苦手な人に薦める「文法問題集」基準
まず前回まとめたことを踏まえる。
・できるだけ分厚く、やるのに時間がかかりそうで
・無名で
・たくさんの得意な人に「なんじゃこれ?」と散々にけなされまくる
こういう本であるのが苦手な人には望ましい。
その上で「文法問題集」について考えよう。
文法問題集の場合は以下の基準がさらに加わる。
(1)選択式の問題集は不可(鉄則)
「(1)〜(4)から選べ」というような文法問題ばかりあるものは不可である。「文法」を考えず「カン」で解こうとするから。
この基準を踏まえると、ほとんどの文法問題集が選ばれなくなる。
本当に「選択式(しかも概ね4択)ばかりのもの」が圧倒的多数を占めている。
(2)問題数が少ないものは不可
問題量が多い分には問題ない。しかし明らかに少ないものがある。「文法問題集」は演習をさせるのが目的なので、問題数が少ないものは選べない。
(3)解答と説明が同じページ見えるようなものもできれば避けたい。
見開きの右横に解説が書いてある文法問題集がある。これじゃあ「答えを見ながらやれ」と言っているようなものである。特に苦手な人の場合はほっとくとそうしてしまう。
(ただ、恐ろしいことに[英語が得意な人は答えを見ながらやって、文法を身につけようとする]のである。しかもこれで彼らの場合はある程度身についてしまう。しかしある程度なはずである。その証拠に彼らは文法が嫌いだし、文法の話をすると逃げ出す。これは[文法がちゃんと身についていない証拠]である。
(ただし、[いつも誤解されるのでここでも書くが]、得意なやつは文法なんかやらんでよろしい。やるな! 「苦手なやつは文法をやれ」と私は言っているのである)
(4)「解説が詳しくないから苦手な人向きではない!」という低評価があるものが、苦手な人向けなはずだ!
よく「解説が詳しくないからこの文法問題集は苦手な人向きではない!」なんて書いてある文法問題集のレビューを見ると俺はせせら笑う!
Ψ(`∀´)Ψ
「お前、英語得意でしょ? お前が文法を知らないだけだろ!? 違う?」
と感じる。大方の英語が得意な人は文法が嫌いで苦手なのだ! もし文法に詳しくないのに文法問題集を批評しているとしたらどうでしょう。でも多くの場合そうなのではないかと思います。
そもそも「問題集」なのだから、解説が詳しいはずがない。にもかかわらず「文法問題集に詳しい解説を求めている」ので、私はそれを笑ってしまうのである。解説を求めるなら問題集ではなく「文法解説書」にそれを求めるべきである。
私は文法の学習は「解説書を読んでから問題集を解くもの」だと思っている。しかし大方の得意な人はそうしない。こうするのである。
だから、苦手な人向けの良い文法問題集は、世間の評価が低いに決まっている!
というか(何度も書いているが)俺は「得意な人から これはいい参考書だ! と言われてやってみて、良かったものなどただの1つもない!」
だから繰り返す!
「解説が詳しくないから苦手な人向きではない!」という低評価があるものが、苦手な人向けなはずだ!
これによって生き残った文法問題集は以下の2つである。
「基礎からよくわかる英文法問題集」
綿貫 陽 著(旺文社)
ISBN-10: 4010361212
ISBN-13: 978-4010361214
735円(税込)
(1)選択式の問題集は不可(鉄則)……○ OK!
(2)問題数が少ないものは不可……○ OK!
(3)解答と説明が同じページ見えるようなものもできれば避けたい。……○ OK!初めから別冊だ!
(4)「解説が詳しくないから苦手な人向きではない!」という低評価があるもの……○ OK! 低評価が付いている! これが苦手な人にとって良い証拠に他ならない
「シグマ基本問題集英文法—新課程版」
文英堂編集部(文英堂)
ISBN-10: 4578011062
ISBN-13: 978-4578011064
777円(税込)
(1)選択式の問題集は不可(鉄則)……○ OK!
(2)問題数が少ないものは不可……○ OK!
(3)解答と説明が同じページ見えるようなものもできれば避けたい。……○ OK!初めから別冊だ!
(4)「解説が詳しくないから苦手な人向きではない!」という低評価があるもの……× 残念ながら低評価が付いていないが、単に有名じゃないからであろう。
<注意>
以下、誤解を恐れず書いてみる
上のお勧めを見て、「私の推薦だから良いに違いない」と思って無条件で買う人がいるとしたら、すまない。私はそういう方を心底軽蔑する。バカの証拠ではないかと思う。キチンと本屋に行って手にとって確かめて、内容や量を吟味し、納得してから買うこと! そうでなければ買うな! 苦手といっても色々あるからだ。上で薦めた本は「苦手の多く」にとって良いのでは? と思っているものにすぎない。苦手の中にも例外はいくらでもある。例えば、今の私の有料授業を受けている生徒には上記は絶対に薦めない。彼には絶対合わないであろうから。
もちろん「得意な人にもまず薦めない参考書である」ことも明記しておく。
ちなみに<英語が好きで得意なやつらのお勧め>を素直に買う苦手な人は<それ以上のスーパー大バカ>だと思う。
なお1番のバカは「今やっている参考書は、○○のお勧めに載っていにないから、お勧めの本に変えよう」とする人だと思う。ウルトラスーパーハイグレードデラックスギガバカだと思う。少なくとも今の時期に変えようとするなら、やめたほうがいいと思う。その証拠に「いやあ〜このお勧めの参考書に変えてよかったです。やっぱお勧めにない参考書はだめですね」といった書き込みがある受験掲示板を探してみよう。1つもないはずである。参考書に差なんてそんなにない。変えたところで、その参考書にあなたが望むほどの効能があるはずがない。それより変えないほうがまし! 少しでも蓄積があるのだから。だからむしろ変えるほうが失敗するのである。
明日はいつもの文法授業。この話の続きは来週の月曜日です。※実際は火曜日になりました