今回で「色んな意味で仮定法の謎」のシリーズは最終回です。
今回は「英語が苦手な人にとっての仮定法」という話です。
まず、何回も例に出している、
If I had a lot of money, I would buy the personal computer.
という英文を考えましょう。
この英文を見たとき、あなたはどの部分が目に入りますか?
(A)英語がものすごくお好きで得意な人であれば
If I had a lot of money, I would buy the personal computer.
赤字の部分が全部いっぺんに目に飛び込んできたと思います。
「全部じゃねーか」というツッコミがあると思いますが、まず無視します。
(B)英語が普通に好きで得意な人ですと、
If I had a lot of money, I would buy the personal computer.
この赤字のカタマリが最初に目に飛び込みます。その後で
If I had a lot of money, I would buy the personal computer.
後半の赤字のかたまりが目に飛び込みます。
「まとまりごとで意味を思い浮かべる」という感じになると思います。
前回を参照してください。
では、
(C)英語が嫌いで苦手な人はどうなるか?↓ここの赤字が目に飛び込みます。
If I had a lot of money, I would buy the personal computer.
「赤字なんかないじゃないか!」というツッコミがあると思います。(^^)
はい、英語が嫌いな人はアルファベットなんて最初から目に入りません。
ここを参照してください。アルファベットなんて見るわけがない!
では
(D)英語が嫌いで苦手な人が「試験などで無理やり英文を読まなくてはならなくなった場合、どこを最初に見るか?
↓ここ(赤字のみ)を最初に見るはずです。
If I had a lot of money, I would buy the personal computer.
そうです。if だけを見るのがやっとなわけです。
その後で
If I had a lot of money, I would buy the personal computer.
この赤字が目に飛び込みます。I だけ見るのがやっとです。
このように、
英語が好きで得意な人は「英文をかたまりでしか見れない」のに対し
英語が嫌いで苦手な人は「英文を1語1語でしか見れない」のです。
ここまでよろしいでしょうか?
さて、ここで仮定法のコツについて考えましょう。前回書きましたね。
仮定法のコツの1つは、
●「if」(1語)だけを見た瞬間に、条件反射的に反応する
ことなのです。↓の(1)(2)の反応をするだけで多くの場合ことが足りるのです。
(1)if (1語)を見た瞬間「仮定法かもしれないな」と思う。(もちろん仮定法ではないかもしれない)
(2)後半に would(could might should) があるかどうかを確認する。あれば仮定法と概ね確定する。なければ仮定法ではない。
という具合なのです。
つまり、仮定法は、「英語が嫌いで苦手な人のほうが楽」なのです。1語(if)だけしかもとより見れないので、その反応をすればよいのです。
私が受験生の頃、まだ偏差値が40もなかった頃、私は仮定法を学びました。
ものすごく簡単に感じました。参照
それは
・if (1語)だけ見て、反応するだけで済む。
・ありえないことかどうかを考えるのはいつもやっていること。(終わりの方を参照)
・歴史好きだから、過去のことを想像するのは容易い。(終わりの方を参照)
という条件が整っていたからです。
私は仮定法だけは、楽勝で仕方がなかったのです。
このシリーズの最初の話に戻りましょう。
この話の頭の↓この意見について考えましょう。
「この雑誌の『英語の達人に聞く! 英語のコツ!』と題された記事によると、『英語の文法は仮定法だけやればあとは必要ない!』そうである」
あなたはこれをどのように思いますか?
間違いではないと思いますよ。英語が好きで得意な人にとっては!
ですが、英語が嫌いで苦手な私にとっては到底当てはまらないと思うのです。
もし私にも当てはまるのであったら、浪人したての頃の私は偏差値70台のはずです。
当時でも仮定法だけは楽勝で満点だったのに、偏差値は40もなかったのですから。
以上になります。今回の話はいかがだったでしょうか?
さて、次回は木曜日の更新で「雑談」です。新しいシリーズは月曜日から行います。
テーマの予告をしましょう。タイトルは「英語のダメパターン」です。
・こういうパターンだと英語でオチこぼれる。
・また既にそういうパターンであればどうすればよいか?
というお話です。お楽しみに。