今回は「名詞句」「形容詞句」「副詞句」という言葉の説明しましょう。
名詞句とはなんでしょう? 形容詞句とはなんでしょう? 副詞句とはなんでしょうか?
まず「句」についてです。これは前回やりましたね。見損なっている人は確認しましょう。
「句」…文中の「意味のある塊」のうち、S+Vがないもの
でした。
「句」は正確には次の2種類で分類します。
・(A)先頭にある語句で分類
・(B)文中での「働き」で分類
この2つです。
次の8つを
(A)先頭にある語句で分類
してみましょう。
1、The accident happened on September 13, 2000.(その事故は2000年9月13日に起こった)
on という前置詞から始まっているから⇒「前置詞句」
2、Many people don't know the meaning of this word.(多くの人々はこの言葉の意味を知らない)
of という前置詞から始まっているから⇒「前置詞句」
3、To speak English well is difficult.(英語を上手に話すことは難しい)
「to不定詞」から始まっているから⇒「不定詞句」
4、He has the ability to speak English well. (彼は英語上手く話す能力がある)
「to不定詞」から始まっているから⇒「不定詞句」
5、To speak English well, he needs more practice. (英語を上手く話すために、彼はもっと練習が必要だ)
「to不定詞」から始まっているから⇒「不定詞句」
6、He likes playing the guitar. (彼はギターを弾くことが好きだ)
「動名詞」から始まっているから⇒「動名詞句」
7、The people participating in the event are "OTAKU".(そのイベントに参加している人々はオタクである)
「現在分詞」から始まっているから⇒「分詞句」
8、Reading a book quietly at night, I feel very happy.(本を静かに読んでいるとき、私はとても幸福だと感じる)
「現在分詞」から始まっているから⇒「分詞句」
となります。6〜8の区別は分からない人がいるかもしれません。しかしそういう人でも、ここではとりあえず「そうなんだ」と思ってください。
実は、句の分類では、↑このように「(A)先頭にある語句で分類」ではあまり呼ばれません。
上の1〜8も、通常は「(B)文中での「働き」で分類」されて、それぞれ呼ばれます。
(B)文中での「働き」で分類
…↑この分類法だと
・名詞句
・形容詞句
・副詞句
の3種類しかありません。
今回はこれを分かってもらうための回とします。
(B)文中での「働き」で分類するわけですから、
・名詞句とは、 ⇒文中で「名詞の働きをする句」
・形容詞句とは ⇒文中で「形容詞の働きをする句」
・副詞句とは ⇒文中で「副詞の働きをする句」
となります。
このままではまだ分からないと思いますのでもう少し噛み砕きます。
・「名詞の働き」とは⇒文の中で「主語」や「目的語」、(場合によっては)「補語」になる働きです。この回の「名詞相当語句」の説明を参照。(※【名詞相当語句】のみを説明したこちらのほうが良いかもしれません)
・「形容詞の働き」とは⇒「名詞」を修飾する働きです。この回を参照。
・「副詞の働き」とは⇒「名詞以外」を修飾する働きです。この回を参照。
ということは、
・名詞句とは、 ⇒文中で「主語」や「目的語」、(場合によっては)「補語」になる働きをする句」
・形容詞句とは ⇒文中で「「名詞」を修飾する働きをする句」
・副詞句とは ⇒文中で「「名詞以外」を修飾する働きをする句」
となります。
ここまでよいでしょうか?
では先ほどの、1〜8が
(B)文中での「働き」で分類
だと、それぞれ何に当たるかを確認しましょう。
1、The accident happened on September 13, 2000.(その事故は2000年9月13日に起こった)
「動詞 happen」を修飾している⇒「副詞句」
2、Many people don't know the meaning of this word.(多くの人々はこの言葉の意味を知らない)
「名詞 meaning」を修飾している⇒「形容詞句」
3、To speak English well is difficult.(英語を上手に話すことは難しい)
「To speak English well」は、文の中で「主語」⇒「名詞句」
4、He has the ability to speak English well. (彼は英語上手く話す能力がある)
「To speak English well」は「名詞 ability」を修飾している⇒「形容詞句」
5、To speak English well, he needs more practice. (英語を上手く話すために、彼はもっと練習が必要だ)
「To speak English well」は「he needs more practice」という文全体を修飾している⇒「副詞句」
6、He likes playing the guitar. (彼はギターを弾くことが好きだ)
「playing the guitar」は、文の中で他動詞 like の「目的語」⇒「名詞句」
7、The people participating in the event are "OTAKU".(そのイベントに参加している人々はオタクである)
「participating in the event」は「名詞 people」を修飾している⇒「形容詞句」
8、Reading a book quietly at night, I feel very happy.(本を静かに読んでいるとき、私はとても幸福だと感じる)
「Reading a book quietly at night」は「I feel very happy」という文全体を修飾している⇒「副詞句」
という具合になります。わかりますでしょうか?
多くの参考書には「名詞句」「形容詞句」「副詞句」という言葉が踊っています。あるいは英語の先生方が、これらの言葉を使って説明してくださるでしょう。それらは↑上記のような役目を果たしているわけです。
特に「不定詞」が使われた場合、その部分だけでは【何句】か分かりません。上の3〜5はみな「To speak English well」が「句」です。
ですが、それぞれ、「名詞句」「形容詞句」「副詞句」と別個です。形だけでは「何句」は決まらないのです。「文中での使われ方」で「何句」かが決まるのです。よろしいでしょうか?
次回は、「名詞節」「形容詞節」「副詞節」について説明します。
次回は、木曜日の更新です。