」という意味を持っています。
ほら! ↓進化形のとき
He was running. 「彼は走っている」という意味でしたよね。
(1)I know the running boy.の場合の「running」は
進行形のときに作られる意味⇒「走っている」という意味があるのです。
だから、
(1)I know the running boy.の意味は
⇒「私はその走っている少年を知っている」
となるのです。
この使い方は「形容詞のbeautiful」の使い方とソックリです。
つまり
beautiful ⇒ boy
美しい ⇒ 少年
となるのと同じように
running ⇒ boy
走っている ⇒ 少年
という具合です。
ようするに、
running は、名詞boyを修飾している
のです。
今度は↓このケースを見てみましょう。
(2)I know the boy running in the street.
今度は、boy と running の位置が、(1)と逆転しています。
しかし、実は(2)も(1)と同じように
running は、名詞boyを修飾している
のです。
(1)と(2)の相違点は、修飾語句が「1語」か「2語以上」か、という点です。
修飾語句が「1語」の場合⇒「分詞+名詞」の順番になります。
例:(1)I know the running boy.(私は走っている少年を知っている)
修飾語句が「2語以上」の場合⇒「名詞+分詞」の順番になります。
例:(2)I know the boy running in the street.(私はその通りを走っている少年を知っている)
どちらにしろ、「現在分詞の running」は「名詞 boy」を修飾しています。
「1語のみ」か「2語以上」かで、「前からかかる」か「後ろからかかるか」が決まるのです。
ここまでよろしいでしょうか?
それにしても、英語の苦手な人は(1)や(2)のような英文の意味を捉えるのは難しいのではないかと思います。
(1)I know the running boy.
(2)I know the boy running in the street.
どうです? ↑こういった「現在分詞が、形容詞のように名詞を修飾している英文」の意味が「楽に」わかりますか? 特に(2)のように「後ろからかかる」場合、意味を取りづらいと思います。いかがでしょうか?
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今度は、(3)と(4)について考えます。実は(1)と(2)とさほど変わらないのですけどね。
例えば↓この英文を見てみましょう。
I know the beautiful boy.
↑この beautiful は「形容詞」でしたね。
この形容詞「beautiful」は、次の名詞「boy」を修飾しています。
beautiful ⇒ boy
美しい ⇒ 少年
といった具合です。だから
I know the beautiful boy.←この意味は
⇒「私はその美しい少年を知っている」
となります。
では、beautiful を kicked と取り換えます。
(3)I know the kicked boy.←この意味はどうなるでしょうか?
実は、この kicked は「蹴られた」という意味を持っています。
ほら! ↓受動態のとき
He was kicked. 「彼は蹴られた」という意味でしたよね。
(3)I know the kiced boy.の場合の「kicked」は
受動態のときに作られる意味⇒「蹴られた」という意味があるのです。
だから、
(3)I know the kicked boy.の意味は
⇒「私はその蹴られた少年を知っている」
となるのです。
この使い方は「形容詞のbeautiful」の使い方とソックリです。
つまり
beautiful ⇒ boy
美しい ⇒ 少年
となるのと同じように
kicked ⇒ boy
蹴られた ⇒ 少年
という具合です。
ようするに、
kicked は、名詞boyを修飾している
のです。
今度は↓このケースを見てみましょう。
(4)I know the boy kicked by her.
今度は、boy と kicked の位置が、(3)と逆転しています。
しかし、実は(4)も(3)と同じように
kicked は、名詞boyを修飾している
のです。
(3)と(4)の相違点は、修飾語句が「1語」か「2語以上」か、という点です。
修飾語句が「1語」の場合⇒「分詞+名詞」の順番になります。
例:(3)I know the kicked boy.(私は蹴られた少年を知っている)
修飾語句が「2語以上」の場合⇒「名詞+分詞」の順番になります。
例:(4)I know the boy kicked by her.(私は彼女に蹴られた少年を知っている)
どちらにしろ、「過去分詞の kicked」は「名詞 boy」を修飾しています。
「1語のみ」か「2語以上」かで、「前からかかる」か「後ろからかかるか」が決まるのです。
ここまでよろしいでしょうか?
それにしても、英語の苦手な人は(3)や(4)のような英文の意味を捉えるのは難しいのではないかと思います。
(3)I know the kicked boy.
(4)I know the boy kicked by her.
どうです? ↑こういった「過去分詞が、形容詞のように名詞を修飾している英文」の意味が「楽に」わかりますか? 特に(4)のように「後ろからかかる」場合、意味を取りづらいと思います。
また!
(3)や(4)ように「過去分詞」が規則変化する動詞(もしくは1部の不規則変化動詞)の場合、(1)と(2)と違い、『もっと間違い易く』なります。
例えば
↓これを見た場合
(3)I know the kicked boy.
(4)I know the boy kicked by her.
↑(3)や(4)の kicked が「動詞の過去形」に見えないでしょうか? どうでしょうか? 特に英語の苦手な人は『過去分詞だ』とは思えず、「過去形」と判断し、間違った文の意味を作ってしまうことがほとんどです。
でも、(3)や(4)の英文の kicked は絶対に「過去分詞」なのです。
どうしたら、すぐにそれがわかるでしょうか?
方法をご説明します。
・(3)の場合(こっちは(4)に比べれば簡単)
(3)I know the kicked boy.
もし、kicked が「動詞の過去形」であれば、kicked の『手前』は「主語になる名詞」があるはずです。
例えば You kicked him.(あなたは彼を蹴った)
↑
こんなふうに、 kickd の『手前』には「主語(you)」という「名詞」が必要なはずです。
しかし
(3)I know the kicked boy.
↑
kicked の『手前』には、「名詞」がありません。(the という冠詞になっています)
したがって、
「(3)I know the kicked boy.」の kicked は「動詞の過去形」のはずがありません。
「動詞の過去形でない場合」は ⇒ 残りの唯一のケース、すなわち、
「過去分詞」
…と分かるのです。
・(4)の場合(こっちは(3)に比べれると難しい)
(4)I know the boy kicked by her.
(4)の場合、「動詞の過去形」か「動詞の過去分詞」か怪しい単語(今回ならば、kicked)をもう少し詳しく調べる必要があります。その単語が「自動詞か他動詞のどちらなのか」か重要になります。
今回は kick です。kick は通常「他動詞」ですね。だから、目的語が『直後』に必要です。
例えば You kicked him.(あなたは彼を蹴った)
↑
kicked の『直後』には、こんなふうに「目的語(him)」という「名詞」が必要なはずです。
しかし
(4)I know the boy kicked by her.
↑
kicked の『直後』には「名詞」がありません。(by という前置詞になってしまっています)
したがって、
「(4)I know the boy kicked by her.」の kicked は「動詞の過去形」のはずがありません。
「動詞の過去形でない場合」は ⇒ 残りの唯一のケース、すなわち、
「過去分詞」
…と分かるのです。
「過去分詞か、過去形か」が怪しい単語に出くわした場合、どちらなのかを、こうやって1回1回確認する必要が、英語が苦手な人にはあると思います。
以上が、「分詞」の基本用法でした。
なお、分詞についてはまだ説明しなければならないものが残っています。
それは「分詞構文」と呼ばれるものです。分詞構文は分詞構文でとても厄介です。
分詞構文の説明は「ここ」にあります。分詞構文を学びたい人はここでしっかり内容を把握しましょう。
以上が「分詞」の説明でした。いかがだったでしょうか?
次回は木曜日の更新です。