苦手なりの受験英語(アルク版)

年代別 英語ダメパターンと処方箋(9)


では「高3直前期」の「ドタバタタイプ」の後半に行きましょう。
このタイプの人がまず陥るアホな方法
の話をします。

このパターンの人(特に男)は「選択肢から答えを導き出す」という方法に頼ろうとします
出題者は「迷わせよう」という基準でダミーの選択肢を作るのだから、それを見抜いて当てよう、と考えるのです。
実はこれは「裏技」と呼ばれています。

実のところ、私も経験者です。私自身が「直前期ドタバタタイプ」でしたからなあ〜
けっこう研究しましたよw

結論を言うと、何の助けにもならなかったです。

この本は今でも直前期になると「袋とじ」になって本屋で毎年並びます。
私は見るたびに「ああ、俺も騙されたなあ」と思ってしまいます。

冷静に「なぜダメか」を考えましょう。

●そもそも「国語」用だけ作られた
作者のT氏は、当時の共通一次(今のセンター)の国語用に編み出したと語っています。本人は「それで国語を突破した」と語っています。仮にそれが本当だとしても「英語」はそうした裏技で突破したわけではないのです。
つまり「国語と同じ理屈で英語も対応させている」のです。つまり「英語での実績が無い」のです。

●センター問題入試作成者も対応している
裏技が余りに普及したため、問題作成者も「裏技」を研究してしまったのです。「裏技ではダミーが正解に見えるような選択肢」をわざわざ作るようになってしまったのです。
あるいは、明らかに使えない問題を作ってしまいました。
 「A、B、C の正しい順番を選べ」という問題なのですが、選択肢は以下です。
(1)A-B-C (2)A-C-B (3)B-A-C
(4)B-C-A (5)C-A-B (6)C-B-A

「ありえるパターンが全通り書いてある」のですよ。この中からどうやって正解を導き出すのでしょう?

センターの入試作成者は、こうやって、「裏技では解きにくく」してしまっているのです。

●仮に上手く行くとしても、大学ごと、センターごとに違う
センター試験の英語問題は「苦手な人イジメ」のための問題です。私は「苦手な人が絶対選ばなそうな選択肢が良く分かる」のです。それが正解なんです(ホント、よく出来ています。ものすごくイジワルです)。
実のところ、今年のセンター用に私自身もちょっと裏技を開発したんですよね〜w。昨年はまあまあ良かったんですよ。でも同じやり方を今年ので試したところ、ダメでしたね(42.8%)

これと同じやり方は他大では全く通用しません。試しに「他の大学の入試問題」で試してください。全く違うはずです。他の大学はセンターほどイジワルじゃないんですよw 「選択肢の作り方が全く違う」ので、5%も当たらないと思います。

以上ですが、それでもこの「直前期ドタバタタイプ」の人は、「裏技」に頼りたくなるのです。どうやったって「間に合いそうに無い」ので、やむ終えず選んでしまうのです。

処方箋

まず「裏技」ですが、研究は構わないです。止めても無駄でしょう。でも実は裏技を使っても無駄です。私自身が経験者だからよく分かります。いかに無駄であったかが。
もし、裏技が本当に有効なら「もっと声高に【有効だった】」と叫ばれるはずです。ですが、そんな声はありません。つまり、裏技は少なくとも「あなたが期待する効果は無い」のです。

大学にどうしても行きたいのであれば、浪人を覚悟しましょう。そして、出来るだけ頑張りましょう。単語だけなら単語、熟語だけなら熟語、とテーマを決めて、それだけでも頑張ってやってみましょう。
浪人生活を少しでも楽にしましょう。

今回は以上です。
続きは木曜日です。(※実際は金曜日でした)

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